コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
たまによく見るタレントの高校時代の友達にインタビューをする映像。あれは親しかった人にやっているのだろうか。逆に呼ばれなかった人はどう思ってその映像を見ているのか。その映像を見ているのかいないのか。考えればすぐ分かりそうだが、億劫。又考えたくも考えることも出来ない。
ーーーーー
私はやっとアイドルになれた。事務所は大っきくて誰もが知ってるタレントだっているの。スカウトを受けた時はほんとに嬉しくて、レッスンをしている時もレコーディングの時も今だってずっとドキドキしてる。
だけど現実は甘くないもの。スカウトされて自己肯定感が上がったのは束の間、もっと可愛い子とかダンスや歌が上手い子はいてその子達がセンターへいく。それなりに出来る私達はメンバーに選ばれるが後ろか良くても真ん中。見せ場も少なくて選ばれてるだけでも幸せそう思えるのがやっと。みんなを虜にさせるという気持ちはモノクロテレビみたいに形だけが残って色が褪せていく。多分そのうち砂嵐が来て崩れるのだろう。あぁこの映像高校のクラスメイトはどう思ってみてるのかな。そもそも見ていてくれているのかな。
ーーーーー
仕事終わりの少し着崩れたスーツを他所に飯を作ってやっと一段落した時にやっとネクタイを緩めあぐらをかきながらテレビをつける。ネットで見たおつまみメニューとコンビニの食べ物、ビールが机に並ぶ。右足がだらしなく上に三角に曲げてテレビを見つめる。ふと流れていた音楽番組で歌っているアイドルに見覚えを感じて少し思考が回る。そうだ高校の同級生の子でアイドルになった奴がいたな。頑張っているなと思いつつどこか赤の他人のような他人事で画面だけを見つめる。どうやら恋愛物の歌を歌っていて彼女は若干後ろの場所。俺もあいつも頑張ってるんだなと。でも心の底では彼女は溺れていくんだろうな干されていくんだろうなと思ってしまう自分がいる。そんな土曜日が確実にある。