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休日なのもあって水族館の中は人で溢れていた。

こんなに人がいたら心さんキツそうだな、と思い心さんに視線をやると

心「わぁぁ、綺麗ー…!」

心「楽しそうに泳いでて可愛い!」

視線に気付いたのか心さんが俺に近づいてきた。

心「勝手にハシャいでごめん」

心「君の楽しみ方と違うよね」

和馬「俺は気にしてないから大丈夫」

和馬「1人の楽しみ方はそうだけど、心さんといるなら心さんが楽しそうにしてくれた方が楽しいよ」

心「…き、君はすぐそう恥ずかしいこと言って…!」

心「うちだって君が楽しそうにしてるのみたいんだけど…!」

和馬「俺は心さんが楽しそうならいいんだって」

心「本当…?」

和馬「そんなに疑うなら覗いていいよ」

心「じゃあ楽しんでくる!」

覗かれれる可能性がある賭けはもうやめようと思った。

何気ないフリしているが実際水族館なんて小学生の時親に連れられたきりで、ほとんど行った事はない。内心テンションは上がっている。

トンネル型の水槽を進むと、小さな箱型の水槽のエリアに来た。

和馬(こういう系の方が観やすくて好きだな)

心「ばーげだす…ばたふらいふぃっしゅ…」

心「なんか揚げられてそう」

和馬「フライだけ見て言ったでしょ」

心「相変わらずツッコミが早い」

心「でも白黒で可愛いね!」

心「観てると癒されるなぁ」

和馬「そうだな」

ふと我に返ると真横には心さんの顔があった。

小さい水槽のせいで顔が近いことに気付いたのは俺だけでなく心さんもらしく、磁石の反発の様にお互い少し距離をとった。

心「…そんなに距離取っちゃって、恥ずかしかったのかな?」

和馬「それは、心さんの方だろ。俺に嘘は効かないからな」

心「うちの能力は君の上位互換なんだよ?」

和馬「…前もやったけどなんだよこれ」

心「いいじゃん!なんかバトル漫画のワンシーンみたいでなんか楽しいし!」

和馬「俺は心さんとは戦いたくないけどな」

心「勝てないから?」

和馬「なんで勝てない事が決まってんの 」

和馬(自分の朝の惨めさを晴らすならここしかない)

和馬「今の心さんは可愛いから……色々と崩したくないんだよ」

心「……..か、わいい…かぁ〜」

心「なんか言われたの初めてな気がする」

心「ありがと!めっちゃ嬉しい…!!」

心「ふふふ…!可愛いかぁ〜」

言った後恥ずかしさで消えたかったが心さんの嬉しそうな姿を見て言ったことに後悔はなかった。…気がする。

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