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気がついたらここで寝ていた。どこだここ。つかなんでオレ生きてんだ?さっき東国と戦ってて、そのとき負った傷で死んだはずなのに。傷が特に酷いところには包帯が厳重に巻いてあって、誰かが手当てしてくれたというのは分かった。
(別にここまでして生き延びたくはなかったんだけどな。戦いたくねえし)
せっかく助かったというのにも関わらず罰当たりなことを考えていたら、それを叱るかのように胸の傷が痛んだ。だいぶ痛い、今までの傷で2番目くらいに痛い。
(とにかく…ずっとここにいるわけにもいかねえよな。とりあえず人を探して…ん?)
「…司センパイ?」
司センパイ、オレの同僚としてさっきまで一緒に戦ってた天馬司(声がデカイ)が、オレの右隣にあるベッドで呑気にすやすやと寝ていた。
(これ…左隣、なんとなく予想つくけど)
「弟くんおはよー!いやぁまさか生き延びるとはね!さすがボク達!ていうかここどこ?」
「…オレも同じ意見だよ」
暁山瑞希、同じくオレの同僚。コイツはまぁ、司センパイと同じく明るい。こんな状況の中でもこんな感じで話しかけてくるのでペースが崩れる。
「おい暁山、司センパイが起きたら早くここ出るぞ。ずっと居座るわけにもいかねえ」
「えー、ボク残っていい?もう戦いたくないよ!」
「…それは、死ぬほど分かるけど」
「とりあえずさ、ボクたちの傷を手当てしてくれた人が誰かいるってことじゃん?だからその人達にお礼言うまで帰らないでおこうよ!そうしよそうしよーう!じゃ、ボク二度寝するね!おやすみ〜」
「なんかオレうまいこと言いくるめられてねえか?」
東雲彰人:騎士。数年前に失踪した姉を見つけ出すことを主な目的としている。瑞希と幼なじみ。面倒見がいいので瑞希と司によく振り回されるが嫌ではない。
暁山瑞希:騎士。彰人と幼なじみ。昔よく絵名に遊んでもらった。可愛いものを見つけるとすぐそっちに行こうとするからその度に彰人に叱られるが面白いと思っている。
天馬司:騎士。病弱な妹を守るために騎士になった。新入りの彰人に声がデカイと注意されたのをきっかけに2人と仲良くなる。昼寝すると5時間くらい起きない。