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―…病める時も健やかなる時も愛すことを誓いますか?
教会に声が響く。空は青く澄み渡り、雲1つない快晴。私はウエディングドレスを身に纏い、彼の隣に立っている。
彼の方をちらっと見る。目が合って笑いながら、はい、と返事をした。
まさかこんなことになるなんて思ってもいなかった。これは、私が彼と結婚するまでの話。
高校2年生の春。私が校門を出ようとした時、
「紬!」
と名前を呼ばれてふと振り返る。そこには幼なじみの櫻井凛(さくらい りん)がいた。
「凛!どうしたの?」
凛とは高校に上がってからクラスが別で話すことが減っていたため、話しかけられたことにびっくりした。また、弓道部のエース(?)として部活を毎日頑張っているため、帰宅部の私と帰宅時間が同じになることなんてあるのだということにもびっくりした。
「いや、今日玲奈が友達と遊ぶらしくて暇だからさ、久々にゲームでもしない?」
「いいよ。そういえば凛と玲奈ちゃんってもうそろ付き合って半年じゃない?何かプレゼントとかするの?」
凛は高校1年生の頃に玲奈ちゃんに告白されて、そのままずっとラブラブである。
……本当は、私も凛のことが好きだった。でも、放課後にゲームをする関係で満足していたから、告白しようとも思っていなかった。それで、いつのまにか、玲奈ちゃんに先を越されていた。玲奈ちゃんとは中学生の頃からの友達で、好きなものが似ていてよく遊んでいたから、嫉妬するにもできない。
今はもう2人のことを応援しているけど、正直、未練は消えてない。でも、2人とも優しくていい友達だから、この気持ちはしまっておくことにしている。
「……紬…?話聞いてる?」
「…ご、ごめん!ぼーっとしてた笑」
「あぁうん、ならいいや。最近さー、玲奈と映画行ったんだけど〜…」
凛の話を聞きながらトボトボ歩いていると、後ろから誰かが走ってきた。
「凛と渡辺…ちょい待ち…」
「あぁー要?どしたの?」
走ってきたのは、同じクラスで私と同じ学級委員の、朝日要(あさひ かなめ)くんだった。体力がないのか、息切れがすごい。これでも一応、弓道部で部長の次に上手らしいが…。
「凛…これ…顧問から…。あと、渡辺、明日学級委員の集まりあるらしいから…。来て…。はぁ…はぁ…」
「お、りょーかい!ありがとー!お礼でジュース奢るわ!」
「朝日くんありがとう。私もなんか奢るね。」
「あぁ、渡辺はいいよ…凛から貰えるから。凛、いつもの苺ミルク買ってきて。」
「あ、うん…」
「りょーかい!紬もなんかいるー?」
「じゃあサイダー買ってきて。あとで払う」
「はーい!待ってろよ、早いから」
凛は公園に私たちを置いて、近くのスーパーに向かった。…朝日くんと2人じゃとても気まずい…。いつも距離を置かれている気がして、あまり話しかけられない。
朝日くんは学校の中でもトップクラスに顔が良くて、女子からの人気が高い。私は陰キャだから、接点は学級委員しかないのだ。
ていうか飲み物のチョイスかわいいな、以外。
どうするべきかわからない私は、単語帳を取り出して勉強を始めた。朝日くんはスマホをいじっている。
すると凛が戻ってきた。
「たっだいまぁー!!って…2人とも…全く話してない感じ?」
「…凛、ありがと。…じゃ、俺はこれで。」
「え、一緒に帰ろーよー!だめー!?!?」
「ええ…だって2人で帰りたいんじゃ…」
「あぁ、俺らカップルじゃないよ?俺の彼女は玲奈だから。」
…その言葉に少し胸が痛くなる。ここで彼女って言ってもらいたかったなぁ。涙が出そうになるのをぐっとこらえる。
「…ふーん。じゃあ一緒に帰るわ。」
「ありがと要!!愛してる!!!てかさ!要も一緒にゲームする?」
「何すんの?エペなら参加」
「何するか決めてなかったわ!エペやろうぜ!!」
なんだか勝手に決まっているが…まぁいいか。エペは自信がある。
「ん、了解。凛の家いきゃいいの?」
「それでおけ!2人で合流したあとに紬の家行くか!」
「…え?渡辺の家ってこと?」
沈黙が流れる。気まずい。私のことを友達と思っていないことは知っているが、口に出されるとだいぶ悲しい。
「…あ、私の家じゃなくてもいいよ?」
「えー、紬忘れたの??俺の家Wi-Fiクソ雑魚なんだよ??」
「あぁ…そうだったわ…」
「2人とも、大丈夫だから。渡辺の家でいいよ」
「あ…わかった…」
「よーし!!!勝つどー!!!」
よく分からないけど、朝日くんがいいならいいだろう。今日は楽しくなりそうだ。