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コメント
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うわ、十四層から十六層への流れ、一気に緊張感が増しましたね。ケットシーに苦戦してるパーティーに出会ってからの共同探索、いいチームワークの見せ場でした。杉田さんの「実力主義」の考え方にも納得感があって、この世界の価値観がしっかり伝わってきました。 そして十六層のレッドスパイダー! 火魔法が糸に効くっていう共通点を活かした戦い方が鮮やかで、彩花が最大火力で一発焼き尽くすシーンは気持ちよかったです。二人の連携がどんどん洗練されてきてるのが伝わってきて、この先がますます楽しみになりました。
トレントを倒しながら進む。どうやら十四層まで潜り込んできている探索者はそれほど多くはないようで、濃い密度の中を進んでくるパーティーがいなかったのか、それとも途中で疲れて戻ったのか……詳しくはわからないが、ここから先は収入の心配をする必要はなさそうだな。
十四層のモンスターが徐々に増え始めてきた。この様子だと、十五層ではケットシーがそこそこ湧いているような状態なのだろう。そこそこぐらいだといいんだが、あんまり数多く湧いているような状況だとかなり大変な作業になりそうだな。
十五層に向かうと、目の前で探索者の一パーティーがケットシー相手に苦戦していた。そんなに苦戦する相手だったかな、こいつら。マジックミサイルにはマジックミサイルをぶつければそれで終わりだったはずなんだが。
ようやく倒した向こうのパーティーがこっちに気づいて、話しかけてくる。
「あんたら学生か? 二人のようだが……二人でここまで抜けてきたのか? 」
「そうです。十四層まではほとんどモンスターが狩られていて楽だったんですが……ここから先はまだ足が間に合ってない、という感じですかね」
「そうみたいだな。何層まであるかもわからないし、ここはどうだ、両方のパーティーで足をそろえていかないか。共同探索ってやつだ。そっちも、今まで稼いでこれなかった分数を多く安全に戦いたいだろうし、それは俺たちも同じだ。十層まではらくちんにこれたが、そこから先のモンスターが少々多めでな。一パーティーだと不安だったんだ」
彩花のほうをみやると、黙って頷いてくれた。これは乗るべき提案だな。
「そういうことなら喜んで協力します。目的はあくまでダンジョンコアの破壊で、それまでに稼ぐ……ゴホン、道中のモンスターの数を減らすしかないですからね」
「よし、それじゃあ仲良くやろうぜ。俺は杉田だ」
「本条です、こっちは結城です」
「右から順番に小谷、高橋、小泉だ。そっちは二人で大丈夫なのか? 」
「一応ケンタウロスぐらいなら二人でも撃破できるので……と、次きますよ」
話し込んでる間にもモンスターはうろうろし始め、こちらを見つけてケットシーがマジックミサイルを放ってくるのを、マジックミサイルで迎撃。そのままこっちの威力が勝っている分だけマジックミサイルがそのままケットシーを押しつぶし、黒い霧に変える。
「そいつはすごい威力だな。それだけの力があれば二人でも向かってこれるってのは伝わったぜ」
「それはどうも。ここまで持ってくるのにそれなりの努力があったと思ってくれるのが一番ありがたいですね」
「別に疑いはしないし、探索者は実力主義だ。強いやつの判断にはできるだけ従うのが道理だ。それに、仮に金で買った強さだとしても、その金を手に入れるための努力があるだろうしな。だから、それも実力の内だ」
なるほど、一理ある。とはいえ、俺も彩花もドロップ品を換金した分でスキルスクロールと交換したりもしているので、それも含めて……という意味では金で買った技術といえなくもないな。
そのまま十五層を二パーティー合同で進む。しかし、ここのモンスター密度は高い。専用ダンジョンや大学ダンジョンよりも狭い分だけモンスターとモンスターの距離が近く、同時に三匹四匹と相手にすることもある。そんな中で二人で進むのはちょっと怪しかったが、もう一パーティーいてくれるなら話は変わってくる。
俺と彩花が一対一で戦い、向こうのパーティーもパーティー全体で二匹を相手にする。向こうは盾持ちがいるため、マジックミサイルも盾で防いだり弾いたりしてうまいこと対応していけている。モンスターはリポップしないので、数を倒せば倒せただけスペースが広くなる。
広いところで戦える分モンスターの密度を下げられる。一気に倒せる分狭いスペースで戦っていくほうが楽にも感じるが、手数が足りない。範囲攻撃できるようなスキルが……一応雷魔法があるが、確実に当てられる自信がない。なので一匹ずつ素早く戦っていくほうが結果的に楽にはなるだろう。
「二人だということもそうだが……学生の割に強いねえお二人さん」
杉田さんが戦いなれたケットシーを相手にマジックミサイルを回避しながらするすると切り込んでは、
「そろって生まれが早かったんです。おかげでダンジョンに入り込む時間もそれなりに多めにとれたんですよ」
「なるほどな。ここまでは慣れてるみたいだな。十六層より先の経験は? 」
「残念ながら。そこは先輩の戦い方を参考にさせてもらおうと思いますよ」
「じゃあそこはぜひとも見せ場を作らせてもらわないとな。この先にはレッドスパイダーっていうケイブストーカーのより強いやつ、みたいなのが出るんだ。吐く糸も引張強度が高く、粘りが強くなっているし、なかなかに面倒くさいやつだ」
