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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

119 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.4「それは、不意なサプライズ」③

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2025年03月29日

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インタビューの前半は、ビジネスに関連した話が多くて、このままやっぱり仕事関連のトラブルとかが伝えられるのかなと思っていたのだけれど、意外にもインタビュアーの男性アナウンサーが、「では引き続き、久我社長のプライベートについて、お聞きしたいと思います」と、にこやかに告げた。


「えっ、プライベート⁉」と、思わず声が出る。


ここまで特に真新しいことは話されていなかった気がするから、もしかして何か個人的なことなのかな……。


(だとしたら、それって一体どんなことで?)と、気持ちが早るも、


「ここで一旦CMです」


と、画面はコマーシャルに切り替わってしまい、引っ張られたことでよけいに緊張感を煽られる羽目になった。


やがて番組に戻ると、こんな質問から始まった。


「久我社長のプライベートということで、まずは趣味を教えていただけますか?」


「趣味は、本を読むことだろうか。時間ができると、よく自室で本を開いている」


本を読むのが好きって、前に部屋を訪れた時に話してたよね。


彼のプライベートを知っていることに、ちょっぴり優越感に浸れる気もする。


「そうなのですね。では次に、お気に入りの食べ物とかはありますか?」


「気に入っているのは、赤いタコの形をしたウインナーだな」


えっ、それって……、前に私が、お弁当で作ったものなんじゃないのかな……。


「タコさんウインナーとは、また庶民的なものがお好きなんですね。しかしそれは、どなたかに作ってもらったものなのでは?」


インタビュアーからの問いかけに、彼が「それは、」と口を開くと、胸の鼓動がドッドッ……と大きな音を立てて、画面に釘付けになった。


「それは、ある女性に、作ってもらったものなんだ」


あ、ある女性って、わわ……私のこと、だよね?


はっきりとは言われないところが、ちょっとだけもどかしくて、だけどはっきりと言われたら、それはそれでひどく照れてしまいそうな気もして、悩ましくも感じる。


「もし差し支えがなければなのですが、その女性はどういった方なのか教えていただけますか?」


──その質問には、貴仁さんは何て答えるんだろうと、画面越しにじっと息を呑んで見つめていると、


彼は、ふぅーっとひと息を吐いて、


「彼女は、私の婚約者です」


と、淀みなく告げた──。


『婚約者』とは、以前にレセプションパーティーでも言われていたけれど、明らかにあの時とは違う、雷に打たれたみたいな衝撃度が、全身を走り抜けた。

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