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──────いえもん視点──────
「おい…!!ひなはどこだ…ッッ!!」
るかさんがガンマスさんの胸ぐらを掴む。その表情は怒りによって歪められているが、さすがイケメンとでもゆうべきだろうか。醜い怒りに染め上げられているのに、美しいと思う顔立ちだ。しかし、もう片方の拳を握り込み、ふるわせているが、殴っていないことからギリ理性を保っていることが分かる。
ガンマスさんは冷静に声のトーンを落とし、睨みつけるような冷たい空気が辺りを満たす。まあ、実際は表情はおろか、顔すら見えないけど。
「知るわけが無いでしょう?私は捕まっていたんですよ?こちら側に怒りを向けるのはお門違いですよ」
…ガンマスさんって煽ること以外出来たのか…なんて失礼な事を思ってしまう。れいまりさんからの視線がナイフのように痛い。
しかし、そのガンマスさんの冷静さと異なり、るかさんは焦りによる汗がダラダラと頬や首筋を流れ、胸ぐらを掴む手により一層力を入れる。掴んでいる手には血が滲みだし、全力で力を入れていることが分かる。
「ひなにいさん。冷静になってください。ガンマスさんはさっきまで誘拐されていたんですよ?知っていると思えません。」
「じゃあどこにいるッてんだよッッッ!?お”れのッッ俺の全てなんだぞッッッ!!?」
めめさんの冷静な声にもるかさんはまともに対応しない。るかさんの声は怒号に近く、そして狂気に侵されたその表情と声は見たものを怯えさせ、高圧的な何かを感じる。
そうすると、さっきまでぐさおさん達が立ち去るために使ったワープ用のものがあった場所を見つめていたメテヲさんがズカズカと音を立てながらるかさんに近づく。
ゴンッ
痛そうな音が聞こえる。思わず耳を塞いでしまいたかった音だ。その音の原因は、メテヲさんがるかさんの頭を殴ったからである。それもなかなかおもいっきり。その証拠にるかさんの頭からは血が流れ出していた。
「うるせぇぇよッッ!!今から探すんだろッッ!?正気になれよッッ!?」
メテヲさんは怒鳴り声をあげる。正直に言うと、この場に居合わせたくないと思うほど城内では大声が響き渡り、空気を震わしている。
──────ピッッシャーンッッ
空気を震わす音が聞こえ、同時にメテヲさんとるかさんにクリーンヒットする。一瞬辺りを黄色の光で包み込む、そしてこの音、雷だ。そして、その魔法が使えるのは──────
「やれやれ…わざわざ来てみれば…何喧嘩してるんですか…」
そこに呆れ顔で紫色のシルエットの人──────レイラーさんだ。
でも、それはおかしい。なぜなら視覚共有で動けないはずだし、1人でワープも出来ないはずだからだ。しかし、来ているのは事実だし…みたいなことを考えていると、辺りが水で覆われる。
「よっと…俺必要なかった?」
「…そうですかね?」
カタンと、静かな靴音をたて、少し上からジャンプするように降りてくる。その者たちには見覚えがあった。水色の髪に、コーラス色の触覚。そして雨も滴るいい男、うぱさんと、銀世界のような白髪の髪、特徴的なイヤーマフをつけた、みぞれさんのふたりが水の中から出てくる。
「はい!ウパパロン!完全回復です!ワープ要員で来ました!」
「レイラーさんも行ってしまったので…ついてきました。」
うぱさんは元気に飛びまわり、ラテさんに引っ付く。ラテさんは呆れ半分困り半分で小動物を撫でるように優しくうぱさんを撫でている。
みぞれさんは少し不安気な表情で辺りを見回す。
「…てッッなんで二人共丸焦げなんですか!?」
みぞれさんが指さした先には、さっきレイラーさんによって焼かれた(?)メテヲさんとるかさんがプスプスと音を立てて倒れている。んー…ま、放置でいっか(?)
「とりあえずひなさんを探してあげましょ。またるかさんが暴れ始めますよ。」
めめさんの意見に俺達は賛同し、城内を探し始める。
案外サクッと見つかり、牢屋の中で平和に寝息を立てながら寝ていたひなさんを見つける。呑気だな…なんて思いつつも、めめさんが鎌をひとふりし、牢屋の柵?のようなものを一瞬で斬る。見慣れてきたから分かったが、多分初見じゃ絶対分からない代物だ。
俺じゃなかったら見逃して(((
そして、ひなさんを起こし、再び玉座に戻ってくる。
るかさんにひなさんがいるって言うと、さっきまで倒れていたのが演技だと思うくらいに一瞬で起き上がり、ひなさんに近寄る。
「ひなッッ!!大丈夫か?」
「まったく!るか兄は心配性すぎ!ぶーじーでーす!」
るかさんの心配を一言でせいすなんて…なかなかの強者だ。ひなさんは頬をぷくぅとふくらませ、不満を表情で表している。それに心を撃ち抜かれたかのようにウッとうめき声をもらし、その場に倒れ込む。
間違いない。こいつブラコンだ。イケメンなのに…これが残念イケメンってやつだろうか?
ちなみに、そのことを後で伝えてみると、ドヤ顔で『妹が好きじゃない兄は兄じゃない』とあたかもすごそうなことを言ってた風に俺が呆れたのはまたいつかの話。──────
ここで切ります!間に合った!今回は思ったよりすんなりかけて良かったです!普段まともな人(るかさん)が狂うのっていいですよねー!なんか執着している感が人外さを引き立ててめっちゃ好きです!!
それでは!おつはる!
コメント
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レイラーさんがしてるのは視覚共有でしょなに資格の共有してるのよ