テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第9話_スタート…
「はい、すち! 焼きたてのフレンチトーストだぞ。冷めないうちに……」
なつがホカホカのお皿を持ってキッチンから戻ってくると、ダイニングテーブルでは不思議な光景が広がっていた。
らん、いるま、こさめ、みことの4人が、息を殺して一点を見つめている。
「……しーっ! なっちゃん、静かに!」
こさめが口元に指を当てて、必死にジェスチャーを送る。
なつが視線を落とすと、そこにはフォークを握ったまま、コクコクと船を漕いでいるすちの姿が。
そして次の瞬間、すちの頭がふら~っと揺れて、隣に座っていたらんの肩に、こてん、と綺麗に乗っかった。
「「「「「…………(尊い)」」」」」
全員、心の中で叫んだ。
すちの規則正しい小さな寝息が、静かなリビングに響く。
朝の光に照らされて、少し開いた唇と、ふわふわの髪がキラキラ輝いていて、まさに地上に降りた天使そのもの。
「……おい、これ……どうする。起こせねぇだろ、こんなの」
いるまが、撮影したばかりの写真を大事そうに保存しながら小声で呟く。
「起こすわけないじゃん。……らんらん、肩、絶対動かさないでよ?」
みことが低い声で(でも優しく)プレッシャーをかける。
「わかってるよ……。あー、もう、飯食わなくていいから一生このままでいたい……」
らんは幸せを噛みしめながら、肩に乗ったすちの重みを感じて、彫像のように動かなくなる。
「フレンチトースト、温め直せるようにしとくわ……。俺、すちが起きたらすぐ食べられるように、スープの温度も完璧にキープしとく」
なつがガッツポーズでキッチンへ戻り、
こさめは「すちくんの寝顔100枚撮るまで終われない!」とシャッターを切り続けて……。
次回♥️300💬1
5000↑いいねありがとうございますっ!
yae

1,431
コメント
3件
行けないけど非常にその場面を眺めたいです