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駅に着くと、手の温もりが離れていった
少し寂しかった。
ただ、これが恋人の権利と実感してる。
「じゃ、俺帰るわ!ここまで送ってくれてありがと…!」
「あ、ぁ…学校で…」
彼の背中が小さくなって、人混みの中で見えなくなっていく。
「……」
まだ、手の温もりは、微かにある。
(手、洗わないでいたい)
芸能人に会って、握手し、手を洗わないという比喩を聞いた事があるが、これに近いものなのだろうか…
家に帰る途中、とある人物にあった
俺に告白してきた女子
「偶然だね。神主くん。」
「そうだな。俺はもう帰る。」
なんだ
嫌な予感がする
話したくない
逃げたい
「というか…神主くんって竹取くんと付き合ってたの? 」
「…!なんで…それ…」
やっぱり
的中
「お買い物の帰りに、話してたから。」
「それで聞いてたら…」
「…お前にはか、関係ないだろ…?」
「南翼。」
「知ってるでしょ?」
その名前を聞いた時、
全身の毛穴が開いた
冷や汗が滝のように出る
「……っ…!」
「お前…なんで…」
「別に?これも”運命”でしょ?」
なんで
どうして
気付かなかったんだろう
思い出したくないから、?
「まぁ、髪型も声も変えてるからね」
「…!お前のせいで…」
「まぁ…!」
「まさか殴るの…!?酷い!」
「…っ!は…ち、違っ…」
嫌だ
せっかく
安全で
大切が
できたのに
壊される
「はぁ…」
「ほんっとに何も変わってない。」
「……」
「だから、大切な人も離れていくんじゃないの?」
「…!それはお前が…!」
こいつだ
こいつが
目の前にいるこいつが
俺の大切なものを奪ったんだ
全部
「じゃ…帰るから」
「…まて!まだ話が…」
話って?
話して何になるの…
そこから家に帰るまでは重かった
綺麗な夕焼けも、何もかも
脆く、醜く見えた
事の振り返りをしてて涙を流してしまった
悲しみでも辛くもない
ただ、苦しいという感情が自分の心を締め付けていた
「…ただいま」
「おかえり…って…」
「なんでそんな泣いてるの?」
「……ちょっと…」
ああ、また涙が…
抑えようとすればするほど出てくる
「本当に大丈夫?」
「…うん…だから、ごめん。寝たい…」
「そう…ご飯は?食べる?」
「…ごめん…いらない」
今、ご飯の香りは辛すぎた
自分のベットで枕に顔を沈める
微かに香る竹取の香りが涙を誘惑した
(…竹取に、見放されたら…)
何もかも、やる気が出ずただ天井を見ていた