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「吉田さーん!」
駐輪場の方で彼の声がする
「こっち!こっち!」
嬉しそうに俺に手招きをする
「バイト お疲れ様」
優しく甘い声
「ありがとうございます、」
「2度も来てもらってすいません、」
彼も忙しいため俺のために来てくれたことに まずは謝罪をする
「いや 俺が吉田さんと話したかったからきたんだよ」
いつもさりげなく 相手が喜ぶようなことを
言ってくれる
「ぇえ、 ありがとうございます」
ぎこちない 感謝を述べる
「 …… なんかさ」
いつもとは違う声のトーンで真剣な顔で
こちらを見てくるため 少し戸惑う
「ぇ、はい?」
「吉田さんさ、」
「今俺と話す時も M!LKの佐野勇斗としてみて話してるでしょ」
「ぇっ、?」
自分の中で気づいているようで気づいていない図星 に驚いてしまう
「なんか 話してて感じる」
「特典会 みたいな、?」
「アイドルとファンとして話してるみたい」
たしかに、
俺はこの機会を大切にしようと思っていた
でもそれは親しくなるための交流ではなく
1回限りの特典会のように 思っていた
「俺 アイドル 佐野勇斗じゃなくて 1人の人として 吉田さんと 仲良くなりたい」
俺的には 意識をせず接しているつもりだった
でも彼はそんな俺の心の奥の気持ちに勘づいていた
「最初から 友達みたいに接して欲しいなんて言わないよ」
「でも 吉田さん すごく1回限りのアイドルとファンの特別な交流 みたいな雰囲気だったからさ」
彼の放った言葉 は どこか悲しそうだった
「すいません、 、」
「元々は 俺らはアイドルとファン だから
簡単に 親しくなれるとは思ってないよ」
「だからこそ お互いのことを知っていきたい」
度々思う
どうして彼は俺にここまで執着するのか
彼が根っからのまじめでまっすぐで友達思いなのは ファンだから 知っている
でも……
なんで俺なんだろう
ふと 感じたこの疑問を 彼に
聞きたくなってしまった
「あのさ、 勇斗くん」
「うん ?」
「どうして ここまで俺に真剣に向き合おうとしてくれるんですか」
「俺みたいなファン 他にもいるし」
「ファンじゃなくても沢山いると思います」
「なのに…… なんで 俺なの、?」
「えっ 、 、 ?」