テラーノベル
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恐らく最後になる連載です。
本当は支部で一括投稿のつもりだったけど長すぎたのでこっちで連載にします。
完成したら支部にも上げる予定。
多分この連載と合作一個、読み切り数個で投稿は終わるかも…?
分かんないですけどね。投稿頻度から察してください🙄
注意
irxs様のお名前をお借りしておりますが、ご本人様には一切関係ございません。
拡散行為はおやめください。
nmmn、二次創作という単語に覚えがない方がブラウザバックをお願いします。
irxs様よりマフィアパロ
青桃メイン、水白サブ
連載中では全員出ます
中途半端なところで終わっちゃってます、申し訳ない💦
🍣side
…ここ数日で、睡眠を取ったのはいつだったか。
欠伸を噛み殺しながらそんなことを考える。
本部からの依頼である、とある組織の監視任務の真っ最中。
監視対象の組織のアジトがある場所から少し離れたビルの屋上。
そこで双眼鏡を覗き込みながら目を擦る。
🐤「ないくん、眠そうだね。今ならないくんに勝てそう。」
隣で身を潜めていたりうらが楽しそうに笑う。
俺が寝不足で死にかけているのがどうも嬉しいようで。
いつもならこの小悪魔的な笑みに苦笑いで返すところだが、生憎今はそんな元気どこにもない。
🍣「ほんと…ブラックすぎん?前まともに寝たのいつだっけ。」
🐇「4日前とかちゃう?ほら、例の薬物売り捌いてたとこを壊滅させた日。」
🍣「…ああ、そんなこともあった気がする。」
通信機越しに聞こえてきた初兎ちゃんの声がどこかぼんやりしているような。
これは流石にやばい、とその場に少し横になる。
🍣「俺ちょっと仮眠とるから、りうら見張りよろしく。」
🐤「はぁ…?俺ないくんの様子ちょっと見に来ただけだし。この後任務もあるんですけど。」
何かりうらが言っているような気もするが、少しくらい休ませて欲しい。
ここ数日任務続きで、睡眠どころかまともに拠点に帰ることすら出来ていないんだ。
少しくらい許せ。
それにこんな状態じゃまともに銃を握ることすら出来ないし。
そんな言い訳を頭の隅に置いて、俺の意識は沈んでいった。
🐤side
🐤「…寝ちゃったよ、ないくん。」
この人も任務の真っ最中なのに、なんて小さくため息を吐く。
今の任務は、一般人を殺して臓器売買をしているとされている組織の監視、兼、情報収集。
俺達マフィアの抗争の中で捕らえられた裏社会の人間は、臓器提供者として殺される時もある。
…勿論違法だが、それが暗黙の了解。
裏社会で暮らす中で受け入れていかねばならないルールだ。
ただ、一般人…表社会で生きる人たちを殺す事はタブーだ。
それを利用しての臓器売買なんてもってのほか。
問答無用で粛清対象になる。
…ただ、それを裁く事は表社会の司法では出来ない。
自分が殺されるリスクがあるからだ。
だから、俺たちに依頼が回ってくる。
俺たちが所属している組織は、まあ裏社会の管理者みたいなものだ。
表社会で裁けない悪は、俺らが裁く。
被害者や遺族が無念を晴らすため、表社会での地位を捨てる覚悟で俺らに依頼をしに来る。
それをなるべく叶えるのが俺たちの仕事だ。
…とは言っても、証拠不十分なのにも関わらず組織を潰したとなれば、俺たちの組織全体の名に傷が入る。
その組織が臓器売買を行っているという証拠探し…つまり潜伏と監視が、ないくんをリーダーとする俺らのグループに回ってきた任務内容だ。
…で、そんな大変な任務を俺らに相談無しに引き受けたのがないくんってわけ。
🐤「ここ最近、そんな大変な任務ばっかり。証拠を見つけるためにはアジトに潜入しないといけないし、それ以外の時も怪しい動きがないかアジトの近くから見張らないといけない。」
🐤「見つかる危険性が高いのに…見つかったら生きてなんて帰れないのに。なんでないくんにばっかこんな…」
そう小さく呟けば、俺の声を拾った初兎ちゃんが吐き捨てるように応える。
🐇「…若く才能に恵まれていて、さらにお人好し。そんな人材、組織が利用せんわけないやん?どうせ今回の任務も、俺らを守るためにないちゃんが引き受けることを読んでの上からの指令やろ。」
🐤「そう、だよね。」
史上最年少にして組織の幹部にまで成り上がったうちのリーダー。
俺ら2人のことを第一に、仕事を第二に。…自分の身体のことなんて顧みずに突き進んじゃうタイプ。
生きることに執着してる素振りを見せない、そんな感じ。
🐤「もっと自分のことを考えて欲しいんだけど。」
🐇「…恋でもしたら変わるんちゃう?生きたがりになるかもしれんで。」
冗談っぽく放たれた言葉をぼんやりと聞く。
…これまで全然、ないくんの色恋沙汰なんて聞いてこなかったけど。この人のタイプはどんな人なのか、少し気になってしまった。
手綱を握ってくれるタイプ?それとも自分と同じペースで着いてきてくれる人?…ちゃんと支えてくれる人?
