テラーノベル
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「えー…続いてのニュースです。警察は今日の13時頃、知的障害の男児を殺害した疑いで、介護士の男を逮捕したと発表しました。警察によりますと、容疑者は先月、少年の知人の住宅で男児の首を絞め、殺害した疑いが持たれています。また、警察の調べによりますと殺害の数ヶ月前から繰り返し男児に対し、みだらな行為を繰り返していたとのことです。調べに対し、容疑者は容疑を否認しており───。」
──────────
「………世話になるな」
クラピカと名乗った金髪の好青年が挨拶をする。そして1拍ほど経って、僕に深く頭を下げた。その所作はどこか二度と戻らないという覚悟を滲ませていた。
クラピカは仕事の書類の束を抱えたまま
、玄関のドアに手をかけようとした。が、ぴたりと止まって、振り返り、僕が介護をするというゴンという少年がいる部屋の方をちらりと見る。
クラピカの喉仏が少しだが上下した。
「……少し頼みがある。私達はもう…帰れないかもしれない。ハンターとしての重大な任務が…」
僕と彼の緋色の瞳が合わさった。
「ゴンのこと…。よろしく頼む」
小声で言ったそれを僕は見逃さなかった。いや、見逃せなかったのかもしれない。
玄関のドアが閉まる音だけが、この静まり返った家の中に妙に大きく響いた。クラピカが去った後の空気は、まるであまりにも水を入れすぎたバケツのように重く、じわりと僕の足元に広がっていった。
「さて…。ゴンくんに挨拶しなきゃな」
ゴンという名の少年専用という
部屋のドアを開けた瞬間、消毒液と甘ったるい匂いが混ざった空気が僕の鼻を突く。
子供の頃によく通っていた小児医院のような匂いで、何故か懐かしく感じる。
部屋の中は薄暗く、閉じられたカーテンの隙間から差し込む夕陽だけが唯一の光 であった。
子供向けの壁紙、
床に散らばったままの色褪せた積み木、
恐竜のぬいぐるみ。
とってつけたような子供部屋に、かつて自然の中で駆け回って、さかな釣りを楽しんでいた「元」わんぱく少年がそこに同居をしていた。
「……ぉ、おー……?」
その本人のゴンくんは
子ども用のベッドの端に座っていた。
背もたれに寄りかかることさえもできず、
首をだらりと傾けている。
黒く逆立った髪が顔の半分を覆い隠し、
その奥から覗く目は何も映していなかった。開きっぱなしの口から漏れる声は、
言葉と呼ぶにはあまりにも壊れていて、ただの音の羅列に近い。赤ん坊が発する喃語のようであった。それでも時折、誰かの名前を呼ぼうとするように唇が震えることがあった。
僕が部屋に入った気配を感じたのか、
ゴンくんの指先がぴくりと動いた。
掴もうとしているのかあるいは追い払おうとするような、判別のつかない反射。
それだけがこの抜け殻のような身体に残された、わずかな生存の証だった。
「ゴンくん、こんにちは。僕はゴンくんのお世話をする人だよ。よろしくね」
僕の結構低い地声を無理に高くして、幼稚園児と接するような声にした。13歳くらいの少年に接するにはお世辞にも似つかない声であった。
僕はゴンくんを安心させるためか、ゴンくんの少し鍛えられたゴツゴツと硬い手をゆっくりと擦った。
「……ぁ、あ……う?」
手は温かかった。僕が握る前に、ゴンくんのほうから握り返してきた。
それはまるで大雨の中捨てられた子犬が
差し出された手にすがるような仕草で、
僕の加虐的な性癖が暴走しかねなかった。ゴンくんの口角がゆるく上がっている。笑っている、んだと思う。介護士という仕事をもう数年もやっているがここまであまりよくはわからない子は見たことがない。
目は相変わらずどこも見ていないのに、頬の筋肉だけが本能的に反応しているような、そんな笑みだった。
握られた手のひらから伝わってくる力は
驚くほど弱々しかったが、それでもゴンくんの中に何かがまだ残っていることを示している。
「……に、ぃに…?」
舌がもつれながらも、確かにその言葉は聞き取れた。目の前の人間を「にいに」と認識したのかどうかも定かではないが、ゴンくんは握った手を離そうとしない。むしろ指を絡めようとするように、ぎこちなく関節を動かした。
よかった。嫌われてはいないみたいだ。
ふと、時計を見て「ふぅ…」とため息をついてしまっていた。もう、夕食の時間はとうに過ぎている。
「お腹空いてるだろうけど、先にお風呂に入ろうね」
