ある少年は二文字の言葉しか話せなかった。
辛いや痛いが言えても、助けてとは言えなかった。
助けてとは言われてないからと見て見ぬふりをしながら人々は遠ざかっていった。
その少年は短い人生を歩んだ。
ある少女は三文字の言葉しか話せなかった。
助けてが言えても、ありがとうとは言えなかった。
いくら助けてもお礼をされない人々は次第に彼女から遠ざかっていった。
その少女は短い人生を歩んだ。
いつしか時が経ちいくつもの言葉を無制限に話せる世界がやってきた。
辛いも苦しいも助けてもありがとうも言える世界だった。
でもなぜか人々はそれを言わなかった。
言えるのに言わなかった。
言わないが為、短い人生を歩む人もいた。
そして少年と少女はそれを見てこう言った
「馬鹿」
「だなぁ」
馬鹿だなぁ。と
そう私達に云った
コメント
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そこで見ている貴方も馬鹿ですか?