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いつか、またいつか。
そうやって先延ばしにされた、いずれ来る未来。
あの国のトップにも、その国の国民にも、平等に来る未来。
誰も、何も無くなったこの未来は、誰を、何を望んでいたのだろうか。そんな疑問も、薄風に晒されて無へと帰す。
またどこかで、整合された石の塊が、崩れ落ちる音がした。まるで、誰かを探しているように。
かつては誰かがここで、名も知らぬ誰かと共に歩いていた。そんな青く淡く浅い記憶も、見る影ひとつ残さず塵となっていた。焼け爛れた多色刷の板には、かつては名を馳せたのであろう黒いガラクタが描かれていた。
いつしか、日は天高く昇っていた。