TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

不穏系

一覧ページ

「不穏系」のメインビジュアル

不穏系

19 - オーバードーズ(後編)

♥

90

2025年06月23日

シェアするシェアする
報告する

INTPside

目を覚ますと外は暗かった。赤い線が引かれてたはずの手首には包帯が巻かれ机に乱雑に置かれてた薬は綺麗に無くなっていた。

「ッ頭痛い……」

さっきまで薬の過剰摂取をしていたため頭が割れそうなくらい痛かった。さっきまで暗くて気づかなかったがベットの横で椅子に座って寝ているENTPがいた。

ENTP「……ん、INTP起きた?大丈夫?」

いつになく優しいあいつに驚いた。それほどまで俺のことを心配してくれてたのか、でもなんの意味があるのか、裏があるのか色々考えてしまった。

「ん、平気」

ENTP「嘘つけ、頭痛いんだろ?」

「……」

ENTP「はぁ、ちょっとベット乗るけど動くなよ。」

そういうとENTPは俺の足の上に乗ってきて頭を自身の胸に押し当てた。

「何すんだよ……」

口ではこう言ってるが振りほどきたくなかった。これすんごい落ち着く、頭痛も心做しか和らいでる気がするし。一定のリズムで撫でられてるからか?まぁとにかく凄い安心した。

ENTP「どう?頭痛収まった?」

ENTPは顔色が良くなってきた俺を見て離れようとした。

「まって、もう少し、このまま、離れないで、このままねて、」

振り絞って出した声は震えていた。こんなに弱かったんだと自分で自覚せざるを得ないくらいには


ENTP「わかった。でもこの体制じゃ起きた時に身体痛いから横になろ?俺も隣にいるから」

そう言って隣に座って横になると俺の頭を包み込むように首の後ろに手を回してくれた。ここ最近で一番よく寝れそうだなって思った。





起きたら隣にENTPはいなかった。その代わりリビングの方からいい匂いがした。

ENTP「あ、起きた?丁度飯できたから食べよ。」

「ありがと、いただきます。」

そこには美味しそうな朝ごはんが置かれてた。日付を見ると今日は月曜日。

「あれ、学校は?」

ENTP「サボった」

「はぁ?」

ENTP「だって授業聞かなくても教科書見ればわかるし、学校よりこっちの方が優先順位高いだろ?」

全然理解ができなかった。この生活を辞めるまでほんとに干渉し続けるのか…いやこいつはマジでやる気だ、そう感じた。

ENTP「INTPは学校行かないの?」

「元々行ってなかったし勉強なら家でもできるから…。」

ENTP「まじ?すご笑」


ENTPとたわいもない会話をして朝食を食べ終わった。時刻は午前10時、やることがなくて暇だななんて考えているとENTPが口を開いた。

ENTP「暑いしアイス買いに行かね?笑」

確かに暑いしアイスは買いだめしといて損は無い。そう思った俺は一言返事をして財布を持って玄関に向かった。既にENTPは玄関にいた。


扉を開けると太陽の光が眩しかった。いつも外を出るのは夕方とか夜だったから久しぶりに日光を浴びたような気がする

ENTP「…薬は買わないからな」

「わかってるっつーの、買おうとしてもどーせ止めるだろ」

ENTP「よくわかってるじゃん笑」


…ほんとに薬を買わせて貰えなかった。アイスとそれからおかずやら色々買って帰った、こいつは俺ん家に住む気なのかなんて考えてた。

「ENTPいつ帰んの?」

ENTP「お前の自傷癖が治るまでいるよ。俺もともと一人暮らしだし、」

一人の時間がないと知った絶望感は半端なかった。でも少しずつ変われてる気もした。

「じゃあ薬とかENTPの管理できるところに置くから毎日2時間は一人の時間頂戴」

ENTP「しゃーなしな」

一人の時間は確保できたからいいか、なんて考えてたら家に着いた。


「疲れた…もう動きたくない」

ENTP「おいおい笑しっかりしろよ笑まぁ、俺今から夕飯作るからそれまで好きなことしてて」

そう言ってENTPはキッチンに向かった。




こんな生活を続けているとこいつは優しいこと、色々人を見てること、気遣いができること…それからまぁ色々なENTPを知った。…たまに俺が寝たあと俺のためにやれてんのか不安になって泣いてる時もあるということも。

「お前のおかげでだいぶ救われたっつーの笑」

ENTP「なんか言った?」

「別に」

俺はENTPに聞こえないくらいの大きさでボソッと呟いた。




ENTPside

徐々に自傷癖が治りつつある。このまま行けば治るか…?なんて思っていたらINTPの部屋から鼻につく嫌な匂いがした。俺はこれがなんの匂いが知っている。


「どーしたの。」

俺は刺激しないのようにできるだけ優しく話しかける。

INTP「わかんない。なんか気づいたらやってた、久しぶりだから痛い」

手首から血を流しているのに何ともなさそうに返事をする。

INTP「ねぇ、ENTP。俺ENTPが帰る日が近づいてると思うとさ嫌になってきて、今日もそんなこと考えてたら手が勝手に動いてたんだよ。責任とってくれる?」

「…」

俺は何も言えなかった。だって自傷癖を治すまで一緒にいるつもりだったし、それが終わったら元の生活に戻ると思ってた。俺は助けるために、INTPのためにやってたはずなのに、俺がこんな風に変えてしまったのか…?

INTP「ENTPがずっと一緒に居てくれないなら知らないところで死ぬからいいよ。」

「んな事すんなよ…わかったから、ここに住むから…」

俺はどこで間違えてしまったのか…

INTP「これからもよろしくね♡」















あとがき


遅くなりすみません

今回はINTPからしたらハッピーエンド、ENTPからしたらバットエンドですかね。INTPの自傷癖を治すために一緒に生活してたがそれがINTPにとって心地よかったんでしょうね、

ENTPはTの中で最もFに近いタイプINTPはTの中で最もTに近いタイプということを知って今回のストーリーのようになりました。IかEかの違いなのにここまで違うんですね…

慰めると言うよりなんだろうINTPが徐々にENTPに依存するような話になったので思ってたのと違う…ってなったらすみません



初期案でINTPは薬キメたあとリスカじゃなくて注射器で血液抜いてる設定にしてそれを保存して顕微鏡で観察するとかいうもっと頭おかしい設定にしようか考えたんですけど、流石にグロいかって思ったので没になりました。




御二方リクエストありがとうございました

これで一通りTP型は書いたと思います。TP型が書いてて一番書きやすいと思ったので今まで通りTPメインの他ちらほらという形で投稿していこうかなと思っています。

リクエストも是非お願いします

かなり長くなりましたがここまで読んでくださりありがとうございました。また次作で〜


loading

この作品はいかがでしたか?

90

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