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付き合う前です
死ネタ要素ありご注意を
気が向いたらおまけだします
エセ関西弁注意、西のヒーロー全員出ます
inm視点
急に色んなことに耐えられなくなった。
今までもあった嘲笑う声とか、馬鹿にする声とか、嫌がらせとかに耐えられなくなってしまった。
今まで平気だったのに。
家に帰ってきた途端なんとなくあ、無理だと思ってしまった。
もう楽になりたい。その一心で先程までつけていたドライバー等が入っているポーチやカバンも、スマホも財布もデバイスもオトモも全部玄関に投げ捨てて自分がいつも辛くなった時に良く行ってた海に向かって走った。
足が痛くなっても、肺が痛くなってもそんなの気にせず走り続ける。
今の時間は深夜2時。
誰ともすれ違わない時間帯だ。
でも、もしかしたら今日は家から出ない方が良かったのかもと遠くで戦っている音を聞いて思って。
俺はデバイスは置いてきてるしデバイスが無ければ戦えないただの人間。
その事実を受け入れることすら出来なくて。
それでまた苦しくなる。
やっぱり自分にヒーローなんて最初から向いてなかったんだ。
こんなに弱い、守ってもらってばかりの自分がヒーローなんて到底無理だった。
でも、俺がヒーローになりたかったのは……。
そんなこと今はどうだっていい。
早く楽になりたい。もう誰にも何も言われたくない。助けて欲しかった。助けたかった。
そう思って海に1歩ずついつもより時間をかけて歩いていく。
気づいた時にはもう自分の体は海の中に沈んでいた。
やっぱり海は好きだ。
誰に対しても変わらず優しく包み込んでくれている気がして海に救われてきた。
最後くらいは自分の大好きだった海で死にたいと思ったから、思っていたからここに来れてよかったと思う。
もう、息が続かなくなってきた。
苦しい。でももうすぐ楽になれる。
最後までいい子になれなくてごめんなさい。
ロウ、るべ、カゲツもごめんなさい。
ただの人間が隣に立とうとしてごめん。
立てるはずがない舞台に立とうとしてごめん。
最後まで迷惑かけてごめんなさい。
でもきっと俺より優秀な、素敵な人が見つかるから大丈夫。
次の人とも仲良くやってね。
るべ、最後の最後まで言えない弱い人間でごめんね。
大好きだよ、愛してたよ。
そう思って、意識がもう無くなった。
hsrb視点
KOZAKA-Cとの戦闘がやっと終わった。
深夜2時に呼び出すとかどうなってんだよヒーロー本部。
とは思わないでもないが市民たちの命を守るためなので致し方ない。
ちょうど近くにあった海でも見ようかとそちらに視線を向けたら何か海に浮かんでいる人のようなものがあった。
誰なのかは分からないが助けなければならない。
近寄って見ればどう見てもうちのメカニックにしか見えない。
焦った俺からは震えた声しか出ない。
「ライ、?ライ、ライ!」
どうすれば……。
そうだ、心臓マッサージしなきゃ…。
震える手で心臓マッサージを始める。
今日は偶然俺のオトモも着いてきてたからオトモに109に電話をかけてもらって、スマホを俺の耳につけてもらって説明をした。
すぐ来てくれるそうだけどそれまで心臓マッサージをしなきゃ行けない。
頭の中をどうしてとかなんでこんなことをとかそんな言葉がよぎるけど今はライの命が助かることが大事だから無理やり心臓マッサージの方に意識を持っていく。
10分ほど心臓マッサージをしながら待っていれば救急車のサイレンが聞こえる。
やっと着いたようだ。
救急車に乗せられていくライをみ見て俺もついて行きたくなった。
「あの、着いていかせてください。
大切な人なんです。」
って言ったら案外すぐ承諾されてびっくりした。
救急車にいる間、俺はずっとずっとライの俺より小さくて白い手を握ってた。
最近のライは何か焦っているようで休みもろくに摂らず食事も疎かにしていたからそれの弊害の体調不良で倒れたとかであってくれ。
頼むからそうであってくれ。
お願いだから、俺の大切な人を奪わないで。
ライが居なくなったら俺、きっとまともに喋ることも出来なくなって人間じゃいられなくなっちゃう。
きっと色んな人を恨んで色んな人を殺してしまう壊れた化け物になっちゃうから。
お願いだから、自分の生を諦めないで。
そう願いながら着いた病院で小柳くんとカゲツに連絡を行う。
チャットでは気づかれないだろうからと少し席を外して電話をかけた。
何回かけても繋がらない。
早く出てくれ!なんて思ってれば小柳くんが出た。
「星導、?どした」
「小柳くん、あの……ライが」
焦って言葉が出てこない。なんて言えばいい?
