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一体自分は何をそんなに動揺しているのだろうか。
(分からない…けど。店長に今の現状を話せば、答えが見つかるのかな。)
膝に重ねた両手に力を込め、店長の横顔を見上げる。
間の抜けただらしない表情。
その顔が引き金となって、私は気がつけば声を発していた。
「…私…変なんです…」
「ん?変って…まさか、体調が悪いとか!?」
思いっきり的を外した返答に、頭が痛くなる。やっぱり話す相手を間違えたのかもしれない。
無意識にため息が漏れる。
「そういう変じゃなくて…心が…ていうか、今の流れでそっちにいきます?」
「あ…あー、そっちね!!はは、ごめんよ。それで?どんな風に?」
やっと話が進んでほっとする。
気を取り直して、話始めた。
「援交仲間が…いたんですよ。その子に昨日、私が援交をやめたって伝えたら怒っちゃって…そのまま別れて。きっと、もう私達の縁は終わったんだと思います。」
「そんなことが…」
悲しそうな声色がすぐそばで聞こえる。それ以上は何も言わなかったので、私は続けた。
「別に、私はいいんですよ?友達ってほど親しくなかったし、ただ同じような環境だから話しただけですし。そいつに怒られようが、縁がなくなろうが関係ないです。」
乾いた笑いで、重くなった空気を振り払おうとする。
…が、変わらず沈黙が続く。
ちょうどその時、信号が赤になり、車が停止した。
「なのに…」
窓の外に映った街明かりに向かって声を漏らす。店長は相変わらず口を挟まない。
それが心地よかった。
「そう…思っているはずなのに、おかしいんですよ。ずっとその時の光景を何度も思い出しちゃって、仕事中も頭の中ぐるぐるしちゃうんです。」