テラーノベル
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桐生のピアスに夢中な桜。
もう顔を隠していたこともシーツを握っていたことも忘れていた。
桜「…これ、どぅなってるの」
桐生「これ?
耳に穴を開けて付けてるんだよ」
耳に穴。
その言葉を聞いて桜は無意識にキュッと自分の耳たぶを触った。
桜は桐生を不安そうな目で見ていると、
桐生はつい笑ってしまう。
桐生「可愛いなぁ桜ちゃん。
注射よりも痛くないよ?」
桜「…でもこわい」
それから短い単語の会話が続き、
桜が笑う回数も増えていった。
桐生「…ねぇ、桜ちゃん」
桜「…? 」
桐生「昨日の夜のこと、教えてくれないかなぁ」
桜「………」
桜はその言葉を聞いて、黙って俯いてしまった。
桐生はこの話は早かったかと訂正しようとする
桜「…あのね、」
…より前に桜が喋りだした。
「…おれ、わるいこだって」
桐生「…」
桜「きっくとか、ぱんちとかいっぱいされて
『おばあちゃんのいえにいけ』って、そとにだされちゃって…」
「わかんないから、ぐるぐるあるいて、
あつくなって、こーえんでねてた」
桐生「…」
桜が話し終えた途端、桐生は小さな彼を
優しく抱きしめた。
桜はびっくりして、もどかしくてしばらくうごうごしていたが、
諦めたのか心地よかったのか大人しくなった。
桐生「(こんな小さい子になんてモノを背負わせてるんだ。
まだかなり熱いししんどうだろうに…)」
数分間そのままでいると、
腕の中からスースーと、規則正しい寝息が聞こえてくる。
見てみると、桜は気持ちよさそうに眠っていた。
そのままベッドにそっとおき、柵を直す。
ふと目に入った右手首。
蘇枋と楡井が自己抜去防止のために付けた布。
桐生「…自分で点滴抜いちゃうなんて、悪い子だなぁ」
そのままナースステーションへと向かうことにした。
コメント
1件
読み終わりました。第10話、とても切なくて優しい回でしたね。 桜ちゃんが「おれ、わるいこだって」と自分を責めるように話すところ、胸がぎゅっとなりました。そんな小さな子が、外に出されてひとりで公園で寝ていたなんて…。でも桐生さんが何も言わずにぎゅっと抱きしめて、桜ちゃんがすーっと眠ってしまう流れが、すごく自然で温かかったです。 最後の「悪い子だなぁ」という桐生さんの台詞、拗ねたような口調の中に確かな優しさが滲んでいて、じんと来ました。ピアスに夢中になる桜ちゃんの可愛らしい表情とのギャップも、心に残るエピソードでした。
さかな
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紅葉 転生
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