「嗚呼…眠たい…」
そんな事を呟き今日も重たい瞼を開いて体を起こす。
「…って時間やっば!?」
起きた時間は7時30分。7時45分に集合なのに。
しかも自分は班長。
一宮 翡翠 小学六年生の11歳。
なんやかんやあって学校は終わり、家に着く。
今日は土砂降りの雨でやる事も特に無い。
だから携帯を開き動画サイトを眺め続ける。
『天国へ繋がる電話番号 0120-___』
「そんなのある訳…」
でも、興味はあった。
兄達に会いたい。声を聞きたい。話をしたい。
興味本位で電話を掛ける。どうせ出ないだろうと思っていても。
「モシモシ、此方、天国コールセンター デゴザイマス。」
「…え?」
「モシカシテ、間違イ電話デシタカ?」
「い、いえ。合ってます。」
「ソウデスカ。御話シタイ方ノ生前ノ御名前ト、現在ノ此方デノ御名前ヲ御聞キシテモ宜シイデショウカ。」
「えぇと…一宮翠蓮、今は___」
「ハイ、話タイ方ハオヒトリデ宜シイデスカ?」
「2人できるんですか?できるならもう1人…」
「ハイ、御名前ヲドウゾ。」
「一宮翠松、____です、」
「少々オ待チクダサイ。」
翠蓮「もしもし?」
「…!翠蓮!?」
翠蓮「その声は翡翠?」
「うんっ、翡翠だよ、ぉ…」
涙が零れる、もう会えない、話せないと思っていたから。
「変われよ、俺も話したい。」
電話越しにそんな会話が聞こえてくる。
翠松「翡翠ーっっ!」
「翠松!?」
翠松「久しぶりぃぃ…!」
翠蓮「半年ぶりくらい…?」
「ぅ…っ、ぐす…」
翠蓮「おい泣くな、男だろ〜?」
「女だわっっ!っ…」
嗚呼、この感じ久しぶりだ。
嬉しい。楽しい、幸せだ…!
やっと落ち着いて話せるくらいになっては
「ねぇ二人とも、」
ツー、ツー、
電話が止まった。
「スミマセン、お時間トナリマシタ。」
「え…」
「此方ノ電話ハイツデモカケレマスノデマタノ御機会ニ。」
「…はい、」
正直、もう少し話したかった。
またいつでも話せるから、何度でもかけよう、電話越しで飲み会でも…
って、わたし未成年だった。
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