本当なら先に夕飯を食べさせてやりたいのだ。しかしおそらくゴンくんは失禁しているようで体も汗でべたついていた。このまま食事をしたとしても本人が落ち着かないだろう。
「ゴンくんのお洋服ヌギヌギするね」
「……ぅ? あ……」
スイッチを押すと脱衣所の蛍光灯がちりちりと音を立てて点いた。白い光がゴンくんの顔を照らすと、汗と垢で汚れている肌が余計に目立って仕方がない。
服を脱がせにかかると、ゴンくんの身体は抵抗もしなければ協力もしない、ただ単にされるがままに揺れるだけだった。
ただ心臓が動いているだけの人形。
黒いタンクトップを持ち上げたとき、腹筋の輪郭がうっすらと残っているのが見えた。かつての鍛錬の痕跡が皮膚の下に眠っていて、逆に生々しくて痛々しい。
「……ぁ、うー……」
ズボンを下ろした瞬間、冷たい空気に
触れたのかゴンくんの脚がびくりと跳ねた。
反射だ。ただそれだけ。
恥ずかしがる素振りもなければ、嫌がって暴れることもない。裸にされたゴンは浴室のタイルの前でぼんやりと立ち尽くし、足の裏が濡れたタイルに滑って、かくんと膝が折れかけた。
僕が支えなければそのままゴンくんは前のめりに倒れていただろう。骨と皮だけではないが、自身の身体を自分で支える力がすっかり抜け落ちている。湯を張った浴槽の縁に腰を下ろさせると、お湯の温度が伝わったのか、ふぅ、と長い息がゴンくんの唇からこぼれて生々しくそして少しエッチに覚えてきた。
「……きゃ、きゃはっ……!」
お湯の中でゴンくんの身体から力が抜けていくのを背中越しに感じる。バックハグの形で支えていると、ゴンくんの濡れた髪から石鹸の香りが立ち上る。小柄な身体が僕の腕の中にすっぽり収まっていて、その体温は子供特有の高さでじんわりと伝わってきた。
僕はとある事に気づいてしまった。
もしそれに気づかなかったらどんなに幸福なのだろうか。この状況下で、僕の陰茎が反応して勃起をしている。
気をごまかそうとすればするほど、僕の意識は下半身に引きずられる。ゴンくんの背中が密着しているせいで、僕の「ソレ」がゴンくんの尻の割れ目にちょうど当たる位置にあった。湯の中でゴンくんの柔らかい臀部が無防備に動くたび、ぬるりとした感触が竿を撫でる。
「……ん、ふ……きも、ちね………」
途切れ途切れの言葉が湯気の中に溶けた。「気持ちいい」と言おうとしている。ゴンくんは首をことりと僕の肩に預けてきた。無邪気な信頼。子犬が飼い主に身を預けるような、何の警戒もないその無防備さ。それが余計に状況の異常さを際立たせていた。
風呂場の反響がゴンくんの吐息を増幅させて、タイルに跳ね返る水音と混じり合う。蛇口からぽたり、ぽたりと落ちる雫の音だけが、この空間に存在する唯一の良心のように思えた。
──────────────
それから、深夜の3時頃。
家全体が静まって暗い子供部屋に
僕の荒い呼吸音だけが近づく。ゴンくんの寝顔はとても穏やかで、布団の中で小さな小さな身体を丸めて、時折あう、と寝言のように声を漏らしている。月明かりが窓から差して、黒緑の髪を淡く光らせている。
近づく足音にも、ドアの軋みにも、
ゴンくんは反応しなかった。
深い眠りの底にいる。
それはそのはず。
夜中に何かを察知して飛び起きるような本能は、もうこのゴンくんの身体には残されていないのだから。
ゴンくんの布団をそっとめくると、
パジャマのボタンが一つだけ外れていた。
ゴンくんの鎖骨が覗かせる。月光に照らされたその肌は、傷ひとつなく滑らかで、子供特有のガラス細工のようなきめ細かさがあった。ゴンは仰向けのまま、胸をゆっくり上下させて眠っている。起きているときよりずっと人間らしく見えた。
手が伸びる。ゴンの頭に触れ、その柔らかい髪の感触を確かめるように指が沈む。そして───────
僕は気がつくと、ゴンくんのベッドの横に膝をつき、ズボンと下着を足首まで下ろしていた。既に怒張した陰茎が腹に張り付くほど反り上がっていて、先端からは透明なカウパー液が…我慢汁が糸を引いていた。
そっと右手で陰茎を握り、ゆっくりと扱き始めると、くちゅり、という湿った音。
「おお…」
僕の頭の中には風呂場での感触が焼き付いていた。
背中に密着したゴンくんの体温
尻の谷間に押し当てられたときのぬるついた摩擦。
もう、それしか思い出せない。
「……ゴンくんが悪いんだ。僕は、僕は何も悪くな…ゴンくんがエッチなのが…イケ…あっ…」
僕は、自分の罪を頑なに悪く思っていない犯罪者のような、イカれた他責思考をしていた。
僕の手は段々と速くなっていった。
