テラーノベル
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第72話
それで決着が付いた。
これからは、澪さんとの組手。ワクワクする。
SSSS級討伐者……強そう。
あ、ノアは休憩。流石に、あの呪いはキツかったみたい。
質問攻めされそうになったけど、何とか抜け出せた。
それで今は、澪さんと、私が訓練場を陣取っている。私の手には……剣。普通の剣。
だけど、聖騎士が使うレベルよりも高いはず。魔導回路も複雑で、重心が私に合わせている。
澪さんは、刀。でも、あの刀も凄い。後で見せてもらおうかな。ふふっ。
「セリーナは、負けた事があるのか?」
「昔に一度だけ相打ちになった事がありますね。何年も前の事なので、ぼんやりしていますけど」
手加減をやり過ぎて負けたとは言えない……
「おしゃべりは、盛り上がる前に止めてね。じゃあ、初めっ!」
高橋さんがそう言うと、澪さんは、私の攻撃を待っていた。
あれ? 来ないのかな?
なら、私から行ってあげようかな。
私がそう思って突っ込むと、ちゃんと防がれた。
剣術は、ちゃんとできるらしい。
わぁ! でも、あと一歩がなぁ……まぁ、体術は負けるだろうけど。
「ふぅん。こんなもんじゃないだろ?」
「貴方こそ。本気はまだまだ先ですよね」
「勿論」
その時の目は、初めて私と戦ったライナーさんのような目だった。
「本気でかかってきて下さい」
「ほぅ……いいんだな」
「いいですよ。私を誰だと思ってるんですか?」
「ふっ……分からないよっ!」
澪さんは、楽しそうにそう言うと、私に斬りかかってきた。勿論、防いだけど、ノアくらい。
私は、真正面から攻撃を入れた。全部防がれる。
なら……ふふっ。
剣に魔力を入れて、雷を流した。金属は、電気を良く通すのよね……
私がその剣で、攻撃しようとしたら、いつの間にかいなくなっていた。
急いで後ろから来た攻撃を避けると、間一髪だった。攻撃力が半端じゃない。地面がえぐれてる。どこかの千年ドラゴンみたい。
「怖っ」
「ふふ。その攻撃を避けられた君も怖いよ。これを避けられたのは、前代未聞だからな」
「へぇ……他にも持ってそうですね」
「あぁ。沢山持ってる」
そう言って私の周りに炎の渦を巻かせた。バリアがあるから全然効かないんだけどね。
この術式は、私の周りにだから、座標ではない。動いても無駄だろう。
取り敢えず消火した。消えにくい火だったけど。
あ、消火はね。魔力を吸い取って消火した。この魔法は、魔力消費が大き過ぎて、普段は使えないけど、魔力消費以上に周りに魔力があったからできた。
それからまた、大きな魔法が出た。次は、大きな電気の玉。ポワポワこっちに向かってくる。私は、バリアがあるから無視して攻撃に入ったけど。
澪さんは、私の攻撃を受け止めた。
「そのバリアって、どうなってるんだ?」
「魔法じゃなくて、物を生成しているような感覚です」
このバリアは、どちらかと言うと……その元の結界の魔力密度を高めて通さないようにしている。結界は、一応、物理魔法寄りの特殊魔法だからね。
#魔法
こはる
121
植まどか
136
こはる
1,676
601
「へぇ……このままでは、一撃も攻撃が入らないな……」
そこまで言った所で、私が先制した。脇腹を掠っただけだけど……
「凄い……」
「じゃあ、もう少し加減をなくしますか……」
私はそう言って、ノアと組手する時くらいの手加減にした。
勿論、防がれる。ノアと同等か……それよりも少し上か……?
分からない。でも、強いのは分かる。
気を抜いたら、怪我をするだろう。それにこの人は……本気。
私は、呪いが発動する前だと、七割。呪いの本領発揮を合わせると……丁度、一割。
……盛ってないよ。
本当の事言ってるだけ。
私は、スピードを上げて澪さんの事を壁まで飛ばした。重力魔法を駆使してね。
ドッコーンと響く音がこの訓練場に響き渡って、ぽっかりと壁に穴が開いた。
「ゴハッ、ゴエッ……」
澪さんは、血反吐を吐いて、倒れている。
……やり過ぎちゃったかな……? もうちょっと加減をした方が良かったのかな……
そう思ってると、さっきの電気の玉が飛んできた。油断して解いていたバリアは間に合わなかったから、避けた。
「……まだ、試したいっ。俺の限界を……」
「えぇ。勿論、大丈夫ですよ」
澪さんは、深呼吸をしてから飛んできた。さっきより劣ってる。
私は、重心を崩させて雷を落とした。
その雷が落ちた跡には、澪さんが力無く横たわっていた。
「……どのくらいがいいのかな……?」
私は、誰にも聞こえないような声で独り呟いた。
今回の組手で気づいた事は、私には涙と笑顔という感情表現が出来なくなっていたという事だった。
コメント
1件
いやー、めっちゃ熱かった…!セリーナと澪さんの組手、バトル描写が解像度高すぎて脳内でガンガン再生されたわ。特に雷を流す戦術とか重力魔法で壁に叩きつけるシーン、鳥肌立った。で、最後の「涙と笑顔が出来なくなってた」ってオチが重くて深い…。戦闘のワクワクから一気にシリアスに引き込まれて心臓掴まれた。こはるさんの構成力、やっぱすごいわ🔥