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大森☆*:.。.
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3話目ぐらいまで一気に出すね!
めっちゃ思う浮かんできた!
では本編どうぞ!
・・・・・・・・・・・
退院してから数日後。
スタジオには、またあの音が戻っていた。
若井:いや復帰早すぎでしょ
藤澤:ほんとに大丈夫なん?
元貴:大丈夫大丈夫、もう元気だから
そう言いながら、パソコンに向かう手は止まらない。
〇〇は、少し離れた場所でそれを見ていた。
〇〇:……ほんとに?
元貴:うん
〇〇:ちゃんと寝てる?
元貴:寝てる寝てる
若井:絶対寝てないやつ
藤澤:顔見りゃ分かるわ
元貴:ひどくない?
軽く笑うけど、その目の奥はまた“あの時”と同じだった。
何かに追われているような、焦り。
〇〇:……元貴
元貴:ん?
〇〇:ちょっといい?
ーーーーーーーーーーーーーーーー
スタジオの外、人気のない廊下。
〇〇:なんで、もうそんなにやってるの
元貴:え?
〇〇:退院したばっかだよ
元貴:いやでも、止めてた分取り戻さないと—
〇〇:またそれ?
少し強い声になる。
元貴:……
〇〇:ねえ、それでまた倒れたらどうすんの
元貴:倒れないって
〇〇:倒れたじゃん!!
静かな廊下に、声が響いた。
〇〇:この前、目の前で
〇〇:動かなくなったの、忘れたの?
元貴:……
〇〇の手は、ぎゅっと握られている。
〇〇:怖かったんだよ
元貴:……
〇〇:ほんとに、もう起きないんじゃないかって
元貴:ごめん
〇〇:謝ってほしいわけじゃない
少しだけ間が空く。
〇〇:……なんでそんなに急ぐの
元貴:……
元貴:……止まるのが怖いから
〇〇:……
元貴:休んでる間にさ
元貴:全部、置いてかれる気がして
〇〇:誰に?
元貴:……自分に
〇〇は一瞬、言葉を失う。
元貴:頭の中にある音ってさ
元貴:時間が経つと、消えてくんだよ
元貴:だから、残したくて—
〇〇:でもさ
言葉を遮る。
〇〇:元貴が消えたら、意味ないじゃん
元貴:……
〇〇:音が残っても
〇〇:元貴がいなかったら、誰がそれ作るの
元貴:……
〇〇:ねえ
一歩近づく。
〇〇:そんなに急がなくてもいいじゃん
元貴:……
〇〇:私は
少しだけ声が弱くなる。
〇〇:待てるよ
元貴:……
〇〇:未完成でもいいし
〇〇:遠回りでもいい
〇〇:ちゃんと元貴がいるなら、それでいい
元貴:……
〇〇:……それじゃダメ?
その言葉に、元貴は目を逸らす。
元貴:……ずるいよ
〇〇:なにが
元貴:そういうこと言うの
〇〇:本音だもん
元貴:……
しばらく沈黙が続く。
やがて、元貴が小さく息を吐いた。
元貴:……ちょっとだけ
〇〇:?
元貴:ペース落とす
〇〇:ほんとに?
元貴:うん
元貴:完全に止まるのは無理だけど
〇〇:……まあ、それは知ってる
元貴:はは
少しだけ、空気が軽くなる。
元貴:でもさ
〇〇:ん?
元貴:もしまた無理してたら
〇〇:うん
元貴:止めて
〇〇:……もう止めてるけど
元貴:もっと強く
〇〇:……
〇〇は少し考えてから、元貴の腕を軽く叩く。
〇〇:じゃあ今みたいに怒るから
元貴:怖
〇〇:怖がって
元貴:はいはい
でもその顔は、どこか安心していた。
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スタジオに戻ると、若井と藤澤がニヤニヤしていた。
若井:長くね?
藤澤:説教タイム?
〇〇:うるさい
元貴:ちゃんと怒られました
若井:だろうな
藤澤:ナイス〇〇
〇〇:別に……
少しだけ照れたように目を逸らす。
元貴は席に座り、深く息を吐いた。
そして、ゆっくりと鍵盤に手を置く。
さっきまでとは違う、少しだけ穏やかな音。
元貴:……これでいいかも
〇〇:?
元貴:急がなくても、消えないやつ
若井:お、なんか来た?
藤澤:いいじゃんそれ
〇〇はその音を静かに聞いていた。
消えそうで、でも確かに残るもの。
それはきっと、“灯火”みたいに。
・・・・・・・・・・・
長いかな?
リクエストどうりに出来てるかわからない…
ではまた次回!( *´꒳`*)ノシ.*マタネ✧*