ゴンくんの寝息に合わせるように、あるいはそれすら汚すように。僕の視界の中心には、何も知らずに眠るゴンくんの顔がある。
半開きの唇、
微かに上気した頬、
顎に残った今日の食事の汚れ。その全部が僕の劣情を煽った。
「………うっ…出す出す出す…」
腰が勝手に前に突き出された。
びゅる、びゅると精液が噴き出し、
一発目がゴンくんの閉じた瞼の上に着弾する。白く濁った粘液が睫毛に絡みつき、二発目、三発目と続けざまに額、鼻筋、そして開いたままの口の中へと飛び散った。唇の端から白い液が垂れ、舌の上を流れていく。
ゴンは一度だけ、ん、と小さく唸った。眉間に皺が寄り、顔をしかめるような反応。だが目は開かない。精液の生臭い臭気が、ゴンくんの無垢な寝顔にぶっかけられた。
「あ、あぁ…ごめんねごめんね。でも、エッチなゴンくんが悪いんだよ?」
謝罪の声が震えている。それは罪悪感からか、それともまだ収まりきらない興奮のせいなのか、ソレは僕自身にも分からなかった。
ティッシュで拭き取ろうとした指が、乾きかけの精液でぬるりと滑る。こすればこするほどゴンくんの髪に絡みついていく。ゴンくん顔は淫らな白く液体に汚れたまま、まるで粘土細工に仕上げのコーティングを施されたような有様だった。それでもゴンくんは目を覚まさない。
やがてゴンくんの指がぴくりと動いた。
寝返りを打とうとしている。顔をしかめたまま、「んん」、と不快そうな声を漏らして
――だけど身体がうまく動かせないのか、もがくように肩をよじっただけで終わった。精液まみれの顔が横を向き、シーツに頬が押し付けられた。
「……ゴンくん…。」
それだけのことなのに、胃の奥がきゅっと雑巾のように絞られるような感覚が走った。
窓の外で鳥が声を上げる。
カーテンが風でふわりと膨らみ、
月光の角度が変わる。
照らし出されたゴンくんの姿は、どこからどう見てもただの子供で、ただ眠っているだけにしか見えなかった。
髪にこびりついた白い汚れさえなければ。
───────────
目を閉じて一瞬で
朝が来た。朝が…来てしまった。
僕は朝は別に弱いわけでもない。なのに今日だけは朝がとても憂鬱であった。
昨晩の痕跡を拭い去るようにゴンくんに
顔を洗わせ、髪をシャンプーで念入りに二度洗いした。精液は案外簡単に落ちるもので、石鹸の泡と一緒に排水口へ消えていった。何も起こらなかったことにできる。
それがまた、僕にはたまらなく後ろめたかった。
ゴンくんの朝食の支度をする。
出来立てのおかゆに自分の陰茎から出てきた白いものを、トッピングと言わんばかりにおかゆに垂らした。とろりとした粘度がおかゆの粥気に溶けていく様は、ターゲットの食事に毒を盛る暗殺者の所作に似ていたかもしれない。
ダイニングテーブルにゴンくんを座らせた。車椅子のまま食事をさせるにはかなり不安定なので、いつもはテーブルに移してからベルトで固定している。スプーンにおかゆをすくい、ふぅふぅと息を吹きかけて冷ましてやってから、ゴンの半開きの口に運んだ。
「はい、ゴンくん」
「……あ、む……んぐ……」
もぐもぐと咀嚼する動きは赤ん坊そのものだった。舌で味わうという概念がもうないのか、何を食べても同じ顔をしている。ただ口に入れられたものを、機械的に飲み下すだけ。僕の精液入りのおかゆを、ゴンくんは何の疑いもなく嚥下していった。
「……、おいし……!」
その一言が、僕の脳の奥が反響して消せなかった。
おいしい。僕の精液が入ったおかゆが?
あはは、と笑う声が聞こえた気がした。それは自分の口から出たものだったのかもしれない。
それからというもの、僕はもうめちゃくちゃだった。
理性をなくした、欲だけが取り残された恐ろしい猛獣になっていたのかもしれない。
僕は、もう自分のことすらも、よく分からなくなってきた。
ただ、一つだけ分かること…それは
僕は、僕ではなくなった。
コメント
3件
大好きとしか言いようがないね
いや本当にありがとう 元々性癖狂ってるのが好き クラピカお前やっちまったなあ
うわっ…読み終わって言葉が出てこなかった、マジで重い……😭💦 まず三笠ガンダーラさんの描写が細かくて生々しくて、読んでて息苦しくなるくらい没入しちゃった。ゴンくんの無垢な反応と、「僕」の歪んでく心情の対比がエグいほど刺さる…。特に風呂場で気づいちゃったシーンと、朝の精液入りおかゆのところ、読んでて胃がぎゅってなったよ。 でも続きが気になる。この「僕」はどこまで堕ちていくんだろう…怖いけど読みたい……!🖤