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テラーノベル(Teller Novel)
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実は僕の裏山の隣には、沼姫という中級のあやかしが治めている大きな沼がある湿地帯がある。

そのお隣さんから今日、河童の使者がきたのだ。

内容は、「明日の夜挨拶に伺うので、よろしくお願いします。」

というものだった。

僕はなんで急に!?と思ったのだが、霞いわく、いきなり現れた土地神が、急に勢力を拡大し始めたのだ。それもお隣で。

なので、自ら探りに来るのではないかとのこと。

たしかに、隣でいきなり現れた土地神が勢力を急に拡大しはじめたら警戒するかもしれない。

とりあえず、おもてなしの準備をみんなで整えなければならないので、今日は準備をみんなでする。

眷属のみんなや傘下のあやかしが手伝ってくれてるのだが、これはどこから持ってきたのだろうかというくらいの酒が運ばれてくる。

彼らどうやって酒を手に入れているのかはわからない。一応聞かないでおこう。

そんなこんなで、時間が過ぎていき、次の日の夜。

沼姫が来訪した。

沼姫が乗っているであろう牛車を先頭にぞろぞろと配下のあやかしを連れてやってきた。

牛車から、きれいな着物を着た濡れ髪の美女が降りてきた。

「いきなりの訪問すみませんでした。私はお隣りの沼を治めている沼姫と申します。よろしくお願いしますね?」

「わざわざお越しくださりありがとうございます。僕はこの山の土地神です。今日はささやかながら宴の準備をさせていただきました。どうぞお楽しみください。」

「これはどうも。楽しみさせていただきますね。」

沼姫との宴がはじまった。

宴の会場はもちろん裏山で、僕と沼姫の席は会場を見渡せる大きな石の上で紫が僕の護衛兼ぼくたちのお酌をしている。

ちなみに人間として暮らしている時は金魚ちゃんが護衛で、土地神の時は中級の眷属のクロかシロか紫が僕の護衛をしている。

護衛が人間のときと土地神のときで分けないとすぐに正体がバレてしまう。なので、金魚ちゃんたちは人間の時の護衛以外は、基本外に出ず、神域で泳いでくれている。

「土地神様はなんとお呼びすればよろしいですか?」

あっ、土地神の時の名前考えてなかった。

どうしよう。

「名前ですか?えーと、シンといいます。」

とっさにシンと名乗ってしまった。ちなみに、真広の真の読み方を変えただけだ。まぁ、いいだろう。

「シン様ですね。シン様は最近土地神になられたのでしょうか?前はこの山に土地神はいなかったと思うのですが」

「はい、ついこないだ土地神になったばかりの若輩者です。」

「しかしおかしいですねぇ、明らかになったばかりの土地神にしては力が強すぎる気がします。シン様は土地神になる前はさぞ高名なあやかし様だったのでしょう。」

「いえいえ、そんなことは…」

強いあやかしどころか霊感すらないただの人間でした…

ちらっと紫を見ながら、

「ご謙遜を。かなり強い眷属もいらっしゃるようですし、シン様はすごいお方ですわ。」

「眷属に恵まれてよかったですよ。」

「ちなみに、シン様はなにか目的があって強い眷属を求めているのでしょうか?」

きた、本題だ。

「いえいえ、僕は僕の仲間と僕が安全に暮らせるようになればそれでいいのです。そのために力を蓄えているだけですよ。」

「なるほど、では、どこかに侵攻する気はないのですね?」

「もちろんですよ!僕は平和が一番だと思っています。」

「その言葉を聞いて安心しました。では、もう一つ質問させてください。平和のためには戦うと言うことですね?」

「え?」

なんだか雲行きが怪しくなってきた。

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