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3 ◇昴の暴走
踊りを決めている最中(しかもプロになれるかどうかの大事な局面なのに)に、
踊りの苦手な者に責任を負わせること自体、夏目に責任があると思う。
ある揉め事が起き、事が終焉を迎えた時……私は強くそう思った。
―――――――――――――――――――――――
さて場所は移り……Aチームダンスの振り付けをチームメンバーたちは
あーでもない、こーでもないと決めていく。
** Aチームメンバー
・佐藤竜星(踊りがそこそこ上手い)
・石田俊樹(竜星と仲がよい+踊り初心者で苦手)
・山本昴(最年少の中学生+踊りがめちゃくちゃ上手い)
・伏見尊(踊り初心者なのに後にリーダーに抜擢される)
・広川慎 (踊りがめちゃくちゃ上手い)
・もうひとりくらい誰かいたかもしれないが記憶にない **
踊りが得意な 昴(最年少の中学生)がリードしていく。
俊樹(竜星と仲がよい+踊り初心者で苦手)は高度な足さばきなどを見て、怖気づく。
その様子を見ていて冷静な判断のできる慎(踊りがめちゃくちゃ上手い)が
昴(最年少の中学生)に柔らかい言い回しであまり高度だと付いていけないメンバーが
いるから難しくし過ぎないようにと窘める。
言われたその時は納得するのだが、時間が経過すると踊りが好きで得意な
昴は良いものを目指して難しい振り付けを次々と進めていく。
一度注意を促した慎は、遠慮してかもうどうしようもなくてなのか、ただ
見ているしかなかったようだ。
きっと、昴ともっと距離感が近ければ慎も再度注意を促してしたかも
しれない。
見ているほうも俊樹(竜星と仲がよい+踊り初心者で苦手)の不安そうな様子に、
どうなっていくのかハラハラしながら見ていた。
振り付けをほとんどひとりで捻り出した後で、昴は今のリーダーである
尊(踊り初心者)に『これでいこう』と提案。
たぶん踊りに自信のない尊は、自分で振り付けを考える力がないために
昴の提案に即時同意……したのだろうと思われた。
昴(最年少の中学生+踊りがめちゃくちゃ上手い)はまず慎(踊りがめちゃくちゃ上手い)に
相談すべきではなかったかと思う。
慎が踊りの達人で俊樹のようなダンス初心者のことも考えられる人物だった
からである。
しかも、慎はオーディションに参加してはいたものの、もうすでにその所属
事務所からデビュー自体はしていて、大きな舞台なども経験している
アーティストでもあった。
そのような経緯もあり――――
後々の佐藤竜星の我よしな言動を思い起こしてみるに相手が……
当時リーダー代理が慎であったなら、乱暴な物言いは控えたと思われる。
だって、今からボーイズグループになりたくて頑張っている竜星が、すでに
オーディションを行っている事務所に所属しているアーチストでもあり、もしかしたら
同じグループで活動するようになるかもしれない相手なのだ。
そのような慎(踊りがめちゃくちゃ上手いく、すでに事務所に所属)を相手に、
流石にこの男も暴言は吐けまい。