🐤「…でも作らないよ、この人は。そんな普通の恋愛なんてしないだろうし。」
🐤「ないくんが恋に落ちるなら、よっぽど変な出会いじゃないとね。」
隣に横たわる無防備な寝顔を見ながら、そう呟いた。
🍣 side.
ふわふわと漂っていた意識が戻ってくる感覚がする。
🍣「……はぁ…」
🐤「…あ、ないくん。起きた?」
ライフル銃の手入れをしていたらしいりうらがこちらを見やる。
🍣「起きた、というか。寝てた感覚もないんだけどね。」
🐤「…ふは、重症じゃん。」
そう言い、りうらはライフルを仕舞って立ち上がった。
🐤「さて、ないくんもお目覚めだし。俺もう行くね?」
🍣「え、どこに?」
🐤「狙撃だよ。最近勢力伸ばしてるマフィアグループがあるらしくてさ。」
🍣「ああ…あそこのグループか。ボスさえ撃っちゃえば統制失いそうだもんね。」
🐤「そーそー。だからパパッと終わらせようかなぁって。」
🍣「そっか。じゃあ行ってらっしゃい。俺もここで見張り続けるよ。」
そう言って笑って手を振れば、りうらはビルの屋上から飛び降りていった。
🍣「…ほんっと、体力有り余ってるよなぁ。」
少し苦笑いをして独りごつ。
🐇「ないちゃんは疲れすぎやねん。そろそろ休みぃや。」
通信機越しでも伝わってくる、初兎ちゃんの呆れた顔。
そろそろ本気で怒られそうだなぁ。次帰ったら多分風呂にぶち込まれて激痛マッサージコースだろうな。
なんて考えながら適当にあしらう。
🍣「まあこの任務が終わったらね。そのうちね、そのうち。」
🐇「まじほんま、次帰ってきたら覚えとけよないちゃん。」
どんどん声のトーンが下がっていく初兎ちゃんに少し震えつつ、目線だけはターゲットのアジトに向けておく。
🐇「大体ないちゃんさぁ、僕らのグループの情報収集担当は僕やねんで?なんでないちゃんがその任務やっとるんよ。」
🍣「…だって初兎ちゃんより俺の方が実戦経験詰んでるし。」
🐇「今回のそれは潜伏と監視だけやから戦闘はないと思うんやけど。」
🍣「万が一って時もあるじゃん?」
🐇「……はぁ。」
諦めたような溜息が聞こえてくる。
少しの沈黙の後、ポツリと初兎ちゃんがつぶやいた。
🐇「ほんまに、僕らの気持ちをなんも分かってないんやな…ないちゃんは。」
苦しそうなその声に少しの罪悪感を覚えながらも、心の中で言い訳をする。
だって俺がリーダーだから。
コイツらより年上だから。
俺よりも未来ある命を蔑ろにしてたまるか。
何がなんでも守ってやる。
この2人とチームを組んだ時から固く決めている事。
身勝手に指示だけを飛ばす、偉そうなアイツら…組織の上層部から絶対に守ること。
それだけは何を言われても譲る気はない。
…そんなことを考えていた時。
🍣「…ん…?」
目の前、監視をしている廃ビル…臓器売買人達のアジトの入り口。
先程まで誰もいなかったその場所に、一つの人影が佇んでいる。
🐇「…ないちゃん?どうしたん?」
俺の声を不審に思ったのか、初兎ちゃんが尋ねてくる。
🍣「いや、今アジトの入り口に人影が…」
🐇「…嘘やろ?定点カメラには誰も映っとらんで?」
🍣「定点カメラって…入り口に置いてあったやつだよね?映ってないの?」
🐇「おん、向こうの組織さんのパソコンに潜り込んで見とるんやけど、人影なんて…」
…おかしい。俺の目にはしっかりと人影が映り込んでいる。
あの位置なら、確実に監視カメラにも映り込むはず。
なのに映らない、と言うことは。
🍣「…映像、差し替えられてる?」
🐇「多分、そういうこと。」
