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投稿お疲れ様でした! 本当にありがとうございます😭ゾディアークさん…優しいですね…最後の言葉で涙腺が崩壊致しました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)リクエスト良かったと思える素晴らしい作品をありがとうございました!!!!!!
本日は嬉しいことにリクエストをいただきましたのでそのお話を書いていきたいと思います。遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした。ちびちゃんさん、リクエストありがとうございました!
ゾディアークside
またアイツに負けた。
何回やってもコイツに勝てない。どんなに強い攻撃をしても、全て切られる。私が強くなれば、その分アイツも強くなる。アイツとは何千戦もしているが、
「前より弱くなったか?」
とコイツに言われた。そんなことない、と怒りを露わにしながら否定したが、本当だった。自分でも分かるほど私は弱くなっていた。
最近私は他の奴らと違い、力が落ちてきているように思う。前にカオスと一戦したとき、今まで攻撃など痛くもなかったが、痛みを感じるようになってきた。アイツらが目で追えるほどまでスピードが遅くなっているし、闇を広げてもとても薄い。
流石におかしいと思い、あの方にも相談したが、理由は分からないままだった。でもあの方にも言われた。力が落ちていると。
このままではアイツに勝つよりも、他の奴らに私の力を抜かれるほうが早い。どうすれば・・・。
「あ、ゾディアークさん!こんにちは!」
「何の用だ。」
いきなり声をかけてきたのはアルテマ。コイツの聖属性もかなり効くようになってしまった。しかもコイツは普段から光みたいに明るいから、そばにいるだけで少し疲れる。
「フフッ。」
「何だ。」
「いえ、ゾディアークさん、前よりも明るくなりましたので。前までは憎しみばかりでしたが、今は話しかけたら反応してくださるし、とても嬉しいなと。」
抜けていた何かが戻った感触がした。そうだ。私には憎しみが足りない。ずっと力が落ちてきていたのは、憎しみがないから。私の感情は憎しみ。心さえもいらない。私が求めるのは力だけ。憎しみを取り込めば、また私は強くなる。バハムートにも勝てる!
「思い出させてくれてありがとう、アルテマ。」
「?」
「お礼として」
バハムートside
最近ゾディアークが弱くなった。一目見るだけで弱いと分かるほど。理由は不明で、あのお方にも相談しに行っていたらしい。だから、私はあのお方に力を取り戻す手伝いをしてほしいとお願いされた。だから今、ゾディアークを探しているのだが・・・アイツが全く見つからん。一体どこにいるのだか。
「〜〜!」
「〜〜〜〜!?」
何だ?あっちの方が騒がしい。あっちは確か、私たち専用のフィールド。
「・・・まさか!」バサッ
「・・・おい、何をしている、ゾディアーク。」
そこにいたのはゾディアーク。と、倒れている他の六神。皆んな血を流している。幸いなことに皆瀕死状態だったが、放っておけば確実に・・・。
「何でこんなことをした。」
「お前を倒すためだ。」
不気味な笑みを浮かべる。
「何を言っている。お前に私を倒せるほどの力はない。勝負はすでに決まっている。」
「本当にそうか?」
そう言うと、あたりの空気が一気に重くなった。ゾディアークは力が戻っている。その力は前より数倍強くなったと分かる力となっていた。
「お前、まさかコイツらから奪って!?」
「そんな限られた力などいらない。私のこの力は、憎しみだ。仲間を傷つけられたコイツらの憎しみが、私の力となっているのだ。」
「身体ごと取り込んでやっても良かったが、私に害があるやつもいるからな。まあ、完全な闇となる今の私にとっては全ていらない。」
「さあ、早く戦おう。剣神バハムート!」
もう、前の優しさを取り戻したゾディアークではないのか。強さだけを求めて、破壊を好む、問題行動しか起こさない。
「手加減しないぞ。冥闇神ゾディアーク。」
ゾディアークside
あれからどのくらい戦っていただろうか。コイツより私のほうが強いはずなのに。力を持っているはずなのに。全く倒せない。やはり身体ごと取り込まなければ力は長く続かない。
「いい加減に倒されたらどうだ?バハムート。」バコン
「それはこっちのセリフだ。こんなことしておいて、タダで済むと思うなよ。」
「強さだけが全てではない。思いやりがあってこその強さだ!」シャキン
押されてきた。バハムートは全く諦める素振りを見せない。ああ、力を溜めすぎた反動で意識が遠くなってきた。無理に取り込みすぎた、かも。身体が、私のいうことをきかない。やはり私は、いつも、これからもずっと、バハムートに勝つことは、できない。もう、動けない。
「ゲホッ」ドサ
「!? ゾディアーク!」バサッ
バハムートの声が聞こえる。私を心配しているような声。震えている。どうして私のような、こんな存在のためにお前らは!
バハムートの顔が見える。泣いていた。
「死ぬなゾディアーク!諦めるな!」
死ぬ?そうか、体の感覚がないのは、私が死ぬからなのか。最期、バハムートに勝てたら思い残すことは無かったんだがな。
「バハムート。」
「ゾディアーク!?待ってろ。今すぐに」
「最期なんだ。聞いてくれ。」
「最期なんて言うな!お前はもっと・・・!」
「お願いだ。」
「・・・分かった。」
私が力を求めたのは、もう誰も失いたくないから。力さえあれば、何でも守ることができる。私が1番強くなれば、もう失うものは何もない。だから、バハムートを倒して私が1番強くなろうとした。
ということを話した。
「・・・お前は、馬鹿だ。」
「そうかもな、」
「どうして死ぬ直前にそんなこと言うんだよ、!本当に・・・!!」
「バハムート、私のために、泣いてくれるんだな。」
「当たり前だろ!?」
「フフッ」
バハムートside
急に腕に重さが乗っかった。ゾディアークの表情は変わらないままで、目に光はなかった。理解したくなかった。
「ゾディアーク?」
呼びかけても反応はない。体もピクリとも動かない。嫌だ。嫌だ。認めたくない。信じたくない。嘘であってほしかった。分かってしまった。ゾディアークは、
「私だって、お前を守りたかった!守るばかりがお前のやることではない。もっと、私たちのことを頼ってほしかった・・・!」
後悔ばかりが残った。でもこの結果は変えられない。変わることのない現実。
ゾディアークが死んで早くも600年。エクスデス達も元気になり、私も気持ちの整理が出来てきた。今日も私はここに来る。叶うはずのない願いを胸に、ゾディアークに手を合わせる。
「あと一度だけ、ゾディアークと戦いたいな。」