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第7章『あの笑顔に触れてしまったら』(じゃぱぱ視点)
夕飯の片付けを終えて、じゃぱぱはリビングのソファでぼんやりしていた。
みんながゲームで盛り上がる中、ふと視線を上げると――
そこにいたのは、やっぱりひろくんだった。
ソファの隣。
静かに座りながらも、じゃぱぱの方をちらちら見ている。
「……ひろくん」
声をかけたのは、先に目が合ってしまったからだ。
逃げるのは、もう無理だった。
「……はい」
ひろくんの答えは短くて、でも声の温度がやけに高い。
じゃぱぱは少し息をのんで、それでも言った。
「昨日の朝、話してくれたこと。……本当は、すごくうれしかったんだ」
ひろくんが、ゆっくりとこちらを向く。
その目は、真っ直ぐだった。
「俺も、じゃぱさんにちゃんと伝えたいことがあって」
「……なに?」
「……好きです」
一瞬、時が止まった。
音も、空気も、みんなの笑い声すら遠くなった。
「……その、“グループとして”とかじゃなくて?」
「もちろん、それも。でも、それ以上に。
俺は“じゃぱさん”のことが、ひとりの人として好きです」
言葉の強さに、心が震える。
冗談みたいな空気じゃなかった。
ひろくんは真剣に、まっすぐに伝えてきた。
じゃぱぱは、すぐに返事ができなかった。
でも、気づけば――
「……オレも、ひろくんのこと好きだよ」
いつの間にか、笑っていた。