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🦊→できおこさん、🥤→うみにゃさん です
ーー
🥤「ふぁ〜。ねむ…」
俺はうみにゃ、高校2年。最近学校がだるくて仕方がない。もうHRが始まる時間だ。
先生「静かにー。今日からうちのクラスに転校生が来るから紹介するぞー」
🥤(転校生?珍し)
先生「おーい。入ってくれ」
ガラッ
教室の扉が開く。入ってきたのは茶髪に少しパーマがかかった、優しそうな顔立ちの男子。
転校生の男子は、黒板に綺麗な字で名前を書いて自己紹介をする。
🦊「東京の学校から来ました。できおこと言います。今日からこの学校でお世話になります」
🥤(…できおこ?)
名前を聞いてびっくりした。だって、昔沢山遊んだ幼なじみの名前だったから。中学の時に引っ越したアイツの名前。
先生「できおこの席は…窓際の1番後ろだ」
🦊「わかりました」
そう言ってできおこは自分の席に座る。
🥤(席、離れちゃったな…)
正直な所、本当に幼なじみのできおこなのか凄く気になる。
すると、前の席の女子たちが話しているのが聞こえた。聞き耳を立てていたわけではない。決して。
「できおこくんさ、ヤバいよね〜!カッコいい!」
「しかも東京から来たんでしょ!?いいなー!」
東京からの転校生という情報も相まって、みんな興味津々のようだ。
先生「できおこも席に着いたことだし、HR始めるぞー」
ーー
(チャイム)
HRの終わりの合図がなると同時に、できおこの周りに人だかりができた。
できおこはというと、やはりというか質問攻めにされていた。
🦊「質問してくれるのは嬉しいんだけど、一人ずつでお願い!流石に同時には答えられないから笑」
🥤「人だかりがすごい…」
こりゃあしばらくは声をかけれそうにない。
ーー放課後
日が傾いてきた。今日は部活が休みになったので、俺は沢山出た課題をやっている。
🥤「ふわぁ…疲れた。やっと課題終わったよ〜。先生課題出しすぎだろ…」
🥤(結局今日はできおこに話しかけれなかったな)
彼が気になるところではあるが、あの調子だとしばらくお預けになりそうだ。
なんて考えていた矢先。
ガラッ。教室のドアが開いた音がした。
🦊「ふう、やっと教室に戻って来れた…って、あれ」
🥤「…どうも」
🥤(今かよ〜!!誰もいないって!)
声では平静を装っているつもりだが、めちゃくちゃ焦っている。
🥤「あ、俺の名前は、」
🦊「…うみにゃ」
🦊「うみにゃだよね?」
🥤「あー…やっぱ気づいてた?…できおこ」
🦊「久しぶり。俺が引っ越して以来だよね」
🥤「そうだね笑できおこ、めっちゃ背伸びたじゃん」
🦊「自分でもびっくりしてる笑」
🦊「うみにゃはあんまり変わってないね」
🥤「そうなんだよー、全然伸びない!」
🦊ボソッ「あの頃の可愛いうみにゃのまんまだ」
🥤「ん?なんか言った?」
🦊「な、何でもない!」
🦊「で、でさ、最近どう?」
🥤「どう?ってなんだよ笑」
🥤「まあ、ぼちぼちかな。楽しいよ」
🥤「そっちこそどうだった?」
🦊「俺は昔のほうが楽しかったかな」
🥤「え、そうなの?東京楽しそうだけど」
🦊「だって、うみにゃがいないもん」
🥤「…え、それが理由なの?笑」
🥤(…びっくり、した)
自分がいるから楽しい、と言われて嬉しくないはずがない。
ないんだが、自分ができおこの中でそれ程大きい存在になっていたとは知らなかった。もう何年も会っていないのに。
🦊「…うみにゃ?どうしたの?」
🥤「!あ、ごめん。ボーッとしちゃってた」
🦊「ううん、大丈夫。」
🦊「…ねぇ、うみにゃ」
🥤「ん?なに?」
🦊「俺のこと覚えてた…?」
🥤「勿論!できおこは俺のこと覚えててくれたんだね、嬉しいなあ」
🦊「そりゃ、勿論。だって、俺、うみにゃのこと、」
キーンコーンカーンコーン…
下校時刻のチャイムが鳴った。窓の外を見ると、もう日が暮れそうだった。
🥤「あ、チャイム鳴っちゃった。ごめん、今何て言った?チャイムで聞こえなくてさ」
🦊「んーん、何でもない」
🥤「そう?ならいいけど…」
🦊(危なかった…言っちゃう所だった)
🥤「できおこ、折角だし一緒に帰ろ?」
🦊「え、?」
🥤「…だ、だめだった?」
🦊「全然?一緒に帰ろ!」
🥤「なら早く勉強道具片付けないと!ちょっと待ってて」
🦊「うん」
ーー下駄箱
🥤「できおこ!こっちこっち」
🦊「裏門から帰れるんだ、いい事知れたな」
🥤「でしょ?できおこに教えたかったんだ」
🦊「そうだったの?ありがと」
🥤「へへ、どういたしまして」
🥤「じゃあ帰ろう!二人で一緒に帰るの久しぶりだね」
🦊「そうだね、昔が懐かしいや」
夕暮れに、二つの影が落ちる。
これは、二人の男子高校生が送る、過去への決別と餞の物語。