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逃げたり、やらかしたり

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逃げたり、やらかしたり

34 - 第34話 逃げて、逃げて、完全にキレたすかー

2025年07月21日

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──続き──

コンビニの駐車場に車を停めてすぐ、ネグとマモンは車から降りるなり、フラフラとトイレへ駆け込んでいった。

乗り物酔いだ。しかも、けっこう重め。


だぁは助手席から降りて、すかーも後部座席から無言で立ち上がる。

夢魔も後を追うようにドアを閉め、トイレ前へ向かった。


「……ネグ、マモン。大丈夫か?」

だぁがトイレのドア越しに声をかけたが、中からは返事がない。


夢魔も心配そうに眉をひそめる。

「おい、マジで吐きすぎて倒れてたり……?」


すかーが腕を組みながら静かに唸った。

「……いや、まさか。あいつら、また──」


その時。


「っ、ネグ!? マモン!? 返事しろ!」

だぁが声を張り上げ、すかーと夢魔も顔を見合わせた瞬間、トイレの小窓が半開きになっていることに気づいた。


3人「──またかよ!!」


夢魔が額を押さえ、すかーはその場で蹴りを入れる勢いでドアをバンッと叩いた。


だぁは無言で、ただ一言だけ、深く、低く。

「……逃げたな。」


その声には完全に怒りがこもっていた。


すかーも夢魔も黙って頷き、すぐさま車に戻り、探し回るためにエンジンをかけた。


──数時間後。

とうとう見つけたのは、レイの友人宅だった。


家の前に車を停めて、3人は無言でドアを閉める。


インターホンを押すと、中から友人の声が聞こえた。

「──はーい、今開ける!」


玄関が開くと、友人が顔を出し、気まずそうに眉を下げた。

「あー……やっぱ来たか。」


だぁは目を細めたまま、低い声で言う。

「ネグとマモン、ここだろ。」


友人はため息をつきながら後ろを振り返った。

「おーい、2人とも、迎えが来たぞ。」


その声で、ネグとマモンが姿を現す。

だが、2人とも、レイから叱られていたのか、すっかり顔を俯けていた。


「だから!!なんで!逃げた先が俺がいるとこなんだよ!!わざとか!? マジで!!」

レイは本気で怒鳴っていた。


ネグとマモンは申し訳なさそうに顔を伏せながら、声を揃えて言った。

「ごめんってば……」


レイは額を押さえ、ぼやく。

「はあ!? マジでさぁ!!! 俺を巻き込むな!!」


レイの友人も、苦笑いしながら2人を押し出す形で3人の前へと戻した。


すかーは冷たい目線で言った。

「……帰るぞ。」


夢魔は無言で2人の腕を掴み、半ば強引に車へ戻す。

そして──


──車で家へ到着。


玄関を開けた瞬間、ネグが先頭を歩こうとしたその時だった。


ツルッ──!


「あっ……!」


ネグの足が滑り、その勢いでだぁが支えようとしたのだが──


ズルッ!


「──!?」


だぁの手がネグの短パンに引っかかり、ズラしてしまった。

夢魔の服もギリギリ足りず、ネグは顔を真っ赤にして固まった。


そのまま勢いで、だぁの足がネグの体に食い込む形になってしまい──


3人、完全停止。


「………………。」


ネグは俯いたまま、かすれた声で。

「……変態。」


だぁは気まずそうに目線を逸らし、静かに。

「……ごめん。」


ネグはすぐにマモンの手を借りて、3人から少し距離を取った。

その時、なぜか夢魔とすかーも、ネグの足を引っかけて転びかけ、2人して同時に悶えた。


「ぐっ……! ネグッ! それは……ッ!」

すかーが低く呻き、夢魔も口を歪めながら。


ネグはその様子を見て、口元を押さえながら小さく呟いた。

「ぐにぐにしてる……使って無さそ……」


マモンもふっと笑って、少し視線を伏せた。


その瞬間──

すかーと夢魔が、声を揃えてブチ切れた。


「ふざけんなぁあああああ!!」

「マジで限界だわ!! ネグ!! マモン!!」


だぁも、拳を強く握りしめながら。

「本当に……ッ! お前らは……!」


3人の怒鳴り声が家中に響き渡った。


ネグとマモンは顔を引きつらせながら、顔を見合わせる。

「……やばい。」

「……逃げよ。」


そして2人は、またしてもその場から全速力で離れていった。


すかーは深くため息を吐き、心の中で。


(……なんでこうなるんだよ、本当……。可愛いから許すとか、そういう次元じゃねぇ……!!)