ふむ、十六層はレッドスパイダー。蜘蛛の上位種か。二人でうまいこと戦っていかないと、一人で戦うと糸に絡まって大変なことになりそうだ。ここから先はより慎重にいかないと厳しいんだろうな。ここまでまともにこれたからといってこの先も通用するとは言えない。
もしかしたら朝日奈をパーティーに加えて、大学ダンジョン数回潜って朝日奈自身のレベルを上げて、その後で二十層まで潜れるように、とするかもしれない。その場合は専用ダンジョンでどういう動き方をしなければならないか、ということも考え直して戦わないといけないな。
十五層の密度の濃いところを順番に掃除しつつ、次の十六層への階段を見つけた。ここから先がレッドスパイダーの領域か。しかし、もう少しケットシーを倒しておいたほうがいいかもしれないな。ケットシーでしっかり魔石も拾ったし、さすがにマジックミサイルは手に入らなかったものの、ここまでくるに十分な稼ぎが得られたか、と言われると……まあ、充分ではあるか。
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リリア💙🤍
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璃音
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#学園
大正
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数十匹倒して魔石が9個も出れば十分な稼ぎといえなくもない。普通に肉体労働や店員などの一般的に言われる学生バイトを普通にすることに比べたらしっかりと稼いでいるといえるだろう。
このあと十六層でもまだモンスタードロップは出るだろうし、魔石も落ちるだろう。その分を考えておけばいいな。さて、このダンジョンは何層まであるんだか……大学ダンジョンがあることからして、そこまで深くはないはずだろう。
ケットシーをほどほどに倒すと十六層に移動し、マップが草原から再び洞窟風のマップに入れ替わる。草原や岩を装飾として彩っていたダンジョンから、再び洞窟風の、しかも天井の高い洞窟に変わった。きっと、高いところからでも蜘蛛がツーッと下りてきたりして音もなく近寄られたりするのだろう。
蜘蛛は基本的に足音がしないので、聞き耳で居場所が聞き取れる可能性は低い。しっかりあちこちを目で見ながら確認するしかないだろう。
「ここからは聞き耳があってもモンスターの息遣いぐらいしか感じ取れないからな。できるだけ静かに行動するか、さっさと潜り抜けるしかないんだが今回はモンスターの処理と奥へ行くの両方しなくちゃいけないからな。このモンスター密度だと……60体ぐらいは倒さなきゃいけないところだろう。その分稼げるから悪い話ではないんだけどな」
60体、魔石のドロップ率から換算して6個。半分ずつ倒していくとして3つでも十分な収入になるだけの価値はあるってことだな。一個5000円ぐらいにはなるんだろうか。それなら二人で割っても7500円。一時間ちょいから二時間ほどの時給で割ってもいい金額にはなる。
「彩花、後ろだ」
彩花の背中を後ろに送り出して、背後から音もなく迫ってきていたレッドスパイダーと思わしき蜘蛛にマジックミサイルを発射する。レッドスパイダーは生意気にもマジックミサイルを避け、そのまま蜘蛛の糸でこちらを絡めとろうとまっすぐに糸を伸ばしてくる。
火魔法をまとわせた烏丸で飛んできた糸を焼き切りながら、レッドスパイダーの攻撃をしのぐ。二回、三回と連続してピュッピュッと飛ばしてくる蜘蛛の糸を焼き始める。どうやら、蜘蛛の糸が火魔法に弱いという共通点は同じらしい。
そのまま火魔法をまとわせたままの烏丸で蜘蛛の糸を切り裂きつつ、エネルギーボルトと雷魔法を織り交ぜながら、まず天井とつながっているらしい糸を断ち切る。雷魔法の雷撃が放つ熱量によって徐々に加熱され、そして柔らかくなった糸が……切れる。
レッドスパイダーは地面に足をつけてそのまま俺の目の前にパッと着地をする。着地をしてしまった。その瞬間、火魔法をまとわせた烏丸でレッドスパイダーを焼き始める。
キィィィィ!! という甲高い音を立てながら半分に切れていく。どうやらモンスターに対する切れ味のほうは問題ないらしい。黒い霧に変わりつつあるレッドスパイダー。きっちり倒すと、さっそく魔石がドロップする。しかし、この面倒くささだと十六層は面倒くささに比例するだけのドロップ品があるのだろうか。
これは帰った後の課題だな。十六層以降の情報を調べておく。できれば大学ダンジョン周辺の二十層までのモンスターの種類とドロップ品、ドロップ品の価値あたりもまとめて調べる必要があるだろうな。ボスはミノタウロスであることは間違いないのだろうが、道中のモンスターがこことは違う可能性もある。
「とりあえず俺一人でもなんとかできなくはないが、モンスターを先に見つけていれば、という条件付きだから一人で十六層を見回るのは怪しいな。やはり彩花の目線も必要だ。二人でそれぞれ戦っていこう。あと、彩花の火魔法は有効打だ。モンスターが射出してくる糸は火に弱いらしい」
「わかったわ、せめて火魔法がいつでも打ち出せるように準備だけはしておくわね。あとはできるだけモンスターを探して……いた、あそこ」
彩花が指さす先にレッドスパイダーがいた。よく見つけられるな。先制攻撃として彩花が最大火力であろう火魔法で一気に焼きにかかる。レッドスパイダーは反応が遅れ、そのまま彩花の放った火球にのまれて燃え尽きていく。さすがにあとには何も残らなかったが、彩花なら単体ですぐ倒せる、という結果が分かったのでよしとしておこう。十六層での彩花の火力は期待できる、と。