テラーノベル
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ある日、二人でお酒を飲んでいた。
少し酔いが回ってきた頃、自然と昔の話になった。
「離れてた時、何してたん?」
その何気ない一言から、十年間の空白を埋めるように、お互いの話が始まった。
私は素直に話した。
「ずっと心のどこかにヤマがおった。」
「好きって気付いた時には、もう遅かった。」
「他の人と付き合っても、どこか腑に落ちひんくて。」
ずっと誰にも言えなかったことだった。
ヤマは黙って聞いていた。
そして、静かに口を開く。
「俺も忘れたこと、一回もない。」
思わず顔を上げた。
「伊織の誕生日だけは毎年思い出してた。」
「SNSも…ずっと見てた。」
「誰かと付き合うたびに、『やっぱり違うな』って思ってた。」
少し笑ってから、続けた。
「俺、自分から好きになったん、お前が初めてやねん。」
「それからは、誰のことも好きになられへんかった。」
その言葉を聞いた瞬間、涙が出そうになった。
ヤマは普段、自分の気持ちを言葉にする人じゃない。
照れ隠しばかりで、本音なんてほとんど見せない。
そんな人が、まっすぐ私を見て話してくれている。
恥ずかしそうに笑うわけでもなく、誤魔化すわけでもなく。
ただ真っすぐに。
その姿が、たまらなく格好よく見えた。
ああ、この人は本当に私を好きでいてくれたんや。
その日初めて、心からそう思えた。
コメント
1件
ああ、もう……このエピソード、泣きそうになりました。🥀 「SNSもずっと見てた」ってヤマの言葉、重すぎて苦しいのに、めちゃくちゃ愛おしい。普段本音を隠す人が、まっすぐ目を見て十年分の想いを伝えるシーン、心臓がギュッてなりました。伊織の「この人は本当に私を好きでいてくれたんや」って気付き、尊すぎる……。 イツカさん、この静かな再会の温かさ、すごく丁寧に描かれてて、読んでるこっちまで涙腺緩みました。素敵な話をありがとうございます。
東 桃子
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#溺愛
桜咲かな
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桜咲かな
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桜咲かな
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