家に着いて軽く掃除を済ませるとピンポーンとインターホンの音があった。カメラを見ると帽子を被りマスクをつけた涼太が佇んでいた。ドアを開けると、冬だからか耳と手を真っ赤にさせ何かを持っているのが確認出来た。
「こんばんは。…いきなり来てごめんね。」
「いや、大丈夫。…とりあえず上がれば。」
「…うん、お邪魔します。」
と涼太は脱いだ靴を揃え上がってきた。リビングに着くと持っていた荷物をテーブルに置いた。
「翔太ご飯食べた?」
「いや、まだ食ってねぇけど…」
「ならよかった。…作ったから一緒に食べよう。」
「…え?」
「嫌…だった?」
「嫌とかじゃねぇよ。びっくりしただけ。」
「…そっか。」
そう言って涼太はテーブルに置いた荷物の中からタッパーをいくつか取り出した。それを電子レンジで温めて2人で食べる。食事中お互いに会話はなかったが、苦痛ではない空間だった。
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