テラーノベル
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太宰が作ったスープは、、正直不味かった。
簡単な料理だ。鶏がらスープ。作るための粉を買っていたから、それを正規法で作るだけ。
だが、
目の前に出たスープはまずドロドロしていた。
「なにいれたらこうなるんだ?」
「え、
__________味の素」
だろうな。にしても入れずぎ。
でも、ちょっと太宰っぽくて美味しいかも。
次は太宰が席外した時にゴミ袋を出しとかないと。
朝
「じゃあ、行ってくるね。あ、今日お昼に帰ってくるから。」
そう言い残して玄関から外へ出た。
開いた隙間から冷ややかな風が肌身を冷やす。
_____さて、薬を探そうか。
まぁ、太宰が隠した薬の場所位知っている。
なんせ腐れ縁。太宰の考え方なんて死ぬ程思い知った。
探し始めて三分後。箱の奥に馴染ませてある薬を発見した。
今日は、決して過剰摂取しに来た訳ではない。寝たかっただけである。
ココ最近の睡眠は迚浅い。
寝ては起きてをひたすら繰り返している。
不定期に寝る太宰がよく寝ているように見える位には寝れ無くなっていた。だから休日という大きな時間を活用して、寝に来ただけだ。
だが、日が昇っている事もあり、目は冴えている。それなら睡眠薬で寝た方が良い。そう考えたため、規定量の睡眠薬を取り来たのだ。
「成人は、、2錠。」
しっかり水を用意し、2錠飲んだ。
__________。
俺は身体を投げ出した。
時計の針が12時を指したことを確認し、探偵社を出る。
今日の中也の調子はどうだろうか。そろそろ私も有給が必要だろうと思って2週間先の書類仕事は終わらせたものだが。
明日、2週間の休日をお願いしよう。
そろそろ治るか危うくなるか。危ない時期だ。
私は速足に家へ向かった。
ガチャ
家中に玄関の音が響く。重たい玄関の音はどうにしかならないだろうかとか考えながら、リビングへ向かう。
「只今中也。」
しかしそこに中也の姿は見えない。妙に静かな家の中を歩く。
ガチャ。
中也は居た。寝室のベットの上に。
「、、、おかえり、」
寝ようとしたのだろう。だが何か可笑しい。
中也の顔は青白い。ベット上で身を縮こませて座っている。体調が良くないのだろう。之は危うい方へ向かう予感がするね。
「只今。体調悪い?眠い?寒いのなら体を温めておかないと。」
中也に近づいて毛布を掛ける。そこで気づいた。
腕が、細い。
否、まえから細かった。だがそれは健康その物の腕で、筋肉がしっかりしていた。
だがどうだ?今の腕は筋肉が弱っている。妙に冷たくて、体自体が小刻みに震えている。
きっと全身痩せている。
これはダメだ。私の味の素鶏がらスープじゃ足りない。早くご飯を。
「太宰、、今は何度だ、?」
くすんだ瞳を此方に向けて聞いた。
「今、?今は24度だよ。」
そう。今は24度。比較的暖かく、生活がしやすい温度。
「そうか、。」
「よし、中也、ご飯食べよう。私のご飯は口に合わないよね。そこで国木田君特性の、保存性高め、超美味しい、栄養完璧料理を一緒に食べないかい?」
そう。私のお昼ご飯を見た国木田くんが作ってきた物だ。国木田君の栄養バランスは完璧だ。食べてくれはないだろうか。
「、、、、食欲ねぇ」
フイ、と逸らしながら答えた。そうか。食欲も無くて、寒くて、妙に貧血気味。もしも吐いた時に受け止める容器を持っておこう。
「じゃあゼリー持ってくるよ。ちょっとまってて。」
「、、あぁ、。」
軽く冷やしておいたゼリーを取り出して蓋を開ける。そしてゴミ箱へ。
__________、、?
「これは、、、薬の、」
ゴミ箱の中に、薬を包んでいたはずのアルミが捨ててあった。飲んだ?朝までは全部あったはずなのに。隠したはずだったのだけれど。
少し中也を侮っていた。
「中也。ゼリーだよ。」
ドアを開けると、変わらず青白い顔の中也がいた。
ガジガジと爪を齧って居る。珍しい。
「中也、爪噛まないの。ゼリーを食べよう。」
そう言ってゼリーを手渡すと、中也はバツが悪そうに、悪ぃ。だけ言って食べだした。
何分か経って、ゼリーを全部飲み込んだことを確認する。そして聞きたかったことを。
「中也、薬、飲んじゃった、、?」
中也は答えなかった。目を合わせた。焦点は合っていなかった。
「あ、、いや、今日は、、ねる為だけに2錠しか飲んでねぇ、ッ、、疲れたから、疲れたから寝たかったんだよ、、ッ」
中也が買って開けてなかった新品を全て使っているとまではバレていないと考えているのだろうか?
「じゃあ、どうして中身が全部無くなっていたの?」
「は、、?」
バッと顔を上げて目を見開く。本当に知らなかったことのように。
「ほら、これ全部中身が無くなってるよ。大丈夫。何も責めないから、本当の事を教えて、?」
さっきのゴミを全部見せる。
「え、は、、?否ッ、俺は、、ッ、俺、は、、規定量、規定量しか、ッッ、」
声が震えてる。真逆本当に知らなかったのか?
「本当に知らなかったの?」
中也は頷く。
「2錠飲んだ所までは、ッ、、覚えてる、。」
__________無意識。
この3文字が酷く怖くなった。
中也が意識せずとも、規定量を守ろうとしても、無意識に全て飲んでしまう程、追いやられている。
明日じゃない。今日、有休をお願いしなくては。
「中也、、大丈夫。私がこれから中也を支えるから。」
『はぁ?有休?確かに仕事は終わっているが、、。』
「お願いだよ国木田君〜ちょっと諸事情で社に行けない日が続きそうでね〜。出来れば無期限でお願いしたいのだよ」
『むっ無期限!?貴様正気か?』
「失礼だな国木田君は。私はいつも正気でしょ。」
んー取らせてくれるかな〜。
『乱歩さん?え、変わりますか?、、分かりました。』
おや。乱歩さんが変わるみたいだね。
『太宰。無期限の休み、僕が社長に伝えとく。そ!の!か!わ!り!ちゃんと支えること!わかった?』
「ありがとうございます。乱歩さん。はい。勿論で御座います。」
『じゃ、絶対はなれるんじゃないよ。』
ツーツー
「あ、、、流石は乱歩さんだ、。」
さて、中也の様子は如何だろうか。
ガチャ
変わらず青白い顔の中也。さっきまで寒さで震えてたはずのその身体は、今、無意識に自分への恐怖で震えている事に気づいているだろうか?
「、、、中也、」
随分小さかった。
かつて双黒と恐れ戦かれていた私達。その頃の影が残らず風化していく。
あの頃のように力強い影はなく、今はベットの上で縮こまって震えている。
こんなに小さい男だっただろうか?
あれ程手入れされていた髪はくすみ、輝きと希望を持て余していた青い瞳は随分と廃れてしまった。
私は頭を撫でた。
変わらない頭だった。
馬鹿言い合って殴りあっていたあの頃と同じ。
何も変わらない。
「なんでそんなに撫でてんだよ、」
変わらず腕の中で顔を埋め乍答える。
「否、変わらないなぁって。」
「チビじゃねぇーぞ、」
ちょっとした平和を願う。このまま、何も無く、今日が終わりますように。
コメント
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なんか…こう…表現がすっごいいいですね!(語彙力喪失)
パピコォォォ
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