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朝だ

身支度を整え、あの女性に会いにいく

『あら遅かったじゃない』

「…早起きは苦手なんだ」

『今日はあなたにやって欲しいことがあるの』

……やって欲しいこと?

「お前は何者だ」

『あら、言ってなかったかしら』

『私は笑越 (えご) 』

「…俺は」

『音勿 心晴 (おとなし しんせい) …よね?』

「なんで知ってんだよ、」

『まぁ、ここの管理人だから

貴方のことも、ここにいる人のことも、基本情報は全て知っている』

「…ここは夢か」

『夢…ね、まぁいずれ分かるわ』


夢では無い、ってことは何なんだ

どこかに連れ去られているのか…

でもそれにしてはおかしいことばかりだ


『着いてきなさい』

コツ…コツ と ひとつの扉に向かって歩いていく

そして、黄色の扉の前に着いた

『ここに入って

その中で起こることは全てエンディングに繋がるわ』


エンディング……?

物語じゃあるまいし、

『さあ』


そう言われて、扉の中に飛び込んだ




✄——————-‐✄








白い光に包まれ

目が覚めると

目の前にはいわゆるイツメンと呼ばれる奴らがいた

5人グループで、俺以外はペアで付き合っている

男女のグループだ

でも…、そのカップリングの1つの女の子が彼氏を貶していて

彼氏側はそれに気づいてるのに言えない、我慢している

そんな関係だった。

病んで…性格も変わってしまって…それから、

…もうひとつのカップルは仲のいいごく普通のカップルだった


「…ぉい!おい!音勿?!」

「あ…あ、ごめん!」

こいつは歪なカップルの彼氏 笹井 唱 (ささい しょう ) だ

「何してんの笑」彼女の 林 愛理 (はやし あいり) か声をかけてくる

「あはは笑

いつも通り、おにごでいい?」


賛成という声が上がって、鬼ごっこが始まった

この、昔の俺にとっては当たり前のごく普通の日常

この当たり前に気づくのにあと何年かかるかな、

普通のカップルの彼氏の名前は 「橘 睦月 (たちばな むつき )」

彼女の名前は 「弥生 心 (やよい こころ ) 」

この2人はこの先もずっと一緒にいる

今でも仲のいい親友だ

鬼ごっこの最中、俺は睦月に出会った

「ねー、どこら辺に鬼いた?」

「わからん笑」 と言ってけらっと笑う

お得意の笑いだ。

「なあ」

「唱達…さ、どーなるんだろーね」

「…どう、なるんだろ、うね」


俺は知っている。

あいつが、唱が、

愛理と別れた後、人が変わったようにおかしくなってしまった

いつもしょーもないことを言って、

寒いダジャレを言って、滑るまでが流れで

その後、「地球温暖化を止めてんだよ!」って

そんなことも無くなるんだ

全て、全て…

気がつくと俺は泣いていて

あいつは俺の涙をみてびっくりしていた

そりゃそーだ

俺は元気ないじられキャラ

人前で泣くことなんてなかったんだから


懐かしい気持ちと、

この先どうなるかを知ってしまっている複雑さと

久しぶりに味わった純粋な人の温もりに

少し

少し

気が緩んでしまっただけだから






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