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寝る前に見てよかった、、、最高ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ
ノベル下手すぎたので練習
【🇹🇭×🇸🇪】
🇫🇮🇪🇪、🇸🇪🇫🇮要素少しだけあり
女(♂)×男(♀)のカプ
「ひぐっ…ぐすっ…」
弱々しい泣き声が響き渡る。人気のない路地裏。そこに、私の想い人。見たこともない表情で座り込んでいた。なにがあったのか、いつも見せていた笑顔とは真逆の弱々しい顔。それを見た瞬間、心配と興奮でぐちゃぐちゃになった。私は高鳴る心臓を抑え、そっと彼女に近づく。
「どうしたの?」
声をかけた瞬間、今までこちらに気づいていなかったのか、びくっと肩を跳ね上げてみせた。目を見開いたその顔は、やはりいつも周囲に見せていた笑顔とは別物だった。私の表情の確認するなり、はっと一息ついて口を開いた。
「なんだ…タイか」
安心したのか、少しだけ表情を明るくする。しかしまだ暗く、声色も顔色も悪かった。なにがあったのか聞こうと口を開くが、すぐにまた閉じた。今聞くべきではないと、なんとなくそう感じた。泣いている理由はなんとなくでも理解できたからだ。それがあっているとは限らないが、とりあえず、彼女の笑顔を取り戻したかった。私は優しく彼女の冷たい手を握る。自分の温かい手の温度と混ざり、なんとも言えない温かみを感じる。
「ねぇ、私の家に来ない?」
「…え?」
家で話そう。家ならきっと彼女も安心して話せるだろう。そっと彼女の手を引く。彼女は自身の涙を拭いながら小股でついてくる。こっちを真っ直ぐ見てくれる赤く腫れた目はなんとも愛おしく、どこからか独占欲が湧いてくる。誰にも取られたくない。見せたくない。初めて感じた自分の感情に少し怯えながら、人気を避けた道を選び、遠回りだがそのまま自分の家へ向かう。
家の前まで着くと、小さな鞄から手探りで鍵を探し、慣れた手つきで鍵を回し中に入る。家の中はというと、散らかった化粧道具、積み重なった洋服でいっぱいだった。彼女は中を見るなり、言葉が詰まりぎゅっと表情を硬くする。私は今さら部屋を片付けなかったことに後悔した。そうだ。この化粧道具も洋服も、全部彼女のために出したものだ。
実は以前、彼女はフィンランドという男に恋をしたらしい。そこで同じ女としてアドバイスが欲しいと声をかけられた。私が男だとも知らずに。だが、その頃から私は彼女、スウェーデンをずっと想っていた。だからか、嫉妬という感情は出ざるを得なかった。しかし、彼女に嫌われたくないのも事実。それもまた、手伝うしかなかったのだ。それから私は彼女に色々教えた。すっぴんとは思えないほど美しい顔に化粧をしたり、彼女に似合う洋服選びもした。そこに彼女の好みも合わせ、季節にも合ったやり方もすべて教えた。でもやはり、教えれば教えるほど、スウェーデンを諦めることを受け入れているようで気に入らなかった。だからもちろん自分だって努力をした。いつか、振り向いてもらえるように。
後日聞いたのだが、フィンランドとエストニアが付き合ったらしい。
そんな事があったのだから、彼女が泣いていた理由だってなんとなくこれだってわかる。
失恋したのだろう。フィンランドとエストニアが付き合った事実がある以上、そうとしか思えない。だが、彼女から話してほしい。彼女から私を頼ってほしい。私は彼女をソファに座らせ、優しい口調で問う。
「どうして泣いてたの?」
スウェーデンの表情が少し強張り、服の裾を強く握る。それでも私は真っ直ぐに彼女を見つめる。頼ってほしいから。
「…失恋」
