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もう春だと言うのに、君の手は冷たかった。
教室の窓から入る風が、カーテンを揺らす。光が差し込む中で、君は俯いたまま言った。
「ねえ、もしさ。行きたい大学、受かんなかったらどうしよう。」
その声は今にも壊れそうだった。
僕はすぐに返事をすることが出来なかった。
君がどれだけ努力してきたか、知っていたから。
「…大丈夫だよ。」
やっと出た言葉だった。
驚くほど薄っぺらくて軽い言葉。
君は小さく笑った。でもその目は、笑っていなかった_
「大丈夫じゃないよ。」
涙が頬を伝う。
「怖いんだ。努力が全部無駄になっちゃう様な気がしちゃって」
その瞬間、色んな感情でいっぱいになった。
大丈夫だって、ちゃんと伝えたかった。
でも僕は_何も出来なかった。
僕の進路はもう決まっている。
簡単に、終わらせてしまった側だから。
長い沈黙の後、君は言った。
「ごめんね。困るよね、こんな話」
そうじゃない、って言いたかった。
でも、言えなかった。
帰り道、僕は決意した。
__卒業したら、この思いを伝えよう。と
君が全部乗り越えて、ちゃんと笑えるようになったら。
「受かったら1番に言うからね。」
君が振り返って言った。
「うん」
その約束を、僕は信じていた。
この時はまだ__