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目が覚めたとき、家の中が不自然なくらい静かだった。
「……あれ?」
ベッドから起き上がり、時計を見る。
思ったより時間は経っているのに、誰の気配もない。
リビング、キッチン、玄関。
全部見ても、やっぱり誰もいなかった。
「……出かけたのかな」
そう思おうとしても、胸の奥が少しだけざわつく。
理由も分からず一人取り残されたみたいで、〇〇はソファに座り込んだ。
それから数時間後。
玄関のドアが開く音がして、〇〇ははっと顔を上げた。
「ただいまー!」 「〇〇、起きてた?」 「遅くなってごめん」
一気に聞こえてきた声に、〇〇は思わず立ち上がる。
「……おかえり」
その瞬間、三人が自然みたいに近づいてきて、ぎゅっと抱きしめられた。
温もりに、少し安心しかけた――そのとき。
ふわり。
知らない、甘い香り。
(……え?)
一人じゃない。
もとからも、ひろからも、りょかからも、同じ香りがする。
頭が真っ白になった。
「……」
〇〇は何も言えないまま、そっと三人から離れた。
「〇〇?」 「どうした?」 「……?」
答えられなかった。
胸の奥が苦しくて、息がうまくできなくて、〇〇はそのまま自分の部屋へ向かった。
「ちょ、〇〇――」
ドアを閉め、鍵をかけた瞬間、張りつめていたものが一気に切れた。
「……っ」
ベッドに座り込んだ途端、涙が溢れた。
(知らない人の匂い……) (わたしのいないところで……)
考えたくないのに、勝手に想像してしまう。
好きだからこそ、不安になるのが嫌だった。
「……やだ……」
声を押し殺そうとしても、肩が震えて止まらなかった。
ドアが閉まった音のあと、家の中が一気に静かになった。
「……泣いてる、?」 「泣いてる……よな」 「やばい、完全に傷つけた」
三人は顔を見合わせた。
「どうする?」 「とりあえず説明……」 「いや、今の〇〇に言っても無理じゃない?」
ドアの向こうから、かすかな嗚咽が聞こえた。
「……」
もとの表情が一気に曇る。
「俺たち、最低だな」 「香水、ちゃんと落とすべきだった」 「サプライズとか言ってる場合じゃなかった」
ひろが頭を抱え、りょかは落ち着かない様子で廊下を行き来する。
「〇〇さ、普段強がるけど」 「一人になると我慢しすぎるよな」 「泣かせたの、俺たちだ」
誰もすぐに動けなかった。
でも、りょかが小さく息を吸って言った。
「……僕、〇〇が泣いてるの放っておけない」
三人で相談して、無理にドアを開けるのはやめた。
代わりに、扉の前に座り込んで、順番に声をかけた。
「〇〇、ごめん」 「不安にさせるつもり、なかった」 「誰とも何もない」
返事はない。
「……っ…………」
でも、泣き声が少しだけ大きくなった。
それが余計に胸に刺さった。
「……なぁ」 「好きな人が泣いてる音聞くの、こんなにしんどいんだな」 「ほんと、それ」
もとはドアに額を預けて、低い声で言った。
「俺たち、〇〇が一番大事だ」 「そのことだけは、信じてほしい」
しばらくして、泣き声が少しずつ落ち着いてきた。
ドアの向こうから聞こえる声は、どれも真剣で、焦っていて。
(……そんな声で言われたら)
涙を拭いながら、〇〇はドアを見つめた。
「……開けるよ」
鍵を開けると、三人が床に座ったまま、同時に顔を上げた。
「……〇〇」 「泣かせてごめん」 「ほんとに、ごめん」
誰もすぐに触れなかった。
その距離が、逆に優しくて。
「……わたし」 「好きだから、嫌だった」
震える声でそう言うと、三人は一瞬固まって、それから一斉にほっとした顔をした。
「それ、聞けてよかった」 「ちゃんと嫉妬してくれたんだな」 「でも次は、ちゃんと話そう」
もとはそっと手を伸ばして、確認するみたいに言った。
「抱きしめてもいい?」
〇〇が小さく頷くと、三人は優しく、包むようにハグをした。
知らない香りは、もう気にならなかった。
それよりも、すぐそばにある気持ちの方が、ずっと強かった。
なんかなんかね…って感じやけどだしちゃう!だしちゃったかられちゃんのリクエストも書こうかなって思ってる!じゃまた!
コメント
5件
今回も最高だった! これからも頑張ってね!!!!
あ、そういえばうちの口角へやの引き出しに隠れてたわ(???) リクエストつぎのやつ出て最後の編??のところでかくねぇー!!