🐇「クソ、俺はシステムに潜り込むだけで精一杯やったのに。書き換えもできるとか、こいつ相当やり手やな。」
相変わらず争いとなると口が悪くなる初兎ちゃんに少し呆れながら、目線は入り口から外さない。
俺の潜伏はバレていないはずだから、監視対象の組織がこちらを警戒しての映像差し替えではない。
それに、もし仮にそうだとしたら入り口に立っている人物の説明が付かない。
つまり。
🍣「あの組織、潰されるね。…それも、今すぐに。」
入り口に立つ男は戦闘目的だろう。
映像を差し替えたのはきっとあの男…もしくはその仲間。
理由は知らないが、おそらく俺と同じ。
臓器売買をしている組織の壊滅。それが今から行われる。
🍣「やば、アイツどこの組織の奴なんだろ?初兎ちゃんあとで調べといてね。」
🐇「…わかった、なんとか監視カメラを元の映像に戻してみるわ。」
🍣「ありがとう!…じゃ、俺近くから見てくるね〜」
🐇「了解…、……って、ないちゃん!?」
向こうで初兎ちゃんが騒いでいるような気もするが、通信機能をオフにして荷物をまとめる。
幸い今回は監視目的だったから武器も荷物も最低限。
全部の荷物を腰に巻いたポシェットに放り込んで銃をホルダーに入れ、屋上から静かに飛び降りた。
例のアジトから数十メートルほど離れた街路樹の上に身を潜める。
ここからならきっと相手にもバレないし、アジトが鮮明に見える。
そう言えば、先程の男は気付いたら居なくなっていた。
きっともう既に中に入り、戦闘を始めているのだろう。
見たところ1人だけだったが、あれほどの人数を1人でやれるのだろうか?
🍣「…無事に出てきた瞬間、顔覗き見てやる。」
そう楽しみに待ち、30分程過ぎただろうか。
例のアジトから、低い爆発音が聞こえてきた。
🍣「…爆弾?物騒なもん使うね。」
そう呑気に考えた瞬間。
一際大きな爆発音とともに、何かがこちら側へ飛んでくる。
…銅線が厳重に巻かれていて、まるで。
🍣「っ…まずい…!!」
慌てて木から飛び降りるが、既に手遅れで。
俺の背後で光が炸裂し、爆音と共に衝撃波が身体を包み込んだ。
🍣「っ、う”……っ…」
吹き飛ばされた身体が、道路の反対側の街路樹に打ち付けられる。
まずい、もろに背中で受けた。
こちらの居場所がバレてたのか?
早く起きてここから逃げなければ。
もし俺の存在がバレていたのなら、こんな視界の開けたところじゃ危ない。
例の男に見つかれば命はもう無いだろう。
そんな思考とは裏腹に、先程の衝撃で身体の力が入らない。
視界もどんどん狭まっていく。
🍣(…ああ、まずい。)
そう思ったのを最後に、俺の意識は底へと沈んでいった。
沈んでいた意識がゆっくりと浮上する。
誰かの声がずっと響き続けている。
心地の良い関西弁。初兎ちゃんでも駆けつけてくれたのか?
そんなことを考え、そっと目を開く。
…一番に見えたのは、誰のものかわからない焦りを帯びた瞳。
そして、その瞳が安心したように見開かれる。
「…目、やっと開いた…!!大丈夫ですか…!?」
高すぎず低すぎない、心地の良い声。
夜空を連想させる、深い藍の瞳。
…綺麗だ。
そう、思った。
コメント
2件
ゆきなちゃんの作品安定感ある今回のも良かった!! 夢中で読んでた!!マフィアパロ好きかも!あとどうやったらそんな綺麗に文章まとまるの? 続きも楽しみにしてるよ!! 合作頑張ろうね!
記入漏れです… ✖️ネタです。最終的に3人いなくなります(特大ネタバレ) 本当にごめんなさい土下座です