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「」葛葉
『』叶
葛葉side
寒っ。
今日は一人で買い物にきた。叶は収録で朝から出かけており、夜に帰ってくると言っていた。
そんなことを考えていると目的の場所であるデパートの入り口につき、中に入る。
あったけぇーーーーー。
暖房がきいた店内は天国だ。そう思いながら周囲を見渡す。
えーと、どこだ、、、あ!最上階らしいな。
ぎゅうぎゅうのエレベーターに乗り最上階へ向かう。気づくとエレベーターの中は俺以外全員女性だった。
・・・気まず。やっぱ一人でくるんじゃなかったか・・・?
俯きながら考えていると最上階についた。エレベーターのドアがあくと同時にふわっと香る甘い香り。
そう、今日はバレンタインフェア会場に来た、何を隠そうバレンタイン当日だ。
甘い香りに浮かれたのも束の間、会場のあまりの混み具合に足がすくむ。
まじか・・この中探すのか・・・はぁーーー、、やっぱ帰ろっかな・・・
いや、叶にあげるチョコを買いに来たんだ、今日は。
俺はスイーツなんて作れないし、たまたま昨日テレビでバレンタイン特集をやっていて、珍しく叶が食いいるように見ていた。
『うわ~美味しそう~、、やっぱりこういうちゃんとしたとこのチョコは美味しいんだろうね~』
そう言いながら嬉しそうに見ていた。
・・・やっぱり買って帰んなきゃな・・せっかく来たし。
とりあえず片っ端から店をみてまわる。種類が多すぎて目移りする。
あーーー。叶どんなのが好きかわかんね・・・どうしよ・・
そう思いながらおしゃれな箱に詰められた色とりどりのチョコレートをみていく。
そう思った時、視線の先に目をひく箱を見つけた。
黒と灰色の中間のような箱がターコイズカラーのリボンで縁取られている。
・・・叶っぽいな。色が。
中身のチョコはいろんなパターンがあるのか、、あ!ネコのチョコ!
ネコの形をしたチョコが真ん中に置かれ、その周りをいろいろなチョコレートが囲んでいる。
これだ・・これしかない。俺はすぐにそのチョコを買った。
店員「こちらはプレゼント用ですか?それともご自宅用ですか?」
「あ、えっと、プレゼント用で」
店員「かしこまりました。お包みしますね。少々お待ちください。」
しばらくして箱と同じカラーの紙袋を渡される。袋にもネコのシルエットが描かれている。
・・叶好きそー。
俺は満足して帰路につく。まだ、叶は帰ってないだろう。いつ渡せばいいかな、めしの後か、、
がちゃ
『あ、おかえり~葛葉!』
「・・っ?!叶?」
『はやめに終わったから帰ってきたよ~』
なにやらキッチンでがちゃがちゃ音がしており、おそらく夕飯を作っているのだろう。
『葛葉~ごはん食べて来ちゃった?オムライス作ってるんだけど、葛葉も食べる?』
キッチンから聞こえる、そういえば旨そうな匂いがただよっている。
「・・食う!!」
キッチンまで聞こえるくらいの声量でそう答えると、俺はそそくさとリビングに向かった。
リビングのソファのクッションの裏にさっき買った袋を隠し、ソファにどかっと座る。
『葛葉、どこか行ってたの?買い物?』
「ん。服見に行ってた。」
『なんかいいのあった~?』
「いや、なかった」
『そっか、残念だったねぇ』
「ま、そんな日もあるっしょ。」
『まぁね、もうできるよー』
「っしゃ!はらへったー」
テーブルに皿を運び、叶と向い合ってオムライスを食べる。
「・・うまっ」
『ふふ、よかった』
オムライスを食べ終わり、俺はココア、叶はコーヒーを飲みながらしゃべる。
『今日さ、バレンタインなんだよ葛葉』
「あー。そいえばそうだな・・」
