コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
誤字脱字あるかも
優菜「おはようございます!」
私は城井優菜。探偵社所属の21歳、早速なんだけど、私みんなから嫌われてる?みたいで。出勤するときに挨拶をしても全く返事が返ってこないんだよね~・・・。せめて基本中の基本はしようよ。
そう思いながらも自分の席に着きカタカタとキーボードの音を立てて業務を始める。すると数十枚の書類を持った太宰さんがトコトコと歩いてくる。ああ、また仕事増やされるのかな・・・まあ私はどっちでもいいんだけど。
太宰「優菜ちゃん。これもやっておいて」
優菜「はーい」
ちゃんと話せる仲間といえば私の妹の美緒くらい。みんな無視というか・・・話しかけてはくれるんだけど対応が冷たい。
あ!言い忘れてたけど、私の異能力は「思想のユメ」相手の心を読むことができるんだけど・・・中学生の時に一回だけ使ってそれ以来使っていない。一種のトラウマになってしまったから。
まあこんな暗いことは置いておいて仕事をしよう!
やっと終わったーー!!
乱歩さんににらまれてることだし、さっさと帰ろー。こんな空気の中居るのは嫌だからね。ちなみに今の乱歩さんめっちゃ怖い。鉛筆の鋭い芯みたいな目つきで見てくる。・・・ちょっと機嫌治してもらいたいな、ラムネわたそ。欲しそうだし。
優菜「乱歩さん、どうぞ。ラムネです」
乱歩「・・・・。ありがとう」
可愛い・・・ちゃんとお礼言ってくれるのは優しい
優菜「それでは上がらせてもらいます!」
美緒「おかえりー」
優菜「たっだいまー!」
美緒「あのさ優菜。仕返し、したくない?探偵社のみんなに」
優菜「・・・ふぇ?」
変な声出しちゃった・・・それよりも美緒今なんて言った?仕返し?なんで?
美緒「いやぁさ。最近皆態度冷たいじゃん?だから、こっちからも態度冷たくしてやろうって」
優菜「確かにみんな冷たいけど・・・私は仕返しとか別に思ってないし・・・」
仕返しとか、探偵社の皆に好いてほしいとか思ったことなんかない。否、それは嘘だね。心の隅っこでちょっとだけ、ほんのちょっとだけ仕返しとか好いてほしいかもとか思ってるかもしれない。
美緒「知ってるの。私、優菜がどんな事されてるか。いい方法知ってるから教えてあげようと思っていったんだけど、優菜が気にしてないなら別にいいや」
優菜「ちょっと待って!ストップ、ストップ!ちなみにどんな仕返しなの?」
美緒「ふっふっふ・・・・・私たちも無視する」
・・・いやいやいや、シンプル過ぎない?
優菜「え?ああ~自分たちも同じ事しろってこと?」
美緒「そう!きっと、急に無視し返されてびっくりするよ!楽しみ~!!」
優菜「んー・・・」
正直おもしろそうだとは思う。でも逆に嫌われたらどうしよう・・・でもやってみないとわかんないよね・・・・よし!とりあえずやってみよう!
優菜「OKやってみるね!アドバイスありがとう」
美緒「全然いいよ!姉妹だもん、助け合わなきゃ」
美緒は優しいな。取り敢えず二、三日休んでから実行しよう!いきなりやったらあれだし・・・
ピンポーンとドアのインターホンが鳴った。
優菜「?だれだろ。こんな夜中に」
今は午後11:00。私はうまく寝ることができず、動画を見て楽しんでいたところだった。私は急ぎ足で玄関へ向かう。
私がドアノブを回す前にガチャリとドアが開く。・・・ドアって開いてたかな。そう思いながらも開く扉の奥を見つめる。
???「こんばんは。優菜さん」
優菜「誰でしょうか?それと、私がドアを開く前に開かないでください」
???「それは失礼しました。僕はフョードル・ドストエフスキーと申します」
美緒「マジ?!あの天人五衰の?」
いつの間にか隣には美緒がいる。フョードル・ドストエフスキー?どこかで聞いたことがある気がする。
優菜「フョードルさんが私たちに何の用ですか?」
フョードル「いえ、今回用があるのは優菜さん、あなただけです」
美緒「じゃあ優菜に何の用?」
私に用?一体何の・・・?
