「私、今月誕生日なの!」
放課後、私は堂々と宣言した。
「へっ?」
「私、来週誕生日なの!」
「二度もアピールしなくていいから!」
「まさか、誕生日を移動させる裏技を使ったわけではないな?」
「どうやったら変えられるか教えて欲しいよ……」
「古(いにしえ)では、いや、今でも一部ではあるが、誕生日と本名というのは」
「長くなるから、ここカットで」
「なにっ! 学(まなぶ)の分際で!」
「学の分際で!」
「鈴乃(すずの)も乗らなくていいから」
「で、いつなんだ?」
「23日。勤労感謝の日だよ」
「えーっと23日、23日……」
鈴乃ちゃんは手帳を取り出して、開く。
「うしっ、おっけー。23日は17時にウチに集合」
「御意!」
「なんだよ、それ、勝手に――」
「お祝いしてくれるの!?」
「そのつもりで言ったんでしょ?」
「まぁね! 鈴乃ちゃん大好き!!」 ******
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