俺はどぎまぎしながらなぜかしらばっくれてしまった。
・・しまった、完全に渡すタイミング逃した・・
そんな俺の焦りにも気づかず叶は続ける。
『1回デパートのバレンタインフェアみたいなの行ってみたいんだよね~チョコに囲まれて幸せなんだろうなー』
「あー。甘そうだな。」
『ふふ、でも葛葉甘いの好きじゃん』
「まぁ、たしかに」
『今日帰りに寄ってきたらよかった、今日バレンタイン当日だし、たぶん今日までだったよね~・・』
しまったなぁと眉をひそめてコーヒーを飲む叶。
がたっと俺は席を立つ。
『葛葉?トイレ?』
そういう叶を背に俺はソファへ向かい、先ほどの袋を手に取る。
そしで無言で叶の前に袋を差し出す。
『・・葛葉?どうしたの?』
「・・やる。」
叶はおもしろいくらい目を丸くしておずおずと灰色の袋を受け取る。
反応的に叶はまだこれがなにかわかっていないようだ。
袋をあけ、俺が選んだ箱を取り出す。
『これって・・・チョコ?!?!』
わかりやすく満面の笑みになりながら箱のリボンを外す叶。
俺はなんだか恥ずかしくて何も言わずにただ叶の手元を見つめていた。
『えぇ~!!!!!ネコだ!!葛葉、かわいすぎて食べれないよ・・ありがとう葛葉、ありがとう!!』
子どものようにはしゃぐ叶を見て俺も安堵する。
「・・すげー混んでた」
『わざわざ買いに行ってくれたの?葛葉・・ありがとう。この箱も僕好みだよ、すごく色がいい。』
「・・知ってる、だから選んだ」
叶は突然立ち上がり俺を抱きしめる。びっくりしたが俺はそのまま抵抗せずされるがまま抱きつかれていた。
『葛葉?抵抗しないの?』
「・・抵抗したってやめないだろ」
『・・へぇ、よくわかってるじゃん』
あ、まずい。叶の変なスイッチが入ってしまったようだ。
ドサッ
そう思っているとすぐにソファに押し倒される。
突然のことにあっけにとられていると、叶は一度テーブルに戻り箱をあけて中のチョコを1つ手に取りこちらに戻ってくる。
『葛葉、チョコ食べてもいい?』
「・・なんだよ急に・・別にどーぞ」
俺がそう言うか言わないかのところで叶は俺の口に持っていたチョコを押し付けさらにキスをしてくる。
「んんっ?!」
『・・一緒に食べよ、葛葉。』
にやっと笑うとさらに深いキスをしてくる叶。
尋常じゃない力で俺の両手をおさえて何度も何度もキスを繰り返す。
「んっ・・んんっ、、かなえっ、、苦しっ・・」
『やめないよ?』
腕をおさえる力を一切弱めずに口も離さない。俺は息が続かなくなって叶の腕をなんとかふりほどき、叶の胸をたたく。
そこまでしてやっと俺を離す叶。
「かなえっ・・!なんだよ、どうしたんだよ、お前」
いつもと様子のちがう叶に俺は若干の恐怖すら感じてうろたえる。
叶は何も言わずに片手で俺の両手を押さえつけ、今度は耳元でささやく。
『・・ねぇ。もっとしていい?』
「っ?!」
耳元でささやかれゾクッと鳥肌が立つのがわかる。叶はそのまま俺をひょいっと持ち上げた。
いわゆるお姫様抱っこだ。
「なにすんっ・・?!」
暴れようとする俺を下ろさずにまたキスをする叶。
『暴れないで?落としちゃうよ?』
そういわれ、つい大人しくなってしまう。
寝室に移動しベッドに優しく俺を下ろすと叶はまた耳元でささやいた。
『・・チョコのお礼、たくさんするね、葛葉』
あやしく微笑みながら俺の上に乗る叶。
・・あー。終わった・・
俺はそう思いながらも叶の首に手をまわし、首元に噛みつく。
『っ!・・葛葉、そこは見えるって』
俺はなにも言わずに叶を下から見上げる。
『・・誘ってんの?葛葉、覚悟してね』
その一言を最後に俺の視界は叶でふさがれた。
おしまい