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琴寧
38
#織田信長
常陸之介寛浩
173
ーーーーーー
武田勢が、正蛇の妨害によって――
正義の蛇の狂気の動きに気づかぬまま、数日が過ぎた。
そして、ついに――
村上を動かすべく、方円は義清の元を訪れていた。
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「義清様、ご機嫌よう」
方円が声をかけると、村上義清は顔を上げた。
「うむ……また来たか……話とは?」
「はい」
方円は、静かに一礼する。
「そのために、上田原まで少し来ていただけますか?」
その瞬間。
義清の頭に、小さな頭痛が走った。
同時に、何者かの声が響く。
「「方円と我に従え!!!」」
「むっ……」
義清は、わずかに顔をしかめる。
「……声が聞こえたような?」
だが、すぐに方円へ視線を戻す。
「わかった……従おう」
「声でございますか?」
方円は、不思議そうに首を傾げる。
「何も聞こえませんでしたわよ???」
「むっ……そうか……。」
義清は少し考えた後、立ち上がった。
「とにかく、行こう……。」
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~上田原~
「さて……ここですわね」
方円は地形を見渡しながら、静かに呟く。
「ぶつかるなら、おそらくここでしょう」
その手は、自然と槍――正蛇の柄を撫でていた。
「義清殿」
方円は、ゆっくりと振り返る。
「私は――動きませぬ」
「……どういうことだ」
村上義清の声が低く響く。
「手を貸すと申したであろう」
「ふふ」
方円は、小さく笑う。
「話は、最後までお聞きなさいませ」
(⌒ - ⌒)
一歩、近づく。
「よろしいですか?」
静かに、言葉を置く。
「貴方が――真に正々堂々と勝つことで」
「証明できるのです」
わずかに間を置く。
「あの男が、間違っていたと」
沈黙。
その言葉の重みが、空気を満たす。
「……だが」
村上が、眉を寄せる。
「敵には、あの知恵者がいる」
「ええ」
方円は、あっさりと頷く。
「ですから――封じてしまえばよろしい」
「……何だと」
「ご安心ください」
方円は、微笑む。
「すでに手は打っております」
槍の柄を、軽く叩く。
「……まさか」
村上の目が細まる。
「あの真田幸隆を――」
「ええ」
方円は、あっさりと答える。
「可能にございますとも」
一歩、引く。
「小笠原の領民が無事集まってくれたおかげで」
「盤は、整いました」
顔を上げる。
その笑みは、どこまでも穏やかだった。
「さあ――」
「正しく、戻しましょう」
(⌒ - ⌒)
「おっと、いけない……忘れるところでしたわ。」
方円は、懐から一枚の書を取り出す。
「あと、もうひとつ……この書をお渡しします。」
「八陣の陣形が全て載せてあります」
「どの陣形を扱うかは、村上様にお任せします。」
「そうか……かたじけない!!」
義清は書を受け取り、目を通す。
「わしの知っていない陣形も、載っておるな。」
「助かる。」
ーーーーー
そうして……話は、どんどんと進んでいった。
そんな中、話を女中経由で聞いた信虎は――
それを、恐れていた。
ーーーーー
「……たしかに、晴信……」
父は、小さく呟く。
「いや、今は信玄か」
しばらく、言葉を探すように沈黙する。
「娘に、あやつを分からせてやれとは言った」
………
「だが――」
「ここまでやれとは、言っておらぬ」
握りしめた拳が、わずかに震える。
「もはや……」
声が、かすれる。
「勝ち負けなど……どうでもよい」
視線の先。
そこにいるはずの娘が――
遠い。あまりにも、遠い。
「あ……いや……」
言葉が、途切れる。
そして、かろうじて名を呼ぶ。
「もう名は違ったな……包円……」
コメント
1件
えぇぇ…最後の信虎パパのとこ、めっちゃ胸くるしい…😭💔 方円ちゃんの策が大胆すぎてちょっとゾクゾクしたけど、それを知ったお父さんの“ここまでやれとは言ってない”と、名前間違えて呼んじゃうとことか、もう親心が痛すぎるよ… 次どうなるか気になりすぎて今夜眠れないかも!