フョードル「天人五衰に入りませんか?」
優菜「天人五衰に?それはなんでですか?」
聴かずともわかっていた。きっと私が探偵社に嫌われていることを知っての勧誘だろうと、見当はついていた。
フョードルは私の心を読んでいるかのよう、意外な発言をした。
フョードル「否、それもありますけど一番はあなたの異能力です」
優菜「!」
美緒「ちょっと~優菜に異能力単語は禁止だよ!帰ってくれる?」
優菜「大丈夫だよ、美緒」
そう言いつつも私の体は小刻みに震えていた。あの時を思い出してしまう。もう二度と見たくない人生で一番最低な思い出を思い出してしまう。
私が中学生(二年生)の頃、周りの皆からさけられていた。なぜだかわからず異能を使い、皆の思いを聴いた。こんな内容だった。
女子1(異能力って・・・しかも相手の心が読める。それって今隠してることもすべて耳に入っているってことでしょ?隠し事なんてばれたくない・・・関わらないようにしよう)
男子1(気持ち悪い)
女子2(なんで同じクラスなの?!ありえない)
女子3(今の心も読まれているのかな・・・?怖い)
男子2(なんで学校来てるんだよ。ったく最悪だ)
今でも思い出してしまう。皆、皆学校に来るなと思っていた。いつしか私はいじめられるようになって・・・私だってこんな力手に入れたくなかった。でも手放せない。一生離れることはないのに・・・。
机に油性のマジックで悪口を書かれ、朝学校に着くと机の上にスノードロップの花が置かれていた(花言葉はあなたの死を望みますです)。そしてその中でも一番ひどかったのが1週間に二、三度、放課後に体育館裏へ連れていかれた。蹴られ、殴られ、傷つけられ、日に日にあざや怪我が増えていった。
美緒には不登校を進められたが私たちは貧乏だったのでそうそうなれるものではなかった。親にも相談したが聞く耳を持たず、「そう。なら異能力を使わなければいいだけの話よ。使わなければ追い込まれないでしょ?それと、もし学校を休むのならこの家から出て行ってもらうわ。ただでさえ美緒と貴女を養うのでギリギリなんだから」といわれてしまい、学校・家ともに私の居場所はなかった。
先生に相談してみるも、気が弱い先生で「その程度なら我慢しなさい」と言い相談にもならなかった。美緒には「なるべく笑顔を保つことが大切だよ。いつも笑顔で、ポジティブになるの。そうすれば少しは気が楽になるよ!私はいつでも優菜の味方だから安心してね!」と言われて、それから私はポジティブになった。
豆腐みたいなメンタルで、気弱な私だけどいいほうへと思考を巡らせるとその短所もうまく緩和できた。だがいじめられているのに変わりはない。逆にもっと気味悪がられた。時には自殺も考えたがすぐにやめた。
もしいじめがなくなっても三年生までは地獄だったと思う。
これが私のトラウマの一部分。
フョードル「あなたの異能力は異能力のない世界にへするために欠かせないものです。なので入ってください」
フョードルさんは話を進める。そのたびに入ると言いそうになる、でもやめる。まだ探偵社の皆が私を必要としているか確かめていないからだ。もし必要とされていないのなら私はすぐに承諾し天人五衰に入るだろう。だが必要とされているのならばきっぱりと断らなければならない。
優菜「少し考えさせてください。この場では答えを決めることができません」
私は本当のことを言うとフョードルは営業スマイルをし、
フョードル「わかりました。ではまた今度きますね」
そう言い素早く出て行った。私は一息つくためキッチンでお茶を注ぐ。
美緒「もしかしてはいるつもり?」
優菜「ううん。あの作戦を実行してから決めるつもり、本音も聞いていないのに入れない」
美緒「さすが私のお姉ちゃんだね!よく考えてる」
うんうんとうなずく美緒の姿はどこかしら嬉しそうだった。