そう呟くと、なにかが切れたのか、涙がぶわっと溢れかえった。唇を噛み締め、声を上げるのを必死に抑えていた。しかし涙は止まらない。何度拭っても出てくる。スウェーデンの弱いところを見つけた気がして、またなんとも複雑な気分になる。肩を震わせ、恥ずかしいのか顔もだんだんと赤くなる。震える彼女に近づき、そっと冷え切った身体を抱きしめる。拒絶する彼女を無視して頭を撫でた。大丈夫だよと声をかけながらさっきよりも強く抱きしめる。彼女から段々と力が抜け、我慢するのをやめたのか、声を上げて泣き出した。私が思っていたよりも、ずっとずっと辛かったのだろう。彼女の失恋で安心してしまった自分が恥ずかしくなった。でも、これで誰にも取られなくなる。スウェーデンはずっと私のもの。だけど、恥ずかしながら告白はできそうにない。はやり勇気がいるものだ。それに、スウェーデンは私が女装してる男だとは知らない。だからなおさら勇気がいる。それならもういっそ、友達のままでいいのかもしれない。下手に告白して引かれるよりかはそれでいい。でもやっぱり、気持ちを諦めるというのはなんとも辛い。
それから、しばらく彼女に会っていない。会おうとメッセージを送っても全て断られた。だが、他の国達も会っていないらしい。それでも不安で仕方がなかった。だがメッセージに返信をしてくれていたためどこかにはいるのだろう。私はスマホをポケットにしまい、街灯が照らす夜道を歩く。その時、ポケットから振動がした。私はそっとスマホを取り出す。画面を開くと、スウェーデンからの着信だった。急に心拍数が上がった気がした。彼女のメッセージを見てみると、
「路地裏に来てほしい」
その一言だけ。路地裏とは、きっと彼女が以前泣いていたところだろう。いや、絶対そうだ。それ以外に覚えている路地裏なんてない。私はさらに高鳴っていく心臓を撫で、彼女のもとへ向かう。
あの時の路地裏。人気が全くない静かなところ。正直、色なんてない気がしてあまり好きではなかった。でも彼女が来てくれるなら、少しは色がついてくれるだろうか。しかし、周りを見渡す限り彼女の姿は見当たらない。また不安であふれる。どこにいるのか、何をしているのか、今の彼女の姿を私は知らない。それがなんとも悔しく、自然と俯いてしまう。その時。
「タイ!」
「!」
彼女の声だ。彼女が来た。ここの路地裏で間違いなかった。私はすぐに振り返った。
そこにあったのは、色とりどりの花束。持っていたのは彼女。しかし彼女の姿は以前とは全く違った。さらしでも巻いたのだろうか、大きかった彼女の胸は平らに、いつもの明るい服ではなく、暗めのジャージを着ていた。一言で言えば、男みたいだ。なにかと親近感が湧いた。それに相変わらずのファッションセンスに笑いが来る。そして、いつもの明るい笑顔。カラフルな花束に負けないくらいの。スウェーデンが来た瞬間、色がなかった路地裏に段々と色づいた気がする。驚いている私を見るなり、少し頬を赤らめながら
「す、好きだよっ!タイ!」
「えっ…?」
一瞬、理解が追いつかなかった。なんせ手紙で告白すら怪しかったスウェーデンが花束で告白、そんな事ありえるのか、私はもう一度スウェーデンの目を見る。
真っ直ぐだ。本気なんだ。私でいいんだ。いや、私がいいんだ。よく見ると、以前より上手な化粧。誰も見ていないところで相当努力したのだろう。私は涙目になりながら花束を受け取り、彼女をきつく抱きしめる。最初はスウェーデンも驚いていたが、次第に私を抱きしめ返す。返事はもちろん
「私も好きだよ!」
スウェーデンはやはり生きた天使だ。私が男であることを明かしても好きだと言ってくれた。好きに性別なんてないと、だから“俺”も男装した。その答えはやっぱりスウェーデンらしく、私自身も笑顔が増えた気がした。
これからも、ずっと一緒にいようね!