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#先生と生徒
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「……俺も、もとちゃんのこと大好きやで」
「……えぇぇ?!」
不意に飛び出た俺の言葉に、もとちゃんは目玉が飛び出しそうなくらい驚いた。
それを見て、俺は腹を抱えて笑う。俺自身も好きやと言えた自分にびっくりして、笑えて仕方ない。
「じゃあ、付き合――」
「わへん!!」
「えぇぇぇ?!」
いちいち面白い反応をせんといて欲しい。幸せすぎて、笑いが止まらなくなるやん。
授業の始まりを告げるチャイムが遠くで鳴り、俺たちは繋いだ手に、自然と力を込めた。
一ヶ月前の俺が見たら、きっと腰を抜かすような光景やな。
「……今日、空んちいっていい?」
期待を込めた瞳で、もとちゃんが聞いてくる。
そうやんな。両思いになれたのなら、この熱い気持ちのまま、もっといちゃつきたいと思うんが普通や。
「今日はあかん。女の子たちとスイーツ食べに行く約束あるから」
「えぇぇぇ……」
絶望したような顔をする彼を尻目に、俺はわざと冷たく突き放す。
「……これからのことやけど。俺のこと本当に好きなら、行動で示して。そしたら、もとちゃんと付き合う事本気で考える」
「行動で……?」
よくわかっていない顔をしてるけど、今はそれでいい。
ゆっくり悩んで、俺のことだけを考えて、その脳みそを俺一色に染め上げてくれたらいい。
その後。
もとちゃんは、ずっと目標にしていた東京の大学受験を辞めた。
俺のそばに居続けるために、好きだと証明するために彼がした選択。
それが、もとちゃんなりの「行動」やったらしい。
ご家族やメガネーズには多大な迷惑をかけたけど、まだまだ、こんなものじゃ足りない。
いつか、俺のすべてを食べ尽くしてしまいたくなるくらい、狂おしく愛してくれる日が来るはずや。
二つの愛を使い分けながら、俺はこれからも、彼らを愛して生きていく。