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花月夜れん
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うおおおカエデちゃん…!!😭💕 魔道具店であの店主に疑われたとき、すごく胸が締め付けられたよ…。でもそこに颯爽と現れたフィニスが「これ勇者グッズのレプリカだろ!」ってフォローするところ、最高に優しくてかっこよかった…!二人の信頼関係がひしひしと伝わるし、小さな贈り物に込められた思いが尊すぎて泣ける😢✨ 皇子失踪の謎も気になるし、続きが気になって仕方ないよ〜!次も楽しみにしてるね!
ホムラのところにアルテアを残し、アマテラスの城へ向かった5人。前回外交で訪れたことのあるカエデを先頭に、門の前で見張りをしている兵に声をかけた。
「復興の支援に来ました。アクリムの使いのものです。代表の方は今どちらへ?」
見慣れぬ武装をした集団に、一瞬警戒をしていた兵士であったが、カエデと面識があったのだろう。カエデの声を聞くや否や、握りしめていた槍の力を抜き、微笑みながら口を開いた。
「これはこれはカエデ殿!アクリムのご支援、誠にありがとうございます」
そう言い、深々とお辞儀をする兵士。
「そちらの方達は……?」
見慣れぬ人たちへの反応。門兵の対応として当然と言えば当然である。
「白髪の魔女を追っている方達です。ここが魔女に襲われたという話を聞きつけ、一緒に来てもらいました」
カエデの言葉に目を大きく見開いた兵士。
「なんと!英雄の方々でありましたか!これは失礼いたしました!」
再び深々とお辞儀をする兵士。
「で、前回話をしてくれた……」
「はい。摂政のツクヨ様ですね」
職の名前をど忘れしてしまい、途切れた言葉を兵士が拾ってくれた。
「はい。摂政のツクヨ様はいらっしゃいますか?」
「それが……」
急に言葉を濁す兵士に、後ろで話を聞いていたフィニス達も首を傾げた。
「少し前に、祈りを捧げるため……皇子が焔帝山に向かわれたのですが……。戻って来ていないんです。その為、ツクヨ様達が捜索隊を組み、先日から焔帝山へ向かっているんですよ……」
「そうだったんですか」
兵士の言葉に対し、さらに首を傾げるフィニス。隣にいるニティアの肩を指で突いた後、小さな声で尋ねた。
「なぁ……何で皇子がいるのに代表がセッショウ?のツクヨってやつなんだ??」
「えっと……それは……」
魔法のことであれば知っているが、政治や国の成り立ちなどについては全く興味のないニティア。当然理由など知る由もなかった。何と答えたら良いのか言葉に詰まっていると、その声が聞こえたのだろう。カエデが2人に視線を向けながら口を開いた。
「アマテラス国は、代々ひとつの家系がずっと皇族として国の象徴を務めています。しかし、皇族はあくまで象徴や神様の次に讃えられる存在でしかなく、自ら国を動かしたり等の政治を行うことはありません。実際に国を動かしているのは、せ……摂政や……か、関白、大臣と言った人達が集まり、国を動かしているんですよ」
「はい。そして、その神様が祀られている場所が、焔帝山。アマテラス国の裏にある火山なんです」
カエデに続き、兵士が補足する。
「なるほど。それで皇子が神に祈りを捧げにその洞窟に行ったと……」
納得して頷くフィニス。
「付き人がいるとは言え、皇子はまだ成人していません。確かにしばらく戻ってきていないとなると心配ですね」
「はい……」
「とりあえず、お話ありがとうございました」
そう言い、ぺこりと頭を下げるカエデ。
「いえいえ、こちらこそ」
門兵も深々と頭を下げる。フィニス達も軽く頭を下げ、城を後にしていった。
⸻
「カエデ。どうするの?」
歩きながらカエデに問いかけるニティア。
「食料などの支援であれば、困っている人たちに勝手に配給をしても問題はなさそうですが……他の資材となると、復興計画などもあるでしょうから、勝手に使うわけにもいきませんからね」
顎に手を当てながら話し始めるカエデ。
