二口の様子がおかしいと思い始めたのはいつからだっただろうか。気づいたらおかしいと思う点は多かったように思う。前まで俺達と一緒に着替えていたのにコソコソ1人で着替えてたり、笑顔も減った。ぎこちない笑顔にどんどん変わっていった。訳を聞こうとと思ったが、二口の性格上話してくれるはずもないだろう。
鎌「最近二口様子変じゃね?」
笹「かまちもそう思うか?なんか元気ねぇべ」
茂「2人とも気づいてたんだ。俺も気になってたんだよね。二口に聞いてみようと思ったんだけど…」
鎌「あいつの性格上話してくれる訳ねぇべ!!」
茂「だよねー(苦笑)」
笹「青根とかに聞いたら最近昼もあんま食ってないみたいだぞ。教室に居ない日もあるんだとか。」
茂「え?」
鎌「やっぱあいつ絶対なんかあるべよ」
笹「下手に心配かけたくないんだろうな〜でも!」
茂「うん、俺達そんな優しくないみたいだね。探りを入れてみよ!」
それから二口の様子をこっそり見る機会が増えた。見れば見るほど様子がおかしい。悲しそうな苦しそうな表情をしているし、朝は持っていた筈のタオルを忘れたと言っていたり。
笹「茂庭、かまち!俺やべぇもん見たかも!」
茂 鎌「やべぇもん?」
笹「二口の背中とか腕。服で着てたら普通は見えない所に痣あるんだよ。」
茂「痣?なんでそんな所に」
鎌「喧嘩か?!」
とかまちが腕を捲りながら受けて立つぞ!と張り切っている。何を言っているんだかと呆れてしまう。喧嘩沙汰なんて運動部員からしたら馬鹿な話だ。大会を棄権になってしまう事だって珍しくない。それは二口も分かりきっているだろう。
茂「何言ってんの?そんな訳」
笹「いや、それがあり得るんだよ。」
茂「は?!」
笹「ただ喧嘩って言うと言い方違うかもな。」
鎌「どーゆー事だよ。ささやん」
茂「もしかして、いじめ?」
笹「の可能性があるってだけな。それは二口に聞かねぇと!」
茂「まさか、そんな事って…」
でもあいつの最近の様子、体に痣。思い当たる節も多い。でもまさかいじめなんて。あいつは生意気だが、人当たりが良いはず。
鎌「いじめなんて許せねぇ!!」
笹「まだ仮説だっての!!」
茂「もっと二口を重視してみよ。もしかしたら現場目撃が出来るかも。皆にも声かけてみる。人手はあった方が見つけやすい。」
その俺の意見について2人は同意を示してくれた。それから二口に決してバレないように作並、吹上、黄金(あまり騒ぐといけないからあまり詳しくは教えていない)青根、女川、小原に声をかけると皆最近の二口の様子を気にしていたらしく快く承諾してくれた。
それから数日後の事だった。事件と二口の隠していた事情が明らかになったのは。
その日は、体育館の点検で午後練が中止になったので3年は受験生らしく教室に残って勉強をしていた。分からない所を教え合って答え合わせをしながらやっていると作並から電話がかかってきた。珍しいなと思いつつ電話に出ると、その声はとても焦っていてとても怯えていた。
茂「もしm」
作「茂庭さん!どうしよっ、僕…助けて下さい!」
茂「どうした?!一旦落ち着け?」
2人とも俺の声に只事ではないと思ったのか、こちらの反応を伺っていた。すると一緒に居たであろう吹上に電話が変わった。
吹「茂庭先輩、吹上です。今、体育館近くの空き教室の近いに居て…!」
作「黄金川くん!待って!気持ちは分かるけど茂庭さん達待とう?」
黄「だって…!!
状況は分からないけれど、今一年が全員一緒に居て、いつも冷静な吹上の焦り、作並の恐怖、黄金の怒り。非常な事態なのは手に取るように分かる。でもここで俺まで焦ったら相手をもっと不安にさせてしまうのは分かる。俺だって先輩だ。
茂「吹上、落ち着いて。大丈夫だよ。何があったか教えてくれる?」
吹「はい、体育館近くの空き教室で二口先輩が、殴っ、殴られてて…」
茂「っ!!すぐ行く。そこで待ってて」
吹「っはい」
電話を切り、2人に目線を向けると2人とも分かったのか頷き体育館近くの空き教室を目指す。その間に青根や小原、女川にも連絡を取った。幸いな事に皆学校に残っていた。
空き教室近くに行くと青ざめた顔で俺達を待っている1年生がいた。
作「っ茂庭さん!」
茂「お待たせ、二口は?」
吹「ここの教室…」
指さす教室に耳を澄ますと確かに二口達の声が聞こえる。
二「っ!ゲホっ!!」
なんてことをしているんだ。俺達の大事な仲間に。怒りが込み上げる。皆も同じなようで俺達は教室の扉を開いた。
茂「何やってんだ!!」
モブ「「やっべ!!」」
俺達が入ってきたのを見たらチッという感じですその場を去った。かまちが追いかけようとしていたが今はそうではないと止めると少し不服そうにしていた。
茂「大丈夫?な訳ないか。作並救急箱。」
作「っはい!」
手当てをしながらみんななんで言ってくれないんだとか痛そうと頼ってくれなかった事について聞くと二口は俯いたままぼそっと呟いた。
二「…ないじゃん」
茂「へ?」
二「言える訳ないじゃん!!だってそんなことしたらみんなまで…!」
そう言うともうこの件には関わるなと二口は教室を後にした。俺達はただ呆然とするしかなかった。
遅くなって本当にすいません😱制裁編描こうか迷ってるんですけど、需要ありますかね💦皆様の暖かいコメントと読ませて頂いております♪いつもありがとう!
コメント
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どうなるんだろう、、、続き待ってます