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叶わなかったサプライズ(死ネタ)
“僕ね、ずっと幸せだったんだ!!”
そういう君はもう居ない。
僕の所にやって来ては花を届け、手描きの作品を持ってくるあの子。
あの子は身体が弱く、任務先の被害者として出会ったのが僕との出会いだった
そこからは、行ける時は苦手な病院に行ってとお見舞いに行ってたら。
あの子が、もうすぐ退院できるんだ!。と言った
その日から凶一郎がいつの間にか用意していた、協会内のあの子用の部屋にいつ何があってもいいようにと、医療器具等を揃えてと準備をした
「ふむ。こんな感じでいいだろう。そこのボタンを押せば七悪に直通するようになっている」
「本当にありがとう、凶一郎」
「かまわん。闘病中の子供を見捨てられんからな。」
「…くくっ、お前に一目惚れした奴を」
「もう、笑わないでよ凶一郎」
なんて。二人で笑って完成させた部屋にあの子が来てからはずっと、僕達は顔を見せに行ったりと可愛がっていた
それはもう、噂になるぐらいに
「ねぇ夢ちゃん。凶一郎とは普段どんなお話してるの?お兄ちゃんに聞かせてほしいな」
「ん〜?えへへ、秘密!」
「えぇ〜、秘密なの?夢ちゃん」
「うん!まだ言えない僕だけの秘密!」
まだ治療の影響で伸びてない髪の毛を隠すバンダナをつけた顔で、ニカッと笑って答えたあの子。
用事がなければ凶一郎も、僕が親友だからとそれを理由に会いに来ては何かしらを与えたりするぐらいに気に入っていた
まぁ本当は小さい子が好きだから、ちゃんと元気に生きてるか気になっていただけなんだけどね苦笑
それを親友の僕を理由に使うなんて、彼らしいよ
そんな日々も数ヶ月すぎた時、七悪君から報告を受けた
「出雲さん、夢ちゃんはもう助からないと思う。」
「えっ……?」
七悪君のあの万能薬があれば治るんじゃ……。その為の金なら僕が幾らでも…
「ううん、そうじゃなくてね出雲さん。もうあの子には体力が残ってないんだ。その副作用等に耐えれるだけの。その薬と対抗するだけの体力が。」
「…そっ、か……。あり、がとう。七悪君」
「こちらこそごめんね、出雲さん。」
「大丈夫、むしろここまでみてくれてありがとうね七悪君」
あの子はあと数日もてばいい方だと。その後しっかりと聞いた。そして、その話は凶一郎が七悪と一緒にあの子にしたそう
凶一郎は初恋の僕に。そして末の弟の七悪君に傷付けさせないようにと、自分が身代わるように着いて話したんだ。
その日はいくら僕でも会うことは出来なかった。
だけど翌日には、落ち着いたのかありがとうと。お兄さんのおかげだよ。と色々語って話てくれたんだよね
その日の夜中に、なんのイタズラか。協会内のスパイの1人が、命綱となる呼吸器に繋がる酸素濃縮器をこわした
僕は警報を聞いて急いで行ったけど、エレベーターにもハックを仕掛けられていてすぐには行くことが出来なかった
そのたったの数分であの子は命を完全に落としたんだ。
凶一郎と七悪君も急いでやってきて、蘇生を僕に変わり色々と試みてくれてたけど……どれもが無駄だった。
犯人の捕縛は凶一郎が担当する事になり、医者として残った七悪と、夢ちゃんの初恋の人として残った僕。
この二人で最期まで綺麗にいれるようと身の回りを整えて綺麗に飾ってあげた
「出雲さん、この子が楽しくいれるように…ふわふわの雲か何かつくって入れたりしない?絶対出雲さんだって喜ぶと思うんだ」
僕の名前に入っている雲。
そこから夢ちゃんの好きな僕を連想できるだろうと、寂しくないように。天国に楽しんで行けるようにと提案してくれた七悪君に即賛成して凶一郎が来るまでに一緒に作り始めた
しばらくして戻ってきた凶一郎が、僕たちの作るものを見て。それなら俺は蜘蛛を贈ろう。と自分の苦手な蜘蛛を夢ちゃんに贈ったんだ
それも鋼蜘蛛で作ったものを
「これなら、敵が来た時排除してくれるからな……」
その目には悔しさと涙が混じっていた
…そして出来たふたつの作品を夢ちゃんの両手の下に置いて、蓋を閉めた
翌朝、夢ちゃんの事を認知している、歳も近いからか休憩時間の遊び相手にもなっていた龍さんところの子供達も参列する形で葬式を開いた
葬式が終わったあとは、ずっと夜桜家で拘束済みだった犯人への尋問が待っていた
「ねぇ。なんであの子の命を奪ったの?あと少ししか…いや。あと少しの期間も生きる事が出来たのに」
犯人は醜くもこういった
『だって、会長の愛情を一身に受けててずるかったんですよ!!!!俺だって会長に愛されたかった!!』
「「「は/え?」」」
そればかりは僕達3人は理解できなかった。
僕は勘違いさせるような行動はとってないし、会長になる際に口酸っぱく凶一郎にそういった問題は面倒臭いから気をつけろと言われてもいたから。
『……俺はっ!会長の事が好きなんです!!!それなのに、あの子ばかり』
なるほど。僕のせいであの子が
「「それは違うぞ/よっ、灰/出雲さん!」」
「そう、かな?でも」
「あのね、出雲さん。この人は大人なんだからそこの抑制ができてないこの人自身の問題であって貴方は悪くないんだよ?」
「そうだ。七悪の言う通り、大人でありながら善悪の区別もつかず人殺しをするこいつが悪い。」
「俺としても、治ったらうちの養子にと思うぐらい気に入っていたからな。すこぶる怒りが収まらん。」
そう、七悪君達を通して凶一郎の家族達もたまに見に来ていたんだ。
そして、治ったら親の居ないあの子をうちで引き取ろうよと。アイさんも遊び相手が増えるし。と話していた。
だから、凶一郎は凄く怒っていた。家族となるべき子だったから。
その後はもう、僕達だけじゃなく、他の夜桜家の皆まで。そして子供たちの代表で…面倒も少し見ていたことのある龍さんまでもが参戦したため、長い間犯人は苦しんだ
「まぁ当然だよね」
「そうだな、うちの子を殺したんだ。これぐらい普通だ。」
「いや、全然足りないよ兄ちゃんたち」
「「そうだな/ね七悪/君」」
実は最期にサプライズとして、ウエディングドレスまで着せてあげるつもりだった
周りが勘違いしないように、規制はちゃんとした上でだけど、夢ちゃんの想いを叶えるために僕達は用意していたんだ。
撮影は四怨ちゃんが担当して、オシャレは嫌五君が。と色々決まっていた…そんな予定だった。
夢ちゃんは僕が気持ちに応えられないのは分かっていたけど、それでも喜んでいたであろう未来。
それを目の前のこいつは奪ったんだ。
まぁ僕たちは殺したいのは山々だったけど、夢ちゃんの分まで長く生きてもらう事にしたよ。
仕方なく。