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様々な文化が入り乱れた街、バーチャル横浜。

昼の賑わいもさる事ながら、夜も人工の光と喧騒に包まれている。

そんな街で、路地裏を歩く男が三人。

一人は明るい茶髪に和のような服を着た男。

その後ろを歩くのは、深い緑の髪と色つきメガネをした少し怪しそうな男。

その隣にいるのは透けてしまいそうな淡紫の髪に美しいジャケットを纏った男。

彼らは今日も、暗闇に溶け込んでいく。


「…ん!?」

何かに頬を叩かれて目を覚ます。

今は…22時。

頬を叩いた正体は、師匠の式神だ。

「何なに…」

式神はいつものように紙を見せてくる。

「えっと…昨日の場所から二本東、三本南。そんなに強くないよ…って…はぁ…」

分かってた。いつも通りの呪物の回収命令だ。

本当に弟子遣いが荒い…

まあ、強くないならあいつらの助けは…いや、念の為メッセージだけ送っておこう。

『今から任務いってくる!』

『強くないって師匠言ってるから1人で大丈夫!』

「よし!」

上着を羽織って外へ出る。

「いってきます!」

そうしておれ、北見遊征は夜の闇へ走り出した。


「ほな、おおきに〜」

飛び入りで入ってきた客の相手を終え、見送りをする。

「…さて。今日はもう店じまいかな。」

独りつぶやき、人差し指に引っかけた鍵束をくるっと回す。

すると、カウンターに置いてあったスマートフォンが光った。

「…ん?今光ったと?」

見れば、友人からグループチャットに連絡が来ていた。

これから一人で任務に行く、とのこと。

以前、彼が任務中気を失った事があったから、それ以降、任務に行く際は連絡しろと言っておいた。

それを守ってくれてるのはいいが…

「どこに行くか教えてくれんと、万一の時助けに行けんやろが。」

そうつぶやき、『いってらっしゃい』と送る。

「…何かあった時のために仮眠しとくか。」

相棒の頭を撫で、僕、魁星は目を閉じて闇に沈んだ。


「では、行ってくる。」

「いってらっしゃいませ、旦那様、奥様。」

商談のため夜会へ向かう旦那様ご夫婦と執事長である養父を見送る。

目の前の重厚な扉が閉まったのを見届け、笑顔を崩した。

「あとは、屋敷内の窓の施錠と、敷地内の見回りと…」

本日することを頭の中でリストアップしながら屋敷内を歩いていると、離れの自分の部屋の窓枠にカラスが一匹、足をかけているのが見えた。

「何だ…?」

残念ながら、オレにはカラスと仲良くする優しさも、伝書鳩のようにカラスを遣ってやり取りする相手もいない。

怪しく思っていると、カラスは一瞬こちらを見ると、羽を広げ飛び立って行った。

「何だったんだ?後で部屋の中を確認しなきゃな。」

嫌な予感が胸をよぎったが、今はお仕事中。執事長である養父がいない今、屋敷の管理責任はオレにある。

坊っちゃまとお嬢様がお休みになっているうちに、仕事を終わらせてしまおう。

そう決めたオレ、榊ネスは最低限の明かりがついた薄暗い屋敷内を歩き出した。

ネオン街に影あり

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