夢魔も、目を細めたまま頭を押さえながら。

(いやもう、ほんと、こいつら何回逃げるんだ……マジで学習しろ……)


だぁは最後に静かに一言。

「……絶対、今度こそ、逃がさない。」


そう呟きながら、再び追いかける準備を整えるのだった──。


──屋根裏部屋で隠れていたネグとマモンが捕まった後──


だぁの静かで低い声が屋根裏に響いた。


「……ネグ、マモン。もう逃げるな。」


ネグとマモンはぎゅっと肩をすくめて、だぁたちの冷たい視線に目線を合わせられないまま、ポツリと小さく「ごめんなさい……」と呟いた。


だぁは深くため息をつきながらも、優しさをかすかに混ぜた声で言った。


「まず風呂に入れ。汗もかいてるだろ。」


2人はうなずき、静かに風呂場へ向かった。


──風呂上がり。


ネグとマモンはすかーの貸してくれた服を着てリビングに戻ってきた。少しオーバーサイズなその服を着た2人の姿は、どこか頼りなく、どこか申し訳なさそうで。

そして夜になり──


だぁと夢魔は別室へ。

すかーはネグとマモンと同じ部屋で見張りがわりに一緒に寝ていた。


すかーの心の中は、怒りと困惑が混ざっていた。


(また逃げるんじゃねぇだろうな……)


そんなことを思いながらも、ウトウトと眠りかけたその時だった。


「……すかー。」


小さな声。

すかーの服がクイ、クイッと引っ張られる感触。


薄目を開けると、ネグがこちらを見上げていた。


「……なんだよ。」


眠そうな声で応えつつ、身を起こすと──


ネグはすかーの腕を引き、静かに部屋の外へ誘った。


「おい、何だよ。今度は何する気だ?」


不審に思いつつ、部屋を出たその瞬間──


ガチャン。


「……は?」


すかーの目の前で、ネグが素早く鍵を閉めた。


「……おい。」


すかーは一瞬、呆然とした顔でドアを見つめたが──


その表情が一気に険しくなった。


「ふざけんな、ネグ……ッ!!」


ドンッ!!


すかーは怒りに任せて、ドアを強く蹴りつけた。

だが、ネグは中で無言。


「……開けろ、ネグ。マジで開けろッ!!」


さらに一撃。

鍵が甘かったのか、荷物ごとドアがバタンと開いた。


部屋の中ではネグがベッドの上で小さく丸くなっていた。


その姿を見た瞬間、すかーの怒りは一気に爆発した。


「お前さあ……いい加減にしろよッ!!!!」


すかーは迷わずネグの腕を掴み、思い切り殴った。


──バンッ!!


ネグ「っ……痛い!」


それでもすかーは止まらなかった。


「逃げて、鍵までかけて……お前、ふざけんのも大概にしろよッ!! 何回目だよ……!」


さらに拳を振り上げ、何度も。


ネグは声を出さずに涙を流しながら、ただ耐えていた。


その時──


「すかー!!やめろッ!!」


部屋の外からマモンの叫び声。


すかーは振り返りもせず、さらにネグに手を振り下ろそうとしたその瞬間──


「やめろって言ってんだろ!!」


だぁと夢魔が駆け込んできた。


夢魔がすかーの肩を強く掴んで引き離す。


「すかー!もういい!」


だぁの低く鋭い声。


すかーは、肩を押さえられたままネグを睨みつけ、まだ呼吸が荒かった。


「……ふざけんなよ。何回同じこと繰り返すんだよ……!」


それでも、夢魔は淡々とすかーに言った。


「すかー、ネグはもう怯えてる。お前がそんなに怒鳴ったって、何も解決しない。」


すかーは何も言えず、ただ唇を噛みしめた。


その間、だぁは静かにネグの元にしゃがみ込んで、震えるネグをそっと抱き寄せた。


「ネグ、大丈夫だ……もう大丈夫。」


マモンもすぐに救急箱を持ってきて、だぁの隣に座りながら、ネグの顔を拭き、手当てを始めた。


ネグはかすかに震えながらも、声を出すことなく、ただ目を閉じていた。


マモンは優しく背中を撫でながら、低い声でささやいた。


「大丈夫、大丈夫だから……俺たちがいる。」


すかーはその光景を見て、唇を強く噛みしめたまま、拳を震わせていた。


──夢魔はすかーの背中を軽く叩きながら、静かに言った。


「怒るのも無理はない。でも、今はそれ以上はやめとけ。」


すかーは何も返さず、ただ深く息を吐き、拳を静かに下ろした。


だぁもまた、静かにネグの髪を撫でながら小さくつぶやいた。


「……本当にもう、逃げるなよ。」


ネグはその声に、ほんの少しだけ、目を細めて怯えて何も言わなかった

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