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「聖、どうしました?」
「あの二人がここの敷地に入ってきた。屋敷までたどり着くのも時間の問題だ。」
「お迎えが来ちゃったか……短い間でしたがお世話になりました。そして…ありがとう。」
「琉生くん、待って。」
琉生くんを抱きしめる。本当は行ってほしくない。ずっとここにいてほしかった。
「花月ちゃん…皆が見てる。放して。」
「嫌だ…離れたくないよ。」
じゃあ、といって私の腕をほどく。本当にこのままでは行ってしまう。
「なにかが…おかしい。」
「おかしいって何が…?」
「あいつら…この前と何かが違う。獣臭くて…まるで…。」
バキッ
聖さんがそこまで言いかけたとき、玄関から何かが割れる音が聞こえた。急いで見に行くと扉は壊されていて、そこには息を切らしながらも瞳を青く光らせる不気味な2人がいた。
「黒鬼院様の命令で来た。」
「今行くよ…さあ、帰ろう。」
「……。」
「なに、どうしたの?黙り込んで。」
「帰る…?何を言っているんですか?」
橙くんが琉生くんを突き飛ばし足蹴にする。
「ちょ…苦しい…。」
「私たちがここに来たのは貴方を迎えに来たわけではありません。貴方を始末しに来たんです。」
懐から短剣を取り出し琉生くんの前に突き出す2人。
「まさか…。」
「すべては黒鬼院様のため。お前をここで抹殺する。」