テラーノベル
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あたしに友達が誰もいないなんて、パパもママも全然知らない。
いると思ってるから、聞きもしない。
「学校どう?」
なんて、気づかってくれたことは、一度だってない。
だから、あたしも話さない。
気にかけてもくれない人に、自分から話す程、あたしはお人よしなんかじゃないの。悪いけど。
それに、話すって言ったって、どんな風に話せばいいのかわからない。
明るくいい子だって、あたしのことを信じてるような親たちに、本当はイジメられてる暗い子だって、言えばいいの?
自分のことをそんな風にさらけ出せる程、あたしはまだオトナじゃないよ。
辛いことを少しもわかってくれない、気づいてもくれない人たちに、自分から胸の内をさらけ出せるほど、あたしはこの痛みを克服できてもいないの。
苦しいさ中にいて、その気もちを話すことなんて、今のあたしにはできない。
この息苦しくてたまらない思いを、もしも吐き出したとして、親が本当にわかってくれるとは、到底思えなかったから。
だってホント言うとね、一度話してみようとしたこと、あるんだよね。
あんまりにもガッコーがきつかったから。
あたしはどう切り出していいかわからなくて、
それで、手首の傷を見せることにした。
あたしがどんなにキツイ思いを抱えてるかってことに、気づいてほしかったから。
だけど、リスカの痕を見たママはこう言ったんだ。
「どうしてそんなことをするの? あなた病気なの? 病気なら精神科に行く?」
──って、ね
そっか…って、思った。ママには、理解できないんだって。
リスカのわけも聞かずに、最初から心の病気みたいに決め付けようとしたママになんか、もう何も話すことはないと思った。
幸せな家庭を演じてるつもりのママには、不幸なんてわからないんだね。
それは、きっとパパも同じだよね……。
こんな、カタチばっかりの家族なら、もういらないでしょ。
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