そうだ、海で浮いてて?違う。なんて言えば…
「星導、1回落ち着け。
深呼吸しろ。」
「そ、うですね。すみません。」
「で、落ちついたか?」
「はい。」
「ライがどうした。」
「その、海で倒れてて、というか浮いてて。
今ヒーロー用病棟に居て処置が終わったからって病室でライが今寝かされてるんですけど……えっと、ぁ、病室の部屋は403です」
「カゲツも隣にいるから一緒に向かう。
ライならきっと大丈夫だから落ち着け。」
「そうですね、ライならきっと平気ですよね。」
「あぁ。そうだな。
……一旦電話切るわすぐ向かう。」
「分かりました、待ってます。」
病室に直ぐに戻る。
本来なら面会出来ない時間だけど特別な許可を貰って面会させてもらえることになった。
あとちゃっかり泊まらせて貰えるようにその書類も出てきたから俺は平気だけどあの二人許可されるか分からないなということに今更気づいた。
とりあえず窓開けといて連絡入れとけば窓から入れるだろうなと思い窓を開けておく。
風が部屋の中に少しだけ入ってくるようになった。
ヒーロー病棟は全室個室になっているため窓を開けても怒られることは無い。
窓の近くにあるベッドの中で眠っているライ。
そんなライの髪が緩く揺れていて。
ライを初めて見た時、きっと絵になったら映える人だなと思った。
ふとした時に見える真面目な表情も、初めましての人がいる時の控えめな笑顔も、俺たちの前でしかしない口を大きく開けて笑う可愛い表情も、たまにする壊れた人形のように泣いている時の顔も、全部全部全部。
大好きで、愛していた。
きっとライを油絵が描ける画家が描いたら映える絵になるとずっと思っていた時に自分がライの絵を描きたいと、他の人に描かせたく無いと思ったから密かにずっと練習していた。
でも、ライが居てくれなきゃ、生きてくれなきゃこの夢は叶わないから………。
生きてて欲しい。
きっとライにとって酷な言葉なのはわかってるけど。
それでも俺の全てを奪わないで欲しい。
カゲツと小柳くんが着いたと思ったら事情聴取が始まった。
KOZAKA-Cと戦っていたところの近くに海があったこと。その海にふらっと寄ったらライが海に浮かんでいたこと。ライの名を何回呼んでも起きなかったから救急車を呼んだこと。
丁寧に一から説明した。
小柳くんもカゲツもなんとも言えない表情をしていた。
「まぁ、僕ら許可もらってないしあんま長居出来んから一旦帰るわ」
「分かりました、」
「…ちゃんと寝ろよ、お前も」
「当たり前じゃないですか。」
「じゃあ、僕ら帰るわ。おやすみ。」
「……じゃーな、おやすみ。」
「はい、おやすみなさい。」
カゲツと小柳くんが去った後の窓をずっと見ていた。
どれ程の時間が経ったのか分からないがそろそろ寝ないと行けない。
ライの手を握りながらライが眠っているベットを少しだけ使い自分の腕を枕にして眠る。
やっと眠れる。
そう思って眠ったけど何時間睡眠が取れたか分からない。
起きてから時計を見たら昼の12時だった。
さすがにお腹がすいたけどライの隣を離れたくない。
けど何かお腹に入れたい。
悩んだ末結局4階にあるコンビニでサンドイッチと軽い飲み物だけ買ってライの病室に戻ってきた。
ライのベッドの隣に置いてある椅子に座りながら窓を眺めて食事をする。
まだ、味がわかる。
ちゃんと美味しい。
ライが居なくなったら俺はきっとヒーローじゃなくなる。
それにライと一緒にヒーローをしたいんだよ。
ライじゃなきゃダメなんだ。
だから早く目覚めて。
……そう願ってから早くも2週間が経とうとしている。
もうそろそろ、起きてくれてもいいんじゃないの。
そろそろ、俺味が分かんなくなりそうだよ。
ねぇ、ライもう限界だったならヒーローになり続けなくていいんだよ。
休んでもいいんだよ。
だから、俺の隣で生きてて欲しいな。
やっとやっと泣けた。
ライが大切だから焦りが強くてずっと泣けなかった、でもやっと泣けた。
俺が握ったライの手に俺の雫が重力に従って落ちていく。
「ライ、ライ……」
inm視点
もうここに居るつもりなんて無かったのに。
目覚めてしまった、朝が来てしまった。
楽になりたかったのになれなかった。
なんでこんなところまで出来損ないなの。
なんて思って泣きそうになる。
左手に違和感を感じてそちらを見れば泣きながら俺の手を握っている星導が居た。
「……るべ、?」
声をかけてみれば前と同じ俺の声が出る。
こんな声、嫌いだったのに。
「…らい、?ライ!ライ……良かった、良かった。」
なんて大好きな人に言われてしまえばまだ生きていてよかったかもなんて絆されてしまいそうになる。
「……るべが、俺のこと助けたの?」
「そうだよ。」
「助けなくてよかったのに。」
「……ライにとっては酷なことを言ってる自覚はあるけど、俺のために生きて欲しい。」
なんて泣かれてしまえば頷く以外の選択肢なんてなくて。
頷いてしまえば覚悟を決めたように口を開いた星導が俺を真っ直ぐ見ていた。
「ライ、遅くなってごめんなさい。
俺ライのことが好きです。ずっと隣に居てくれませんか……?」
「ぅん、こんな俺でよければ。」
「こんなじゃないよ。ライだから好きなんです。俺の好きな人のことこんななんて言わないでください。」
「るべ、るべ……ずっと好きだった。」
なんて言えば今まで我慢していた涙がもう止められなくてぼろぼろと涙から零れ落ちてくる。
星導はもう涙は止まっててでも目尻は赤くなっていたけどそんなこと気にしてないみたいに俺の涙を拭ってくれる。
「……ライ、いっぱい泣いていいよ。
辛かったね。」
なんて言われてしまえばもっと涙が零れ落ちてきてしまって止まらなくなった。
でも、今までの頑張りがやっと認められた気がしてすごく救われた。
「…るべ、今は、今は言えないけどきっといつかちゃんと昔のことも話すし相談も話すからそれまで待っててくれる、?」
「もちろん。いつまでも待ってますよ。」
そんなふうに笑いあった2人に明るい優しい光に照らされていた。
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