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のりもちさん
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朝の光がカーテン越しにやわらかく差し込む。
勇人はゆっくり目を開けた。
昨夜、仁人の歌声に包まれて眠ったせいか、
体の奥まで軽くなっている。
胸の張りつめていたものがすっかりほどけて、
久しぶりに「よく寝た」と思える朝だった。
隣を見ると、仁人が静かに眠っている。
寝顔は子どもみたいに穏やかで、
勇人は思わず笑ってしまう。
十年以上一緒にいるのに、
こうして隣で眠る仁人を見ると、
胸の奥がじんわり温かくなる。
勇人はそっと身を寄せた。
仁人の肩に額を軽く触れさせる。
それはキスというより、
「起きて」の合図のような、
甘くて静かな触れ方。
仁人がゆっくりまぶたを開ける。
「……勇人?」
寝起きの声が少し掠れていて、
勇人はその響きが妙に愛しく感じた。
「おはよう」
勇人は小さく笑う。
声がいつもより柔らかい。
昨夜の疲れがすっかり抜けて、
仁人に向ける表情も自然と甘くなる。
仁人はまだ半分眠っていて、
勇人の肩に額を預けるように寄ってくる。
その距離が近すぎて、
普通のメンバー同士ならありえないはずなのに、
二人にとっては当たり前の距離だった。
「昨日、ありがとな」
勇人が低く、静かに言う。
感謝というより、
甘えに近い響き。
仁人は照れたように笑う。
「復活したならよかった」
勇人は仁人の髪を軽く撫でる。
まるで恋人のような仕草。
十年以上積み上げてきた信頼と関係性がそうさせる。
仁人は勇人の胸に額を押しつけるように寄って、
「もう無理しないでよ」と小さく言う。
その声があまりにも優しくて、
勇人は思わず笑ってしまう。
「仁人がいると、無理できなくなるんだよ」
冗談みたいに言うけれど、
本音だった。
仁人は勇人の腕を軽くつつく。
「それでいいじゃん」
二人はしばらく、
言葉もなく寄り添ったまま朝を迎える。
恋人ではない。
でも、恋人以上に互いを理解していて、
互いの弱さを許し合っている。
その関係には名前がつかない。
ただ、
“唯一無二の居場所”
という言葉だけが、
二人の距離を正しく表していた。
コメント
1件
読了しました。朝の光や寝起きの声の描写が柔らかくて、隣で眠る仁人さんを見る勇人さんの視線がすごく愛おしい…。「もう無理しないでよ」に「仁人がいると、無理できなくなるんだよ」って返すの、本音出てるじゃん…ってニヤニヤしちゃった。恋人じゃないけど恋人以上、名前のつかない関係という言葉が刺さる。「唯一無二の居場所」がタイトルのour placeと重なってじわじわ来ました。素敵な朝をありがとうございます☀️