……元貴は振り返って、俺の目を見た。
そして、掴んだままだった
俺の手首をそのまま持ち上げ、
玄関のドアに軽く押し付けると
低い声で囁いた。
side wki
「……逃げんなよ」
「……っ、、元貴、ちょっとまって、、」
元貴はその言葉を無視して近づいてくる。
でも、俺の目を見ながら、
そっと、唇が触れるまでに、
わざとらしいほど時間をかけた。
鼻先が頬をかすめ、吐息が耳を撫で、
唇は触れそうで触れないまま、
まるで、「期待」だけを何層にも塗り重ねていく。
そしてようやく、
やっと届いたその口づけは
柔らかくて、熱くて、
思っていたよりずっと深かった。
最初はただ、唇が触れ合うだけ。
「ん……」
ゆっくりと、唇の縁を啜るように。
浅く、何度も重ねられて、
そのたびに喉の奥が、ひく、と震えた。
舌が触れたのは、随分あとだった。
ゆっくり、ゆっくりと押し出されるようにして、
湿った熱が、俺の唇を優しく割って入ってくる。
「んっ……」
「ぁ…っ…!」
舌先が触れた瞬間、
全身にざわっと甘い電流が走った。
くちゅ、くちゅ、という音が、
ゆっくりと
静かな玄関に湿って響く。
それがやけにいやらしくて、
顔が熱くなる。
「ん……っ……ふ、ぁ……」
頭の芯がとろけていく。
唇が、口の中が、全て奪われて、
心までじわじわと溶かされていくような、そんなキスだった。
だけど、その行動と表情からでは、
元貴の頭の中までは
まるで、分からなくて。
胸の奥が、きゅっと疼く。
でも、もう、声は抑えられなかった。
「……っ、は……ぁ……」
そのまま
先ほどよりも強い力で、
玄関の扉に押し付けられた。
次の瞬間、
もう片方の手が、迷いなくシャツを引っ張られる。
肌と布の間に空気が、少しだけ触れた瞬間、
思わず体を引きたくなるほど、全身が敏感になっていた。
「……若井、痩せた?」
淡々とした声。
でも、その手は――まるで、自分の持ち物かどうかを確かめるように
腹の柔らかいところをゆっくりと撫でてくる。
「っ……ふ、んぅ……っ……」
そのまま、何も言わずに、元貴はシャツを戻すと、
服の上から胸元に指先を這わせる。
「っ……あ……」
指先が、くるくると螺旋を描くように動く。
「ん……っ、く……っ、あ……」
くすぐったいのに、それ以上に気持ちよくて、
「……ねぇ、服の上からでも、こんなに分かるんだけど」
わざとらしく、シャツの上から乳首の位置をなぞられる。
でも、そこは押さない、摘まない。
ただ、“なぞる”だけ。
「っ、ぁ……っ……や、もとき……っ」
目が潤む。
この半年、泣きたいほど、触れられたかった。
でも今、こんな形で押さえつけられて。
指先が、同じ場所を何度もゆっくりと回る。
布越しに、もう、立ち上がってしまっているのが自分でもわかる。
羞恥と快感が溶け合って、身体の奥がぎゅうっと疼いた。
「もとき……っ」
「なに」
(ずっと会いたかった・・・なのに・・・・こんなの・・・・)
「……っ、やだっ……」
唇が、耳の後ろにそっと触れ、吐息混じりに囁かれる。
「なにが」
その瞬間、ぐっと乳首を下から上へ、
ピンッと弾かれた。
「っ……ぁ」
びくりと肩が跳ね、
ほんの少しだけ、反射的に身体が逸れる。
その逃げようとした動きを、
元貴は見逃さなかった。
「……逃げんなって言ったでしょ?」
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コメント
16件
ほら!そうやってまた軽率に私をこ〇す…ありがとうございます!!!!
もうほんっっっとうに好きです…… 大森さんに触れられて嬉しい、嬉しいけど大森さんが何を考えているのかわからない、こんな冷たい状況が怖くて思わずやだって口にしちゃう若井さんがもう本当に……可愛くて切なくて大好きです…… 大森さんに触られて声を漏らす若井さんがもう本当にずっと可愛いいい……
最後の逃げんなよが好きすぎるっ、!