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次の日。和美と会ってすぐに昨日のことを聞かれる。
「それで、連絡先を交換したの?」
「緊張して聞けなかった。
でも、拓海くんがチョコムースをくれたんだ。
ますます好きになっちゃった」
「ふーん……。拓海が……。
あのさ、明香里……」
「なに?」
「ううん。なんでもない」
その日の帰り。拓海くんを見かけると、和美はわたしの背中をトンッと押してくれた。
「おーい、拓海」
「いつもふたりでいて、仲良しでいいよな」
「羨ましいでしょ。 ……って、やばっ!
次の電車に乗らないとバイトの時間に間に合わない。あたし、急ぐね」
また、拓海くんとふたりきりにしてくれたんだろう。
でも、和美は曇った表情を浮かべていた。
「なんなんだあいつ……。
おれのことを避けてるのかな」
せっかくチャンスを作ってもらったんだから、活かさないと。
「……違うよ」
「庇わなくてもいいって」
「わたしが拓海くんと話したいから……」
「長野さんが? なんで?」
両手が震えるほど怖くて、拓海くんの顔が見れない。でも、想っていることを伝えたかった。
「拓海くんのことが好きだからっ……――」
自分で言ったくせに頭の中が真っ白になった。
この前、チョコレートムースをくれて、優しくしてくれたから上手くいくかもしれない。
付き合える可能性があると思ったから、わたしは拓海くんに告白した。
「あー……、ごめん」
でも、その答えはあっさりと返ってくる。
「こちらこそ……。いきなりでびっくりさせたよね……」
「それもあるけど……。
おれ、明るくて元気な子が好きなんだ。
長野さんのことは、友達までしか見れないというか……」
「分かった……。答えてくれてありがとう……」
拓海くんから逃げるように走っている時、大粒の涙がぼろぼろ零ぼれ落ちた。
途中で和美が駆け寄ってきて、わたしの背中にそっと触れてくる。
「なにがあったの?」
「告白したら、振られちゃった……。
わたしの恋、終わっちゃったよ……」
「明香里……。拓海に告白したんだね……」
その声のトーンはいつもと違って暗い。
悲しいというよりも、突き放すような怒りを感じた。
失恋をしてからズキズキと胸が傷んで、涙が止まらなくて、大学に行くことさえできなかった。
しかし、高い学費を親に払ってもらっているから休みたくない。
つらいけど、次の週の月曜日から大学に行くことにした。
「おはよう、和美」
一限目の授業が始まる前に和美に挨拶をすると、口を閉じたままわたしがいる反対側に顔を向けた。
「どうして話してくれないの?」