テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
テレビ放送の技術がその頭角を現し始めた頃、私は小さなテレビ局で仕事をしていた。
いちキャスターだったヴィンセントという男がその名を上げ、
世間に瞬く間に注目されたことで会社の名前も大きくなっていった。
やがて彼はこの業界を牽引する存在となり、
その革命的思考に賛同する者たちはやがて一つの宗教家と思うほどに彼を盲信するようになった。
??「ねぇ〇〇聞いてよ!今日の講演も素晴らしいものだったわ・・・!」
私の唯一の家族であるお姉ちゃんも、その熱心な信者の1人だった。
今日もこうしてヴィンセントの講演に魅せられ、恍惚とした様子で家に帰ってきた。
しかし私は、どうにも彼の思想にどこか違和感と畏怖を感じていた。
同じ局内で起こる不審死や事故死、行方不明者。
彼との関与は露も見えないものばかりだが、私にはどこか策略的なものを感じて仕方がない。
起こる事件の全てが、結果としてヴィンセントの出世へとつながっている気がするのだ。
だからこそ、彼の信念に飲み込まれていくお姉ちゃんのことが心配だった。
姉「でね、ヴィンセント様は・・・・・・って、話しても仕方ないか」
〇〇「え?」
ふと、お姉ちゃんの目が覚めたものへと変わる。
恍惚とした表情は消え、眉間に皺を寄せて私を見下ろしている。
姉「アンタは、この革命もヴィンセント様の事も・・・何一つ理解してない。しようとしてない」
姉「それなのに、賛同すらしてないアンタが・・・どうしてあの人の側にいられるの・・・」
一種の侮蔑を含んだような、冷たい視線。
どう言葉を返したら良いのか迷い、ついお姉ちゃんから目を逸らしてしまった。