「何かあったのかもしれないし、俺らも焔帝山に行ってみるか?」
「神様のいる山。精霊がいるかも。私は行きたい」
ルシオの言葉に、若干興奮したエラリスが同意する。
「とりあえず、一度エラリスさんの元に戻ってから決めましょう。ホムラの事もありますから」
「それもそうだな」
そう言いながら先頭を歩くカエデが、ピタッと足を止めた。
「どうした?」
フィニスが首を傾げる。
「すみません。魔道具店に用がありますので、先に戻っていてください」
そう言い残すと、スタスタと近くの魔道具店へと入っていってしまった。
「何買うのかしら?」
ニティアが興味深々に店を覗き込もうとする。
「まぁまぁ、先に戻ってようぜ」
立ち止まるニティアの背中を押し、アルテアの元へと歩き始める。しばらく歩いた後……
「わりぃ、ちょっとトイレ行ってくるから先に戻っててくれ」
突如立ち止まり、お腹を押さえるフィニス。
「なに、お腹壊したの?」
「みんなに内緒で何食べたの?ずるい」
呆れ顔のニティアと、恨めしそうに睨みつけるエラリス。そんな2人を宥めながら、ルシオが2人を引き連れてそのまま歩いていった。
⸻
ガラガラガラッ
引き戸を開け、店内に入るカエデ。
刀にクナイ。巻物に杖等々……大陸の魔道具とはまた違った雰囲気の商品が並んでいる。
古びた魔道具店特有の埃の匂いを感じながら、カエデは目的のものを探し始めた。
しばらく店内を物色していると、1番奥のショーケースの中に入ったいくつかの骨董品。その中のひとつを指差して、店員を呼んだ。
「すみません。これ貰えますか?」
「はいよ〜って……あんた……これなんだか分かってるのかい?」
怪訝そうな顔をしている店員。取り出したものは、小さな鳥の装飾が施された魔道ペン。カエデの持つ羽根ペンと同じ魔道具である。
「これは普通のペンじゃない。あの赤い魔法使い達が魔法を使う時に使ってたって言われてるペンだよ?」
まじまじとカエデを見る店主。そしてカエデの赤い髪をみて、恐怖の顔に変わっていく。
「あんたもしかして……赤」
「こんなとこにいたのか!」
一歩後退りした店主のもとに突如現れたフィニス。
「勇者とか魔女に関係しそうなものなんかあったか?」
そう言いながら、店主が持つ魔道ペンを見るフィニス。
「お!これもしかして!あの赤い勇者達一同の魔法使いが使っていたと言われている魔道ペンのレプリカか?!勇者の歯ブラシ・パンツに続いてまた勇者達グッズを見つけてくれたのか!」
興奮しながら店主からペンを奪い、まじまじとペンを眺めるフィニス。
「あ……ま、まぁ勇者達一同の魔法使いが使ったペンのレプリカかどうかは知らないけど……」
フィニスの行動に呆気に取られる店主。
「まぁ偽物でもいいよ!俺こういう骨董品集めるの好きなんだよな!おばちゃん、これ頂戴!」
「あいよ。びっくりしたよ!てっきり連れのお嬢ちゃんが赤い魔法使いなのかと思った……」
「赤い魔法使い?勇者一同の英雄じゃないのか?」
商品を一度店主に戻し、店主の言葉にわざとらしく首を傾げるフィニス。
「まぁそうなんだけどね……ただ、その後に現れた紅の魔女。その魔女が、赤い魔法使い一族から生まれたって話でね。この国じゃその赤い魔法使い一族は恐怖の対象なんだよ」
「……」
店主の言葉に俯き黙り込むカエデ。
「それが本当だとしても、全員が全員魔女になったわけでもないだろ?たまたま1人の魔法使いが魔女になっただけかもしれないし。それで一族全体が……っていうのは、あまりにも酷い話だと思うけどな……」
「……まぁ、それもそうだけどね」
そう言いながらフィニスから金貨を受け取る店主。
「お嬢ちゃんも、変に疑って悪かったね」
魔道ペンをカエデに手渡す店主。
「いえ。ありがとうございました」
ぺこりと頭を下げるカエデ。
「おばちゃんありがとな!んじゃ帰ろうぜ」
フィニスの言葉に釣られ、店を出るカエデとフィニス。
「あの……ありがとうございました」
「なんかそんな気がしたからさ」
先ほど手に入れた魔道ペンを大切そうに胸元にしまい、みんなの元へと歩いていった。