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「───いやコレは無理ですって」
「何言ってんのよ!
こんなのも着れないであの鈍感をどうやって落とすつもりよ!」
「いやもう落としてるんで」
えへへ、と笑いながら言ったらスパン!と頭を叩かれた。完全に八つ当たりだ。
だってナミさんが貸したげる、と持ってきてくれた服は、もはや服とは言えない。
四捨五入すれば裸だ。
ロビンさんからも貸してあげる、と持ってきてくれたけれど、大して変わらない。
貸してもらえるんだから文句は言いたくないけど、コレは私にはハードルが高すぎる。
そこまで自分の体型に自信が無いもの。
「綺麗に腹筋割れてるんだから出さなきゃ損よ♡」
「いや、お二人のスタイルの良さに比べたら胸もないし・・・」
「いいじゃない、大きくはないけど形が綺麗なんだから。
大きいと色々不便なのよ、肩は凝るし服のサイズに困るし・・・」
「邪魔なだけよ」
「なんって贅沢な悩み・・・!」
心の底から羨ましい。
「それにルフィが胸の大きさにこだわると思う?」
「思いませんけどー・・・」
「ならいいじゃない♡
どうせ次の島までの辛抱よ!
次の島で好きなだけ買ったげるわ♡」
「そうね、そうするといいわ」
はいこれ着る!と渡されたのはダメージの入ったスキニーデニムと、黒のチューブトップ。
・・・まだ、マシな方か。
仕方なく受け取り、借りることにした。
「着れたら出てきなさいね、アンタの歓迎の宴するってルフィが言ってたわ」
「そんな大袈裟な・・・」
「いいのよ、ウチの船長はなにかにつけて宴をしたがるから」
「あぁ、成程」
「あなたの場合は特別だと思うけれど」
最後の最後、ロビンさんが小さく爆弾を落としていった。
・・・からかわれると照れるタイプだな、私。
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コメント
1件
本当に贅沢な悩みですよね〜